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優れた厨師(ちゅうし)を輩出することで有名な斉家村(せいかそん)に生まれた見習い料理人・斉鎌(せいれん)は、ある日見知らぬ男から不思議な鍋を借り受ける。しかしそれは煮炊きをしないでいると腹を空かして動物や人間を襲い始める、とんでもない鍋であった。鍋を返すまで故郷に帰ることは叶わない──流浪の身となった斉鎌は、鍋とむらに代々伝わる霊力を持った包丁を頼りに、戦場の飯炊き場、もののけの棲み家、名家の隠居所などで腕を揮いつつ、鍋の元の主を捜し歩くが……。若き厨師と怪しい鍋が旅の途上で出会う人々と不思議、そして料理。無類の面白さに満ちた美食中華幻想譚!/解説=南條竹則
...続きを読むPosted by ブクログ 2019年05月03日
厨師、つまり料理人として渡り歩いている斎錬の持っている鍋は預かり物であるが、なんでも美味しくする不思議な鍋である。鍋だけでなく、彼の腕も確かなので、美味しそうな話が続く。色々な場所で料理をしての話が、オムニバスのように続いていって、それらのエピソードが所々で繋がっていく構成になっている。穏やかな語り...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年12月01日
サイン本を購入。
中華×ごはん×幻想怪異の短編集で、主人公・斉鎌がほどよくとぼけた風合いなのが良かった。人情ものだけでなく、ごうつく張りが痛い目を見るとか、お話のテイストも色々、登場人物も(まさに)煮ても焼いても食えないタイプが多くて楽しく読めました。面白かった!
基本的にどれも後味の良いお話なのも...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年04月12日
優れた厨師を輩出することで有名な斉家村に生まれた見習い料理人・斉鎌は、ある日見知らぬ男から不思議な鍋を借り受ける。しかしそれは煮炊きをしないでいると腹を空かして動物や人間を襲い始める、とんでもない鍋であった。鍋を返すまで故郷に帰ることは叶わない―流浪の身となった斉鎌は、鍋とむらに代々伝わる霊力を持っ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月09日
何とも味のある、中華幻想譚。表紙もいい味出していますよね。
厨師(料理人)の斉鎌は、何でも美味しく仕上げるけれど、長く使わないと腹を減らして人等を襲うという、便利だけど乱暴すぎる不思議な“鍋”を借り受けます。この鍋を持ち主の男に返す為、図らずも流浪の厨師になってしまった斉鎌。
彼が行く先々で起こる、...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月06日
厨師とは、厨房の師、即ちる料理人のこと。清朝時代と思われる中国で、妖異の鍋と包丁のようなものを持ち放浪の旅をする厨師、斉鎌の奇妙な体験をつづる中華ファンタジー短編集。
中島敦を今風に読み易くしたような、中華味の物語が味わい深くて面白い。スゲー怪物やとんでもない事件は起こらないものの、民話調の不思議...続きを読む
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