作品一覧

  • エムバペ・レヴォリューション
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    その男、幻獣につき この男の後ろにいるのは、エムバペか、ムバッペか、はたまたンバペか……私たちは知らない 彼はひとつの理想であり、約束であり、夢をみる権利の象徴でもある。 わずか数年で、キリアン・エムバペは世界の頂点へと登りつめた。ひとつの「声」となり、モデルとなった。コパ、プラティニ、ジダンと並んで、フランスサッカーの殿堂入りを果たすのに時間はかからなかった。そして、あのペレから認められるという栄誉をすら手にしたのだ。 彼は自分のやり方で支配する――ボールによって。 彼は自分のルールを押しとおし、人々を魅了し、驚かせる。 国家、監督、チームメイト――誰も彼には抗えず、誰も彼から逃れられない。 彼を見つめ、彼の言葉に耳を傾けることは、社会の鼓動を聴くことだ。 エムバペはすでに「歴史」を書きあげた。 残されているのは、その続きを書くことだけである。 【目次】 プロローグ 現象 第1章 現代サッカーのリヴァイアサン 数字の重み/数字の力/「ミスター・パーセンテージ」あるいは肉食動物の出現/フランス代表での現象/キリアンは待ってくれない/パリのリーダー、預言的なフォワード 第2章 確かな価値 アンチ・ネイマール/フォローする、フォローされる/正しい値段、価値の問題/リスクは別のところに 第3章 話題の人物 第4章 たった一人、彼だけのメディア 出発からのメディア現象/自分の時代に属すること/すべてが違っているという印象 第5章 エムバペ、登録されるブランド エムバペInc.®/ブランドになる/コピーライトと登録ブランド/自由で、解き放たれた選手 第6章 新世代を予感させる選手 厄介な君主の助言者/キリアンと《リキッド・モダニティ》、私たちの時代の物語/二一世紀に政治参加する者はもはやインテリではない、エムバペである 第7章 エムバペあるいはインフルエンサーの正当性 才能の専制政治、権力をもつサッカー選手/「私」の時代/ナルシスの失墜 第8章 メイク・キリアン・グレート・アゲイン 二一世紀のフランス人は一人のアメリカ人である 無視できないバスケットボール選手/他者の重要性/ビジネスはビジネス/権力は自らを直視しない、実行する/一人の選手以上/永久に最初の存在 第9章 私たちが見たいフランス 体現する者/フランスの天才/解放する者/私たちが望むフランスの姿/別のフランス/フランスの分断を修復する者? 第10章 フランスで最初の政治的人間 第11章 外国に向けたフランスの顔 フランスの最初の一人/ショーウィンドーとして/ソフト・パワーとエムバペ/カタール、曖昧さの重圧/カメルーンとアルジェリアの間で、出自のディレンマ/負担はひとつではない 第12章 キリアン一族、成功の坩堝 キリアンのルーツ/ボンディー、そして世界/どのようにして成功する?/キリアンの七つの家族のゲーム/出発点は、そう、《エムバペ・プロジェクト》/《いまの君になりなさい》/いらつかせる一族 第13章 エムバペ現象の限界 リーダー? どんなリーダー?/激突の感覚、愛情の不在 第14章 マラドーナ、プラティニ、ジダン……歴史のなかの場所はどこに? 第15章 愛の物語はパリで破局する あまりにも、あまりにも/起こり得ない契約延長の不在 第16章 キリアン、彼はまだ世界が待望する存在ではない 第17章 マドリード、ただそれだけ…… 夢と現実/その間にも……/そしていま……? エピローグ そして? キリアン大統領?
  • サッカーと人種差別
    4.0
    凄まじい憎悪と彼らはいかに闘ってきたのか――。ここ20年、サッカーの本場ヨーロッパでは、どのような人種差別事件が起きていたのか。サッカーは差別といかに闘ってきたのか。差別を受けた選手の足跡、差別と闘う団体の活動などを追いかけ、スタジアムと私たちの社会から差別をなくすためにはどうすればいいのかを考える1冊。
  • ジダン研究
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    不在によって存在を語り、黙することによって饒舌に語るジネディーヌ・ヤジッド・ジダンの底知れない「内面世界」 ジダンの言葉は、いつも少し足りていない。だからこそ私たちはジダンに向けて、彼の言葉の余白に向けて、言葉を紡いできた。足りない何かに届きたいと思ってきたのだ。それが本書である。――「はじめに~ジダニスト宣言」より 【構成】 はじめに~ジダニスト宣言 第一章 家族の肖像 アグムンから/ムルド・フェラウン『貧者の息子』/一九五三年、フランスへ/パリでの生活/サン=ドニ、そしてスタッド・ド・フランスの歴史/脱出/暗い日々/結婚/ラ・カステラーヌ/マルセイユの都市計画/ラップの描くカステラーヌ/ジネディーヌ誕生/「ベルベル語」とカビリーの言葉の間で/ジネディーヌとサッカーのこと/ジャン・ヴァローのこと/ペゴマのエリノー家での一年/プロヴァンス青年寮/ディヴィジョン・アン、デビュー/ベルナール・タピのOM/ボルドーへ/フランス代表の初得点/長男エンゾ誕生/アルジェリアの社会情勢/一九九六年、EUROイングランド大会/ユヴェントスへ/「デルピッポ」とジダン/フランス・ワールドカップ/決勝トーナメントへ/準々決勝、イタリア戦/準決勝、クロアチア戦/決勝、ブラジル戦/『レキップ』紙のこと/ジダンへの敬意、ノエル・ル・グラエの失言/「一九九八年」の総括/ジダンの言葉/「英雄」は生き続ける/EURO2000のフランス代表のフォーメーション/ユヴェントスでの最後の日々/ドーピング問題の長い影/サン=ドニの悲劇まで 第一章注 第二章 フランス・カビリー・アルジェリア 二〇〇一年一〇月六日/試合経過/二〇年目の視点/研究対象として/一九七五年の試合、地中海競技大会決勝/一九五八年、FLNのチーム/ラシッド・メクルーフィ/ムスタファ・ジトゥニ/チュニスへ/チームの誕生と「世界旅行」/ド・ゴール将軍の言説/アジアへの遠征/一九六〇年/フランスの核実験/決着/ジダンとの連続性/独立のドリブラーたちとその表象1/独立のドリブラーたちとその表象2/レアル・マドリード/歴史的な左足ボレーシュート/二〇〇二年、日韓ワールドカップの惨敗/ロナウド、レアルに加入する/クロード・マケレレ/二〇〇三―〇四シーズン/ロタンの告発/EURO2004/フランス代表からの引退/レイモン・ドメネクとは誰か/マケレレの立場/ジダンのスピリチュアリティ?/マムリ「鬼たち」/代表復帰/エメ・セゼールとの邂逅 第二章注 第三章 ヘッドバットの解釈学 引退会見/二〇〇六年五月二日、レアルでの最後の試合/ドイツ・ワールドカップへ/最後のワールドカップ、グループリーグ/最後のワールドカップ、決勝トーナメント/準々決勝、ブラジルとの試合/イタリアとの決勝/前半六分、パネンカ/九〇分/延長戦/ヘッドバットをめぐる言説/メディア論的アプローチ~アイルランド・スコットランド・イングランドの場合/フランス民族学の立場から/オリジン論/マルセイユ性の発露/ジダンの天才が「溶かす」/神話学の視点/社会学者が見たヘッドバット/ジダンのなかの女性性/文学的に応答する/イスラム学者はどう見たか/教育者たちはヘッドバットをどう見たか/映画『ジダン 神が愛した男』/現役引退直後/カビリーの「大統領」/カビリーの二人の歌手/イディールとマトゥブ・ルネス/イディールとジダン/ジダンとマトゥブ、JSカビリー/もう一つのワールドカップ/ジダン理論を文学へ応用する/ナディヤの噂 第三章注 第四章 監督として 指導者への困難な道/カリム・ベンゼマ論/芸術作品のようなチーム/二〇一七年、CL決勝/自身が語る「監督」/CL三連覇/ジダンの犯した「七つの罪」/「依怙贔屓」と頑迷さ/電撃辞任・電撃解任/監督復帰まで/ヴァンサン・デュリュックのジダン「監督」論/木村浩嗣との対話/監督としての成功要因/「足を入れろ」の静かな怒り/ジダンの「贔屓」について/辞め方、去り方のうまさ 第四章注 おわりに~未来のジダン 参考文献 ジネディーヌ・ジダン全試合出場記録 ジネディーヌ・ジダン全監督記録
  • 泥海
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    1巻1,760円 (税込)
    二〇一五年一月七日、パリ十一区で「あの事件」は起きた―泥濘と腐臭の中を彷徨い続ける彼らは、マリカの「愛の物語」に引き寄せられるように語り出す…「私」の話を。彼らはなぜ、「その線」を越えたのか?文学の臨界に挑む傑作!

ユーザーレビュー

  • サッカーと人種差別

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    ネタバレ

    2014年3月8日の浦和−鳥栖戦で埼玉スタジアムに「JAPANESE ONLY」の横断幕が掲げられたことは記憶に新しい。この問題の処分としてJリーグ初の無観客試合が行われた。著者はこの本で、ここ20年くらいの間に起きたサッカーにまつわる差別と差別に対する闘いを紹介している。なぜ20年かと言えば、1995年の「ボスマン裁定」以後、今まで「外国人」とされていた「ヨーロッパ人」の選手たちがEU内のチームを自由に移動できるようになり、その結果空いた「外国人」枠に非ヨーロッパ圏の選手たちが移籍するようになったからである。
    非ヨーロッパ系の出自を持つ選手たちは、サルの鳴きまね、バナナの投げ込み、横断幕など

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    2016年10月22日
  • サッカーと人種差別

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    クールな文に、熱い気持ちが入ってます。
    所属するけど、違う視点を持つこと。コスモポリタンっていいとおもいます。あと、寛容と余裕とジョークかな。

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    2014年10月10日
  • サッカーと人種差別

    Posted by ブクログ

    サッカー界に今も蔓延るレイシズムの問題をとりあえげた本だけど、著者もそして取り上げられてる選手権も言及してるけど、これは社会の問題で、社会で普通に起こってるから今もサッカー界でもなくならないという図式。正直言って自分は体感としてそれを経験したことがないから実感として語れないんだけど(とはいえ日本サッカー界初の無観客試合はマイチームから起こってるんだけど)、読んでてもワジワジーしてくるような酷い話がたくさん。知ってたものも、知らないこともたくさん。
    そして何より。自分はレイシストではないしそんな思考は少しもないと思ってるけど、僕がハーフの子や選手たちを見て、「その生まれ持った身体能力は武器になる

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    2021年10月02日
  • サッカーと人種差別

    Posted by ブクログ

    「サッカーと人種差別」
    サッカーの裏の世界。


    サッカーと人種差別は切っても切れない関係にある。バロテッリがどれだけカッコいいゴールを決めても、アウベスが見事なアシストをしても、観客の中には、彼らの血を馬鹿にしたチャントを歌ったり、バナナを投げたりする。


    サッカーは、昔より沢山のスターが誕生し、プレーの質も高まり、クラブやFIFAを始めとする組織や各リーグは、市場的にも莫大な利益を生み出すようになった。儲かっている分、不正行為等の問題は発生しているものの、総合的に見ればサッカーは前に進んでいる。しかし、足を引っ張っているものもある。


    それは、未だにサッカーに蔓延る人種差別である。

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    2018年11月29日
  • サッカーと人種差別

    Posted by ブクログ

    最近日本でも、サッカーにおける人種差別的な行為がニュースになっている。人種差別を問題視して声を上げる人が増えれば増えるほど、馬鹿げた行動も増えている気がしてならない。スポーツの力を無邪気に肯定することは難しいけれど、それでも行動は無駄にはならないと信じたい。無知から生まれる差別を防ぐためにも、まずは知ることが必要だと感じました。

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    2014年08月30日

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