小霜和也の作品一覧
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ユーザーレビュー
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人間の欲求は本能から、という点を踏まえた上で、愛を持った広告宣伝を
人類学って奥深いなぁ
人類が多くなってコミュニケーションが発達して文明が育ってくると、本来遺伝子よりも文化遺伝子を残す方が多くなって人口が減ってくるというのも種のバランス本能なのかなぁ、とも思う
Posted by ブクログ
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広告のノウハウ本はたくさんある。
だけど、この本は広告の本ではあるけれど、どちらかと言えばニンゲンの本。
世の中ダメな広告ばかり。
それは人間の無意識の領域まで届くような広告がないから。
人は意識に働きかけるだけじゃ動かない。
広告の醍醐味は人を動かせること。
この本を読んで、広告がもっと好きになっ
...続きを読むた。
Posted by ブクログ
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2年前の本だからちょっと古いかな?と思ったけどそんなことなかった。
広告で利用できる感情は幸福感と驚きです。ってところがすてき。
恐れ、嫌悪、怒り、悲しみを使ってはいけないって。かっこいー。
文体も読みやすくて、おちゃめなところもあって親近感持ちます。
理想論やん。てなるかもしれないけど、私は読んで
...続きを読む元気でました。
2013.1.31
Posted by ブクログ
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広告が人の心を捉える様を論理的に説明した一冊。作者はプレイステーションなど有名な広告クリエイティブに携わった方。自らの経験をここまできちんとした形で整理して説明できるのすごいことだと思う。オススメ。
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【読書メモ】
●僕が思うに、
...続きを読む人間が行動する動機のほとんどが、この一見不合理な、遺伝子が発する、わかりやすく言えば本能の命令によっています。・・・ヒトが意識し、記憶し、行動する土台となっている無意識、本能の部分を詳しく紐解いていき、効率的で楽しい広告コミュニケーション作りに寄与していくのがこの本の目的です。
●いままで、大手広告代理店や様々なクリエイター、マーケッターが広告について様々な理論や意見を唱えてきましたが、僕はどれを聞いたり読んだりしても、「半分」ぐらいしか正しいと思えませんでした。なぜならば、どれもすべて、理性という人間の心の半分にしかスポットライトを当てていないからです。
●人間は、情報を個別のものではなく他のものと組み合わせながら、その意味を解釈するのです。
●情報というものは、それを単体で見たり聞いたりするよりも、前後にサポートしている情報があるほうが強く(そのもの自体の情報は少なくても)認知・記憶できるのです。
●脳は、無い情報を勝手に補完する
●広告の「ストーリー」とは、商品を効率よく認知してもらうための情報フォーメーションである
●広告の多くで、商品名や商品そのものが「選択的無視」されている・・・気を引くための面白い要素を足してしまったがゆえに肝心のものを覚えてもらえない。
●商品に視聴者の「選択的注視」をさせるためにはどうすればいいでしょうか?方法はいくつかあると思いますが、とりわけて大事なことのひとつは、登場人物たちの意識が常に商品に向いていることだと思います。
●GoogleやYahoo!JAPANの検索ワードランキングを見ると、半分ぐらいが前日のTV番組で取り上げられたものであり、TVから発信された情報はウェブでも話題になる可能性が高いことがわかります。
●商品がなければストーリーが成立しないこと。それがCMが成立しているかどうかの基準だと僕は考えます。逆に言えば、商品情報なしでもストーリーが成立しているようなら、そのCMは商品を認知させる力が弱いと言えます。
●コピーの中に、商品への意識が含まれているわけです。こうすることで、送り手の意識が向かっているほうへ受けての意識も向かうんです。
●商品こそが広告の主役であり、コピーも、ビジュアルも、すべてのクリエイティブ要素を担ぎ上げるために存在するのです。
●人間には、なんでも短絡的につなげようとする習性がある。もしあなたが広告主だとして、自分の商品になんらかのイメージを付与したいなら、そのイメージを強く持っているものを隣に並べれば、単純ですが効果が期待できます。
●広告の注目度を高めるために押さえておきたいヒトの認知の習性について。モチーフはできるだけ人間に「身近なもの」がいい。ずばり人間そのものが、一番強い。
●広告をレイアウトする時は、左側にビジュアル、右側にコピーや商品名、というルールにしておくと、美しい印象と共にメッセージも伝わりやすくなります。
●ヒトには、「欠けているもの」が気になるという性質もあります。だから僕は、広告を作る際に、どこかに少しだけ違和感を残すようにします。
●広告コピーはなるべく素直なものがいいと思っています。それはなるべく「肯定語」を使用する、ということです。・・・コピーに限らず、表現全体という視点でも、ひねりすぎると脳はついていけなくなります。
●女性向けなら情報はできるだけ多く見せるのがよいと思います。特にダイレクトレスポンス広告の基本は、ターゲットのベネフィットがどかーんとわかりやすく目にとまる、ということだと思いますが、目をつかんだ後は情報量で勝負。
●ターゲットを当事者としてがしっと商品につなげないといけません。「なんだか、この商品、わたし向きなんじゃない?」「俺に向かって話してるのか?」と。
●飲み慣れ、うまいと信じているロゴは、味覚にまで影響を与えるということです。違う言い方をすると、ロゴは、ターゲットとの「関連性」を貯める容器と言えましょう。
●記憶とはヒトの意思で自由にできるものではないということです。記憶に残すか残さないかは「感情」が決めるのです。なので、広告表現はなんらかの「感情」を伴わなければいけないということになります。
●広告は、「記憶してしまっているが思い出したくもないもの」ではなく、「記憶していて思い出すといい気持になれるもの」を目指さなければいけません。広告が存在を許されているのは観る者をいい気持ちにしてくれるからです。そのことを忘れるべきではないと思っています。
●広告で視聴者を「驚かせる」にはどうすればいいでしょうか。例外的な表現を見せてあげればいいのです。
●ヒトは物事を特徴で認識し、その特徴を肥大化させることで記憶に定着させるわけです。広告表現も同じです。なんらかの「特徴」がないと覚えてもらえません。この表現上の特徴のことを広告業界では「フック」と呼びます。
●広告と店頭は同じ1本のクリエイティブでつなぐ
●ダイレクトレスポンス広告はそこがそのまま「店頭」である。あなたにとってこんなにいいことがあるんだよ、ということをできるだけ直截的に伝えるのがいいと思います。そして、他の商品と比べた時の、売れてる感、品質の優位性、おトク感、さらに「いまだけ」感。
●ダイレクトレスポンス広告をやるのだとしても、それが広告であるからには、できるだけ観る人をいい気分にさせてあげるようにするべきでしょう。
●僕は、ヒトの本質をねじ曲げることは何物にもできないと思っています。何物にも人間の根っこをねじ曲げる力などありません。当然ながら広告やブランディング活動にも。加速したり、流れに乗ったり、広げたりができるだけです。いくら無意識に作用すると言っても、嫌いなものをいつのまにか好きになるような魔術や秘薬ではないのです。人は楽しい、気持ちいい体験をすると、それを記憶に残し、またやりたくなります。ブランディングとは、そういう心の動きを後押しするものであると僕は考えています。
●ヒトが「出し入れ」で快楽を得ているとすると、ネット社会はまさに情報の出し入れ。ツイッターが流行るのはいまの「情報」そのものよりもいま出し入れする「快楽」を得たい、ということではないでしょうか。
●最初に無意識による情動で「買いたい」と思い、その次に意識が修正をかけて、購買行動に至る
●模倣の原則はそのまま広告に適用できます。OLに売りたい商品があるなら、広告にはOLを登場させればよいのです。
●ところで「No.1」を利用するなら、こういうやり方もあります。人は、情報を判断する際、どうしても外部の基準に影響を受けてしまいます(「威光効果」と言います)。CMの冒頭に「No.1」を見せておいてから、この商品はこんなに性能がよくて…、とやると、その性能のよさを格段に信用してもらいやすくなるはずです。
●僕は物語や会話、情報の見せ方だけでなく、CM中では使用者の表情がとても大事と思っています。
●「商品から新しい刺激を感じる」広告が真にいい広告
●自分から積極的に関与する回数が多いと好意度が上がるのです(実験者は「カスケード効果」と呼んでいます)。
●商品についても、神秘的な「信じるポイント」を持っているものは執着を生み出します。
●広告表現を開発するクリエイターにとって、僕が最重要と思っていること。それは、商品を信じることです。
●記憶というのは、無意識が勝手に編集してるんです。アイディアも、無意識が記憶の中からいろんな情報を引っ張り上げ、組み合わせた結果が意識に上がってくるものです。だから広告表現を考える時は、一度考えて、数日忘れましょう。それから再開すると、ポッといいアイディアが出たりします。その間、無意識が編集作業を続けていてくれたわけです。
●レトリックとは.zipファイルのこと。レトリックとは様々な意味をひとつにまとめて伝える技法である。コピーライティングとは、必要とされる伝達要素をレトリックによって圧縮する技法である。
●レトリックは話者と聞き手の共同作業である。レトリックは理解度の負荷が上がると意味が伝わりにくくなる。では逆に、すぐ理解できるものがいいかというと、そうでもありません。言葉も「多少の手間」をかけて理解してもらうのがいいのです。
●広告コピーは80%の完成度がいいのです。受け手との共同作業で90%、商品がくっついて100%になるのがいい、ということ。
●コピーの意味も、前後の文脈で変化しますが、広告の場合、この文脈とは、受けての生活環境、時代環境と言い換えるべきでしょう。コピーとはターゲットの生活環境、時代環境と合わせて意味を作るものということです。
●ヒトは、誰かを動かしたい時、自分だけがトクをしたいんじゃない、決して俺はズルじゃないんだ、という含みを入れながら会話します。これは広告でも同じで、広告とは「自分はずるじゃない」アピールをしながらターゲットを動かすものなのです。
●広告コピーライティングとは、この作業を生活者のために代行する行為です。まだ生活者の無意識に潜んでいるものを言葉化してあげることで、「そうそう、そう思ってたのよ」「そうそう、それがきになってたんだよね」と共鳴してもらうんです。こうなると、送り手に対して興味と仲間意識を感じてもらえます。
●花子さんが何を求めているのかを的確に探り(これはマーケティングの役割でもあります)、太郎君の別の長所を探ることで、2つの共通点を見つけなければいけません。これを、「接点」と呼びます。この「接点」でコミュニケーションするのは、コピーライティングに限らず、マーケティングを含めた広告戦略の基本です。商品とターゲットの接点が見つからなければ、いくら上手にレトリックを駆使したコピーを書いてもそれは無力。そして、その接点を見つけるためには、ターゲットの無意識を発掘しなければならないのです。その作業のことを、業界的には「切り口探し」などと呼んだりします。
●広告コピーの書き方をまとめてみます。まず、商品とターゲットの「接点」を探す。「メタファーの着せ替え」などによって、商品だけでなくターゲットである生活者の無意識をも多角的に探っていき、その共通点を言葉化しなければいけません。ターゲットの無意識のラベル化、言葉化をするわけです。そして、ターゲットの生活環境や時代環境と言った共通認識に基づき、レトリックで「圧縮」し、受け手と共同作業できるカタチにしましょう。ビジュアルが伴うなら、それと合わさって意味をなすように。選択的注力によって広告表現だけに執着されないよう、商品と組み合わさってひとつのメッセージとなるようにしましょう。
●ビジュアルやサウンドにはできない、コピーならではの機能とはなんでしょうか?それは、未来への約束だと思います。広告コピーの真骨頂は、やはり生活者に対して未来への約束をすることだろうと僕は考えています。そこでの約束と、それを実現するサイクルがブランドを太らせていくのです。
●企業スローガンもコピーのひとつですが、CIコンサル会社の中には、現状をどう言い当てるかという思考でスローガン開発をする人たちもいます。これは間違いです。現状をコピー化してしまうと、その企業はそこから一歩も進めなくなります。1年先、数年先を見据えた上で、未来に目指すべきところを言語化しないといけません。企業やブランドの前進力は、あそこに行くんだ、というコンセンサスを持つことで生まれるのですから。
●ターゲットインサイトは分化するということです。ヒトは「同一化と個性化」を行ったり来たりすることになります。流行を追いかけたい一方で、自分の個性を追求したい。あるターゲットを見る時、いま、その属性の人たちの志向はこうなんだ、と決め手かかるのは非常に危険です。
●ターゲットインサイトというものは、狩猟採集時代のヒトの本能と、現在の理性との接触点に浮かび上がってくる。
●僕はマーケティング的発想からは斬新なものはなかなか生まれてこないし、それゆえに大ヒット商品も生まれにくいと思っています。ただターゲットに「合わせる」「すり寄る」マーケティングはたいして価値がないと思っているわけです。経済を牽引するブランド、たとえばいまのGoogle、昔で言えばソニーのウォークマンなど、世の中のパラダイムを変え、みんなの生活価値を変え、普及を成し遂げるものは、マーケットイン発想からは出て来ていませんよね。広告表現、コミュニケーション施策も、調査べったりでは力を得られません。かつて、企業は商品文化のリーダーでした。そのリーダーシップを生活者からもう一度取り戻す気概が必要だと思います。
●ヒトは本能的にコピーがしたい
●「仕事か家庭か」という悩みは「文化遺伝子を残すか本来遺伝子を残すか」とイコール
●広告とは製品に文化遺伝子をくっつけて商品にするメッソドだと思います。重要なのはコミュニケーションという手段で製品に価値の付加をすることです。マーケティングというものの神髄も、生活者の心を読み解きながら、製品に新しい価値を付加することです。そこを見失ってしまうと、ただの御用聞き、ご機嫌伺いに堕してしまいます。
●大切なのは「ウレル」と「ウケル」のバランスです。そのために、ヒトの本能を知っておくのは欠かせないということです。
●最近、いろんな人が「広告は効かなくなった」と言いますが、その主な理由として挙げられるのが、生活者がTVを観なくなった、新聞を読まなくなった、という、接触メディアの分散化です。・・・それ以前の問題として、広告の効きが悪くなってきたのは、広告業界が「頭が良くなりすぎたから」ではないかと思っているのです。あまりに本能や、そこから生まれてくる直感を軽視してしまっていないかと。
●若い世代は、経験がない分、自由な発想で新しい可能性を発見できる。若い広告クリエイターの一番の役割は、古い世代がまだ知らない、彼らの経験値が働かない新しい可能性をぶつけていくことだと思います。若い世代が好奇心で新しい手口を探り出し、古い世代が経験に基づく直感力で判断する、それが人の本能を生かすやり方だと思います。そういう関係ができているチームは強い。
Posted by ブクログ
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効く広告、モノが売れる広告を作るにはどうしたらいいのか?
人間の消費行動を独自の視点で捉え直して実践している著者のロジックには説得力がある。
生物学的な見地からの人間の欲求に関する考察に共感。
賞のためではなく、いい広告をつくりたくなった。
Posted by ブクログ
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