作品一覧

  • 手話の世界を訪ねよう
    4.4
    1巻1,012円 (税込)
    手話は世界共通? 手話はジェスチャー? 実は手話は文法をもち、国によって異なる複数の言語。手話を言語の一つとしてとらえ、ろう者の豊かな文化世界のフィールドワークへ出かけてみよう。文化人類学者が案内する異文化世界への旅。

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ユーザーレビュー

  • 手話の世界を訪ねよう

    Posted by ブクログ

    「手話の世界を訪ねよう」というタイトルから、この本がさまざまな手話のボキャブラリーを解説する本だと思う人がいるかもしれない。だがそれは半分当たっていて半分違う。
    この本は簡単に言えば、文化人類学者である著者が、ろう者が構築する“文化体系”を分かりやすく理解するために、手話という“言語”を媒介に、手話の世界を“フィールドワーク”しようとするものだ。

    改めて書くが、著者は聴者(=聞こえる人)だ。ではなぜ著者は手話やろう者の文化をライフワークのように学んでいるのか。著者自身が書いているので私がレビューに書いても差し支えないだろうから書くが、著者の配偶者はろう者だ。つまり著者は日常的にろう者とコミュ

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    2025年12月20日
  • 手話の世界を訪ねよう

    Posted by ブクログ

    ほとんどの人(健聴者)は、手話がたんなるジェスチャーだと思っていたり、あるいは万国共通だと思っていたり、そうでなくともアメリカの手話とイギリスの手話が(英語の国だから)同じだと思っているのではあるまいか。さにあらず! 本書は、平易な語り口で、手話、そしてろう者の世界を紹介する。
    著者の専門は文化人類学。アフリカでフィールドワークをしていた。それが、どのような経緯で手話とろう者の世界にのめり込んでいったのかに始まり、手話の歴史、ろう学校での手話教育vs.口話教育のせめぎ合い、ろう者の文化、そして世界の手話とろう者のことが平易な語り口で紹介されている。
    岩波ジュニア新書にふさわしい、よく練られた一

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    2025年09月12日
  • 手話の世界を訪ねよう

    Posted by ブクログ

    この本を読んで、障害って無意識に障害が無い人より劣った可哀想な人っていうのは偏見なんだという事が分かった。よく、同性愛は障害じゃないよみたいな言われ方するけど、その言い方自体障害者に偏見持ってそうな感じがして違和感があった。同性愛者には同性愛者の世界観があるし、障害者には障害者の世界観があるだけだから自分達より劣っているみたいな考え方は間違いだと思った。

    亀井伸孝(かめい のぶたか)
    1971年生まれ.東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究員.日本手話研究所外国手話研究部研究員.手話通訳士.京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了.理学博士.専門は,文化人類学,アフリカ地域研究.著

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    2025年06月09日
  • 手話の世界を訪ねよう

    Posted by ブクログ

    手話サークルの仲間(手話歴的には大先輩!)が「読むべき!」と貸してくれました。

    著者の亀井さんは、Twitterではビシビシと厳しい(激しい?)印象ですが、こちらの本は岩波ジュニア新書なので、中高校生あたりを対象にした優しい雰囲気が全般的にただよっています。怖くないですよ〜。

    もちろん、優しい口調の背後には、豊富な知識と経験とデータ、厳しさと覚悟が感じられます。

    手話ついて、ろう者について漠然と興味を持った中高生や、地域の手話講座を受講し始めた人、民生委員さんなどなど、あらゆる人にお薦めできる本です。

    「テレパシーの国」の例から、新井素子の「あの懐かしい蝉の声は」を思い出しました(『イ

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    2018年10月15日
  • 手話の世界を訪ねよう

    Posted by ブクログ

    文化人類学者が、手話を異文化と位置づけ、その世界を案内するというユニーク切り口の本。

    フィールドワークの入門本と言った方がしっくりくる気がします。

    「フィールドワーカーには、そもそもプライドがありません」

    この言葉にグッときました。

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    2010年04月10日

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