大胡田誠の作品一覧
「大胡田誠」の「全盲の僕が弁護士になった理由」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「大胡田誠」の「全盲の僕が弁護士になった理由」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
テレビ番組で大胡田誠さんの特集をみて本書を拝読。
「健常者と同じにように障害者と接して」と度々言われるが、それは無理なことだと私は思う。批判や誤解はあるかもしれないが。健常者と同じように接するということは我々が健常者にするのと同じように性格を批判したり欠点を揶揄したりしないといけない。「弱者を労われ」と教育されてきた我々にとって逆差別が足枷となりそれは心理的ハードルが物凄く高い。本当に自然にそういうことができる人々は極一部だと思う。それを認めたうえで我々に何が出来て何が出来ないか、一つの答えが本書のなかにある。
先天緑内障で視力を失う恐怖を味わい、無謀とも思える司法試験に挑戦し、絶望のなか5度目の挑戦で合格し、幼馴染の亜矢子さんと出来ちゃった婚(!)。全盲のふたりと周囲の協力を得ながら二人の子供を育てている。思春期に視力を喪失し今に至るまで凄まじい葛藤があったであろうが、いまの大胡田さんは全盲だからこそできること(共感力や集中力、聴覚)、全盲だからできないこと(彼をみるとそれは全盲だけに思える)をうまく使い分け折り合いをつけて生活しているように感じる。ゆえに人間や人生の真理を捉えた心に響く言葉がふんだんに散りばめられている。
なぜ大胡田さんはそうまでして頑張ってこられたのか、その理由が先に挙げたテレビ番組にあった。大胡田さんと亜矢子さんが「音楽家」として特別支援学校へ慰問に行った際、ある女学生から「私は幼いころから片耳難聴で右耳が聞こえません。障害に立ち向かうのは相当な苦労があったと思いますが、大胡田さんは障害をどう乗り越えましたか?」と質問を受ける。そのときの大胡田さんの言葉、「自分のためだけに生きているとつらくなっちゃって限界を感じることがあるんだけども、自分を必要としてくれる誰かのために生きる。そうすると自分の障害なんて関係なくなっちゃうんですよね。その人のために自分がどうできるか、何ができるかを考えることによって障害を乗り越えられているような気がしています」。答えを聞いた女学生同様、私も心を打たれてついつい泣いてしまった。土曜の早朝だったけれども。
心は「体のどこか」ではなく「人と人との間にある」にある。人は何のためになぜ生きているのか、ひとつの示唆を与えてくる一冊であった。
Posted by ブクログ
松坂桃李さん主演のドラマが大反響!!
原案である本書で、また違った感動を味わってください。
なぜ彼は、光を失っても絶望せず、軽やかに笑いながら生きているのか─。
全盲弁護士・大胡田誠の半生を描く本書の企画は、そんな疑問から始まった。
12歳で視力を失いながらも弁護士を志し、8年の苦学を経て司法試験に合格。
町弁(町医者的弁護士)として深刻な悩みを抱える依頼者を支える一方で、全盲のパートナーと結婚。
震災の最中に一児をもうけ、子育てにも奮闘する。
どんな逆境にあっても、人生を「楽しむ」ことを諦めない。そんな著者の生き方に迫る。
困難と闘うすべての人に贈る、汗と涙の奮闘記。
Posted by ブクログ
会社の上長に薦められて読んだ一冊。
全盲というハンデを持ちながら、弁護士という最難関の資格・職業を目指した方の、想像もつかない努力や背景に興味を惹かれて読みました。
努力の仕方やノウハウを記したものではなく、
著者やその周りの方々との今までの経緯を綴った一冊でした。
【内容の抜粋】
・全盲の子を授かった両親の覚悟と愛情
・人は無意識のうちに「自分にできるのはここまで」と限界を線引きしている
・障がい者が社会に出て自立するチャンス、努力の機会すら与えてもらえない人間が、現実として存在する
・人間はいろいろな人との関わりを通じて自分の立ち位置を確認する生き物。だから、閉じられた世界にいると、寄る辺ない孤独に襲われて、自分を見失いそうになる
・勝負に勝つために何より大切なのは、自分の弱さを見せつけられた時
逃げずにそれときちんと向き合う心の強さを持つこと
・きちんと準備をしてきた人にとっては、「もうだめだ」と思った時が、限界の先にある自分に最も近づいた瞬間
・人は相手が身近で大切である程、色々なことが当たり前になってしまって、相手の存在の大きさを忘れてしまう
・人と人とはいつも鏡映しの関係にある
・「悪意のない差別」が障がい者の社会進出を難しくしてしまう
・「心」は、人と人との間にある。誰かのことを思った時に、その人との間に生じる感覚
久しく本を読んで泣きました。
「弁護士の仕事は、法律に人格を載せて売る商売なんだ」という言葉と、
「人生で迷った時は、自分の心が『温かい』と思う方を選びなさい」という言葉が個人的には印象的です。
心が暖まり、自らの無意識の差別に気付き、懸命に生きることの姿勢を感じ取ることのできる一冊でした