江口夏実の作品一覧
「江口夏実」の「出禁のモグラ」「鬼灯の冷徹」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
この(13)の表紙を飾ったのは、中身はどうあれ、見た目だけは、作中でも屈指のイケメンである疫病神にロックオンされ、なおかつ、疫病神と行動する事を自分で選択した藍。
藍は美少年と美青年の中間くらいで、色んな意味で危うい耽美な雰囲気が出ていますね。
その藍の後ろにいる母山羊が、これまた、見た人間をビックリさせるビジュアルです。
この『出禁のモグラ』を(1)から読んでいなくて、内容を知らない人が、(13)の表紙を見たらギョッとするでしょうねぇ。
そんなインパクトのある表紙だけあって、本編も読み手の心をガンガン揺さぶってきました。
この(13)では、猫附家の歴史、その深奥、そして、化け猫との因縁に迫っていました。
ファンの方は大半が既読でしょうが、今、(1)から読んでいるって人もいるはずなので、詳細は書きませんが、何も書かなかったら、未読の人の興味を惹ける感想には到れません。
察しが付いている方もいるでしょうが、案の定、疫病神が、猫附家と化け猫に、そりゃ、もう、深々と絡んでいました・・・・・・ただ、元凶ではあるんですけど、猫附家が猫に憑かれるようになったのは、初代の自業自得とも言えるんですよね。
直面したトラブルと、また一つ明かされた事実により、モグラ側の絆は一層に強まったものの、モグラは未だに踏ん切りが付かないようです。やはり、彼は、とことん、人を想い過ぎるんですよね。
しかし、解かっていた事ですけど、やはり、浮雲さんの腹の内は、一切、読めない。文字通り、人間離れした思考の疫病神は、何だかんだで、行動の根本には、モグラへの捻くれた好意がある訳ですけど、浮雲さんの場合、目的や真意が一切、解らない、そこがゾワッとします。
この台詞を引用に選んだのは、そうだよなぁ、としんみり思えるものだったので。
辛い、を言えない、言わせてくれないってのは、存外、辛いもんです。
家族だからこそ、言わない方が良いって事もあるでしょうけど、傷付けるのも承知で踏み込まなきゃいけない時もあります。
その辺りの線引きっつーか、読みの感覚は、一朝一夕で身に付くものじゃないですけど、手遅れになってから後悔したくないのであれば、普段から、家族とちゃんと「会話」をしておくべきなんでしょうね。
人間、泣きたい時は泣いた方が良いです。
もちろん、泣くべきじゃない時は、にっこりと笑うべきですが。
それに、死んだ人も、家族や友人が、自分の事を全く話したり、思い出したりしてくれないのも、意外と寂しく感じるもんですよ。
「お母さん、あのさ、よくわかんない変な配信者に、じゃなくてさ、私とお父さんに話してよ。お母さんはお姉ちゃんが・・・亡くなってから、お姉ちゃんの思い出、話したことないよね。人形、手放してから、お母さんが少しずつ外出したりするのを、私、笑顔で見守ろうって思ってた。今は、特に私が心配させちゃダメだって思ってた。違った、本当は、ちゃんとお母さんの前でも泣かなきゃダメだった。お母さんも、私も、自分を健気に見せる、ずるい癖やめようよ!映画とかじゃないんだからさ・・・人形手放してエンディング・・・すぐ幸せに・・・な訳ないじゃん。じゃあ、一緒に泣けばいいじゃん。友達も・・・バケモンみたいな泣き顔でも、意外と助けてくれるよ」(byマヤ)
こちらの台詞も、また、衝撃的でしたね。
語弊があるかも知れませんけど・・・・・・まぁ、あながち、間違っちゃいません。
世の中、色んな人間がいます。
ですから、人によっては、普通から逸脱した邪悪な存在に救われる事もあるでしょう。
ちょっと世代的に古いかも知れませんけど、『仮面ライダー龍騎』の浅倉威が、少女の心の支えになったエピソードが琴線に触れる人は、何となく理解できるのでは?
残滓であろうと、その本質は、れっきとした神なんだなぁ、と感じさせますよね、疫病神。
藍は、きっと、このまま、モグラたちに救われず、疫病神の側で、人生を終える選択をしそうですね。
疫病神が、自分が死んだくらいじゃ改心なんかしないのも承知の上で。
こいつは、あらゆる姿に変わる事が出来て、人の心を掴むのも上手いけど、所詮は、神だから、個人に執着しないもんな。
ある意味、モグラよりも神様らしい。
「アラ、びっくりしました?今、どんな気分です?」
「・・・最高」
「でしょう!貴方なら、そう仰ると思いました!オオカムヅミの弓は、いつも必死に、人間を救おうとしますが、この世には、厄でしか救えない人間もいるんですよ」(by疫病神、柿谷藍)
Posted by ブクログ
この(12)の表紙を飾ったのは、まさかの、疫病神。
だが、納得の選出ではある。
キャラのインパクトが、とんでもなく強い悪役だ、コイツは。
漫画の数だけ、読み手の印象に残る悪役、敵役、仇役がいる訳だが、この疫病神は作中に登場してから、いや、まぁ、暗躍は序盤からしていたにしろ、それほど時間が経過していないのに、私を含めた読み手に、相当な衝撃を与えている。
疫病神、その名に相応しいだけの言動が多く、なおかつ、時代に対応できる柔軟さ、そして、見た目の良さがある。
おぞましい姿、それもヴィランに必要な要素だが、美形の存在が純粋な悪意を内包し、それを外に出す事を躊躇わないのが、逆に恐ろしいのだ。
この疫病神、モグラたちへの嫌がらせをすべく、しばらくは大人しくしているのかな、と思っていたが、神ゆえの思考なのか、急速に攻めの一手を打って来たな。
モグラたちも警戒はしていたし、準備も怠っていなかっただろうが、このタイミングは、地味にキツくなりそうだ。
しかも、疫病神は、強力を通り越して、使い方を誤ったら自分にもダメージがありそうな駒を手に入れてしまった。
信念や矜持、と表現するには歪んでいるにしろ、少なくとも、言動が一貫し、芯の通った性格をしている疫病神が激闘の末に、改心するなんて展開は絶対にないな、と確信できるからこそ、脳汁がドバドバ出るくらい爽快な倒し方と、無様な最期を見せて欲しい、と思っちまうのは私だけだろうか?
この台詞を引用に選んだのは、どシンプルに、こいつはヤベぇ、と戦慄したので。
言語化できない、と言うより、言語化したくないタイプの怖さが宿っている。
疫病神なんだから当然ではあるんだが、ここまでヤバくできるか、と震えてしまう。
キャラってのは、作者の一部って考え方もある訳だが、江口先生、かなり、深いトコまで潜って、自分との対話を根気よく続けて、この疫病神の核になる「自分」を拾い上げてきたんだな・・・やっぱ、スゴイわ。
『出禁のモグラ』の新作アニメが作られたら、疫病神の声は、誰になるのか。
実に楽しみだ。
「目的は・・・強いて言うなら、『欲しいものがある』が一番、近いです。『ドミノ倒し』です。いや~、『ドミノ倒し』という遊びを作った人間は天才です!50年前は将棋倒しの方が主流でしたが。今、ドミノ倒しの動画を見るのハマってるんです!美しい!これとか見て下さい。最後、葛飾北斎の絵になるんです!崩すと日本最高の芸術が現れる!!イイッ!!ちなみに、『葛飾北斎』って45歳頃に使ってたペンネームで、晩年は『画狂老人卍』ってペンネームなんですよ。知ってました?本当は卍先生って呼ぶべきなんです」
「なんの話すか」
「でもね、やっぱり、見るだけより、自分で作って作って並べて、そして、自分で、最初の一つを倒す瞬間、それが一番イイ。積んで消すパズルゲームとかで考えてくれてもイイですよ」
「『勝ちたい』より愚かじゃないですか」
「ははは!だから、イイんです」
「そうすね」(by疫病神、柿谷藍)
(貴方の最大の弱点は、「大勢の人間がいること」です。つまり、守りきれない数の人間。最終的には「人間を殺さないように」と突っ走る。守る数が多い程、本能的に冷静さを欠いて熱くなる。そう作られているから!!昔は宗教・・・「人間でできた盾」を作るのに時間がかかった。たとえ、ブッダに化けたとて地道な作業。まして各地でとなると骨が折れた。しかし、今はものの数カ月もあれば、日本各地に信者ができるお手軽!!推し文化時代万歳。そして、私が貴方ほど人間に好かれるのが上手くないのはわかっています。厳密に言えば、人たらしを効率よく行うことは大得意ですが、心からの仲間作りは上手くない。何故なら私はそこに「喜び」を感じないからです。そう作られていないから!!やはり信仰の御本尊は貴方の方がよく似合う。この空間で、どうやって私に対抗してくるのか、SNS時代初の実験です)(by疫病神)