ファシリテーターは、スキルだけでなく、あり方が大事といわれる。そのとおりなのだけど、「あり方」とは具体的にどういうことなのか、精神論、心構えだけでなく、具体的な方法を解説した本は、あまりなかったのではないだろうか?
どのようにすれば、「あり方」が身に付くのか。
この本は、そんな「あり方」を具体論・
...続きを読む実践論にしっかりと落としているところが素晴らしいと思う。
気に入ったところにポストイットを貼って行くと、かなりポストイットだらけになる。なにか、全く新しいことが書いてあるわけではないのだけど、自分がなんとなく感じていたことがとても明確に言葉になっている感じがする。
具体的に「あり方」をどう鍛錬していくかというと、結構、これが東洋的な武道というか、禅というか、呼吸法みたいなところになるみたい。また、体と心がつながっていることを意識するということの重要性も書かれている。いろいろあるんだろうけど、結局は、「あり方」論はこういうところにいくんだろうな、と確認した。
冷静に状況をみつつも、今、自分がどこにいるのか?なにを感じているのか?という「自分の今」からスタートすること。
あと、面白かったのは、著者が前提としているのが、かなり意見の対立がきびしく、感情が爆発したり、非難の応酬になっているような「炎」の場であること。そういうことが、レベルは別として、さまざまなミーティングで起きているということが前提になっている。
日本では、発言する人がいない、誰かが話すと、それに反対する人の声がでてこない、が納得しているわけではないので、あとでゴチャゴチャになる、みたいな状況が多いきがするが、こういうのはあまり想定されてなさそう。やはり、その辺の文化的コンテクストが違うのかな?
そういう文化の差はあるかもしれないが、炎のなかだけでなく、氷のなかとか、ぬるま湯のなかでも、役にたつ「あり方」論である。
ファシリテーションをやるすべての人の必読書ですね。