作品一覧

  • かわいい女

    かわいい女

    小説・文芸

    -
    1巻770円 (税込)
    ハードボイルドの代表格、ロスの私立探偵マーロウが活躍する一編。失踪した兄を探してくれと、田舎出の若い女があらわれたとき、マーロウは相手の態度に不審を抱いたが、女の差し出す虎の子の20ドルを受けとって、依頼を引き受けた。報酬の多寡は問題ではなかった。真実をあばき出すことだけが目的だった。舞台は映画の王国ハリウッド。街の顔役、ギャング、映画女優、そのマネージャー、警察官たちが登場し、その中を泳ぎまわるマーロウの身には次々と危難が襲いかかる。
  • プレイバック

    プレイバック

    小説・文芸

    3.7
    1巻770円 (税込)
    女の尾行を依頼されたマーロウは、ロサンジェルス駅に着いた列車の中にその女の姿を見つけた。だが、駅構内で派手な服装の男と言葉を交すや女の態度は一変した。明らかに女は脅迫されているらしい。男は影のように女について回った。そして二人を追うマーロウを待つ一つの死とは。多くの謎を秘めた問題の遺作。
  • 映画字幕の作り方教えます

    映画字幕の作り方教えます

    小説・文芸

    5.0
    1巻770円 (税込)
    映画字幕作り57年、その数なんと2000本に及ぶ斯界の第一人者が語る、草創期の苦心から、「フルメタル・ジャケット」事件まで。字幕翻訳の秘訣は「正しく、こなれた日本語と、雑学への限りない好奇心」と説く著者が明かす名訳、誤訳、珍訳の数々。1行10字、20字6秒、数々の制限の中で原語にこだわり、訳語に苦しんだ半世紀を、数多くの実例に当たりながらふりかえる。昭和63年5月、急逝した著者が遺した映画ファン必読の書。(本書は横組みです)
  • 湖中の女

    湖中の女

    小説・文芸

    3.9
    1巻902円 (税込)
    湖面に浮かび上がってきたのは、目もなく口もなく、ただ灰色のかたまりと化した女の死体だった--マーロウは一カ月前に姿を消した化粧品会社社長の妻の行方を追っていた。メキシコで結婚するとの電報があったが、情夫は否定した。そこで湖の別荘へやってきたのだが……独得の抒情と乾いた文体で描く異色大作。
  • 高い窓

    高い窓

    小説・文芸

    3.8
    1巻924円 (税込)
    家宝の古金貨が家から持ち出された。犯人は息子の嫁かもしれない。取り戻してほしい――裕福な老婦人の依頼で、マーロウは金貨の行方を追った。だが、その先々に次々と現れる死体。そして事件の意外な様相と過去の出来事がやがて浮かび上がってくる。清冽な叙情と文体で描かれたハードボイルド小説の名作。
  • 映画字幕五十年

    映画字幕五十年

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻990円 (税込)
    1931年初冬、ニューヨーク。42丁目ではアステアが踊り、裏街ではマフィアが暗躍するこの街に、清水俊二はひとり降り立った。それは日本語スーパー字幕史の本格的な幕開けだった。「七年目の浮気」「ライムライト」「真昼の決闘」など、以来手がけた作品は千数百本!飽くなき好奇心のおもむくままに多彩な経歴を歩んできたスーパー字幕の第一人者がその波瀾に満ちた50年を振り返る。字幕草創期の秘話、谷崎潤一郎との一夕、熱愛する宝塚、と次々繰り出される話題に興味は尽きない。’85年度日本エッセイスト・クラブ賞受賞!
  • 緊急の場合は

    緊急の場合は

    小説・文芸

    3.6
    1巻1,100円 (税込)
    中絶手術で患者を死に追いやった容疑で産科医が逮捕された。彼が違法な中絶を手がけていたのは確かだが、この件に限っては身に覚えがないという。無実を信じる同僚のベリーはひとり真相を探りはじめるが、やがて黒い圧力が立ちはだかった。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞した迫真の医学サスペンス!
  • 長いお別れ

    長いお別れ

    小説・文芸

    5.0
    1巻1,540円 (税込)
    私立探偵フィリップ・マーロウは、ふとした友情から見も知らぬ酔漢テリーを二度も救ってやった。そして彼はテリーの殺害容疑を晴らす為に三たび立ち上るのだった! ハードボイルド派の王座を占めるチャンドラーが五年間の沈黙を破り発表した畢生の傑作、一九五四年アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
  • さらば愛しき女よ

    さらば愛しき女よ

    小説・文芸

    3.9
    1巻1,870円 (税込)
    前科者大鹿マロイは、出所したその足で以前別れた女を捜し始めたが、またもや殺人を犯してしまった。たまたま居合せた私立探偵マーロウは、警察に調べられる。その後彼はある事件を依頼された……。全篇に流れるリリシズムとスリルと非情な眼は、既に探偵小説の域を超え独自の世界を創り上げている。

ユーザーレビュー

  • さらば愛しき女よ

    Posted by ブクログ

    本書はレイモンドチャンドラーによる長編小説の二作目である。『大いなる眠り』を書き上げ、一定の地位を築き上げた著者による次回作ということで、野心的であった処女作以上に気合が入っていたであろうチャンドラーは、敬愛するダシールハメットに再度頼りつつも、その影響下から脱却しようと試行錯誤していたであろう点が随所で伺える。

    まずフィリップマーロウの性格だ。前作において皮肉を交えつつも一定の静けさを保っていた彼は今作では本当によく喋る。しかもその発言の隅々にまで皮肉を張り巡らせている。必要以上に相手を煽り小馬鹿にするような発言が目立ち、口を開けば捻くれた言葉を吐くような次第でその本意がいまいちつかめない。翻訳の問題もあるのであろうが、その国の事情に通じていなければ理解し得ないであろう言い回しを次から次へと並べ立て、明らかに場違いな状況で鼻につくような皮肉を吐き出し続けるので、彼を尊敬し同情したいと思う読者の神経を逆撫でし続ける。しかし彼はその分今回前作に増して大いに殴られ、その身をかき乱されるので少し胸がスカッとしたりもする。

    また話の展開もより複雑になり、読み手のミスリードを誘うような叙述トリックや曖昧な描写が散見されるようになっている。かわるがわる登場する人物達の中に真実を言っている者達も多いが、多くを知らされていなかったり、そもそも事実を誤認していることも多く、真実に辿り着きそうになった瞬間更なる矛盾が浮上し読み手を困惑の渦の中にゆっくりと飲み込んでいくような構造になっている。発言の一つ一つを思い出して反芻していってもいまいち事件の全貌が掴めない。残り30ページほどになるまで読者は混乱と生殺しの二重苦に苛まれながらこの迷宮を探索し続けるのである。

    この小説を楽しむのであれば一定の忍耐力が必要だ。しかし、サム・ペキンパーの『ガルシアの首』の前半1時間くらいの生ぬるいメロドラマに耐えられるほどの我慢強ささえ持ち合わせていれば問題ない。それだけで感情を揺さぶられる究極の読書体験をすることができる。これは賭けてもいい。

    しかしチャンドラーという男の演出は見事なものだ。私は読み始めた時からしばらくの間、ずっとこの小説は推理小説だと思っていた。しかし大間違いだった。この小説は恋愛小説だったのである。
    銀行強盗をやらかす男、人を素手で殺す男、大柄で、凶暴で、残忍で恐ろしく、繊細さとはかけ離れた所にある男、360ページのうち1割にも満たない程に作中に登場しない男、こんな同情の余地もない男に激しく胸を突き動かされ、涙を流すことになるとは思わなかった。うだつのあがらない雲のように曇り不透明な本書の筋の裏では、大鹿マロイという巨人の血が澱みなく流れ続けていたのである。

    この作品も王道を行く推理小説ファンからは理解され得ないのかもしれない。しかし推理小説であるという先入観を捨てて本書に挑んでほしい。険しく高く先行きの見えないこの山を登り切った後の感動を、是非味わってほしいものだ。

    0
    2025年09月13日
  • プレイバック

    Posted by ブクログ

    If I wasn't hard, I wouldn't be alive.If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.


    誰からも何も求めないかたくなな気持ち

    娘はこの本を「葉っぱの絵本」と呼んで、筆ペンでたくさんの絵を描いて、そして私の膝の上に乗って、「読んで」って何度も言ってくれました。

    0
    2018年10月22日
  • さらば愛しき女よ

    Posted by ブクログ

    チャンドラー長編2作目にして不朽の傑作。

    私がこの作品と出逢ったことの最大の不幸は先に『長いお別れ』を読んでしまったことにある。もしあの頃の私がフィリップ・マーロウの人生の歩みに少しでも配慮しておけば、そんな愚行は起こさなかったに違いない。あれ以来、私は新しい作者の作品に着手する時は愚直なまでに原書刊行順に執着するようになった。
    そんなわけでチャンドラー作品の中で「永遠の№2」が私の中で付せられるようになってしまったのだが、全編を覆うペシミズムはなんとも云いようがないほど胸に染みていく。上質のブランデーが1滴も無駄に出来ないように、本書もまた一言一句無駄に出来ない上質の文章だ。

    マーロウが出逢ったのは身の丈6フィート5インチ(約195センチ)はあろうかという大男。大鹿マロイと名乗ったその男は8年前に殺人罪を犯して刑務所に入っていた。そして出所して早々かつて愛した女ヴェルマを捜していた。マロイはヴェルマを求め、黒人街の賭博場に入るがそこでまたも殺人を犯してしまう。マーロウは否応なくマロイの女ヴェルマを捜すことを手伝うことに。またマーロウは盗まれた翡翠の首飾りを買い戻すために護衛役として雇われる。しかし取引の場所でマーロウは頭を殴られ、気絶する。意識を取り戻すとそこには依頼人の死体が横たわっていた。

    事件はいつもの如く、簡単と思われた事件で殺人に巻き込まれ、それがもう一方の事件と関係があることが解り、結末へという道筋を辿るのだが、この作品が他の作品と一線を画しているのはとにかく大鹿マロイの愚かなまでの純真に尽きる。昔の愛を信じ、かつての恋人を人を殺してまで探し求める彼は手負いの鹿ならぬ熊のようだ。そして往々にしてこういう物語は悲劇で閉じられるのがセオリーで、本書も例外ではない。 悪女に騙された馬鹿な大男の話と云えば、それまでだが、そんな単純に括れないと抗う気持ちが残る。
    本書でもマーロウは損な役回りだ。特にヴェルマの捜索は無料で引き受けてしまう。だが彼は自分の信条のために生きているから仕方がない。自分に関わった人間に納得の行く折り合いをつけたい、それだけのために自ら危険を冒す。

    本書の原形となった短編は「トライ・ザ・ガール(女を試せ)」だが、チャンドラーはそれ以後も大男をマーロウの道連れにした短編を書いているから、よっぽどこの設定が気に入ったのだろう。そしてそのどれもが面白く、そして哀しい。
    そしてマーロウのトリビュートアンソロジーである『フィリップ・マーロウの事件』でも他の作家が大鹿マロイを思わせる大男とマーロウを組ませた作品を著している。つまり本書はアメリカの作家の間でもかなり評価が高く、また好まれている作品となっている。

    あとなぜだか判らないが、忘れらないシーンとして警察署のビルを上っていくのをマーロウが気づくところがある。この虫はやがて18階の事件を担当する捜査官の机まで来ている事にマーロウは気づく。このシーンがやけに印象に残っている。その理由は未だに解らない。
    本作の感想はいつになく饒舌になってしまった。そうさせる魅力が本書には確かに、ある。

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    2017年05月21日
  • さらば愛しき女よ

    Posted by ブクログ

    やっぱり・・・何度読んでも、この作品を越えるハードボイルド作品はないでしょう!あまりにもベタだけど・・・あはは
    ハードボイルド作品を読むと、どうしても探偵の原型はマーロウからきていわねーって思っちゃうんですよねぇ><
    他のチャンドラー作品も、「長いお別れ」は別として、霞んでしまいますもんね。
    それだけ私には本書が鮮烈だったわけなんです。ハメットもいいけど・・やっぱりチャンドラーかなぁ~。

    なんといっても、主人公の私立探偵マーロウの人物像が魅力的すぎる。
    これこそ男の鏡!みたいな考え方。決して幸せでも大金持ちでもない。でも彼の中には静寂があり、少しシニカルな物言いもなんだか全てが私にはヤバイのである!。あはは
    女心をくすぐるんですねぇ~(´゚艸゚)∴ブッ
    事件自体はそう複雑ではなく至ってシンプルだけど、翻訳物はやっぱり翻訳者にかかってきくるなぁ~って本当にそう思います。
    清水氏の翻訳は素晴らしいと思います。マーロウの人物像を壊すことなく翻訳されているし。
    そういえば、村上春樹が翻訳した本が出版されているんですよねぇ・・・。今のところ、触手は動きませんけど。どうなんだろう?

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    2013年10月04日
  • 高い窓

    Posted by ブクログ

    フィリップ・マーロウものの長編はこれで全部読み終わったことに…
    7編しか書かれていないことが悔やまれてならない。

    0
    2012年07月03日

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