作品一覧

  • スウェーデンはなぜ強いのか 国家と企業の戦略を探る
    3.6
    1巻770円 (税込)
    スウェーデンは社会保障が進み男女平等が徹底された福祉国家であると讃美するのも、税金が高く社会主義的な国であると批判するのも、一面しか捉えていない。「伝統的な家族」は崩壊してしまっており、母子家庭・父子家庭や片親の違う兄弟も普通のことだ。ボルボやサーブが破綻しても政府は救済しないなど、米国以上に市場原理主義的な国でもある。その特異な社会・経済を理解するためには、国家を支える理念と、それが生まれた背景を知る必要がある。戦後の高度成長期に必要とされた「国民の家」の理念は、H&Mやイケアの企業戦略、年金制度改革などに、どう実践されているのか。スウェーデンは福祉を経済成長にもつなげている。しかし、それを表面的に真似ても、うまくはいかない。この国から学ぶべきは、個々の政策ではなく、政治・制度に対する国民の信頼という無形の社会資本を形成し、担保するしくみだ。日本がとるべき道を示唆する

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  • ジェネレーションフリーの社会 日本人は何歳まで働くべきか
    3.0
    1巻1,408円 (税込)
    もう年金には頼れない。 では、どうやって暮らしていくか。 現行の年金制度が危機に瀕している日本が目指すべき道は、定年という障壁をなくし、あらたな日本型雇用を創出することだ。さらには、個々人の働くことへの意識改革が求められる。“生涯現役”は日本を救うかもしれない。
  • アベノミクスの危険な罠 繰り返されるマネーの暴走
    3.0
    1巻1,400円 (税込)
    アベノミクスは今や国民に大きくアピールし、マーケットもそれに反応して円安・株高が続いている。しかし、ちょっと待ってほしい。注目を浴びている「大胆な」金融緩和という政策は、べつに奇手でも妙手でもない。過去、政府が苦しい時に何度もすがってきた手法である。政府は財政が苦しくなると、マネー創出という「打ち出の小槌」に手をかける。そのたびに経済は大混乱し、国民は痛い目にあう。古くは江戸時代の小判改鋳によるインフレ、西南戦争後の大インフレ、大正バブル、1974年の大インフレ、そして1980年代後半のバブル。海外では第1次大戦後のドイツのハイパーインフレなどなど。歴史をたどると、マネーというものがいかに誘惑に満ち、また恐ろしいものであるかがわかる。本書はこうした歴史を振り返ることで、アベノミクスの持つ構造的な危うさを指摘するとともに、期待先行で膨れつつある日本経済に警鐘を鳴らすものである。

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ユーザーレビュー

  • スウェーデンはなぜ強いのか 国家と企業の戦略を探る

    Posted by ブクログ

    スウェーデンに関する新書2冊目。この書ではスウェーデン政府の「国民の家」としての機能に着目している。WW2後、戦後女性の雇用を押し出したスウェーデンでは伝統的な家族のあり方が失われ、社会は喪失感、不安に襲われ自殺率は急増した。そこで政府が子や年配者の世話をする「父親」の役割を果たし、社会保障を充実させる事でこの問題を解消したという経緯がある。すなわち福祉社会が女性の雇用を推進したのではなくその逆で、女性の雇用によって従来の形態が崩れた事が、福祉社会というスウェーデンの今ある姿を誕生させたのだ。私は日本人の若者の自殺率の高さは就職や老後での先知れぬ不安にあると思う。スウェーデンはその不安をセーフ

    0
    2014年08月11日
  • スウェーデンはなぜ強いのか 国家と企業の戦略を探る

    Posted by ブクログ

    最近スウェーデンという単語を何となくよく耳にしていて、どんな国なんだろうという興味から、読んでみた。
    スウェーデンというと、税金が高く、社会保障が充実している国というイメージだと思う。
    本書はその根底に何があり、なぜそうなっているのかを教えてくれる。
    「国民の家」という理念の元、全ての国民を国家の家族と考え、全員に「安心」を提供することを約束する。
    それを実現するべく考え抜かれた、持続可能な政策。
    「持続可能」という意味は、国民に、短期的な利益でなく、予測できる20年後、30年後の未来を提示するということだ。
    (考えてみれば、安心を得るためには「予測が立つ」ことが一番大事だ。)
    そして、そこか

    0
    2012年01月03日
  • スウェーデンはなぜ強いのか 国家と企業の戦略を探る

    Posted by ブクログ

    日本人が学ぶべきは、スウェーデンの個々の具体的な福祉政策ではないことに、本書を読んで納得。

    将来をどうするかの国家理念、政治の透明性や情報公開の在り方など、国民と政府の相互信頼という根幹が日本に欠落していることは衆目の一致するところだと思うけれども、対照的に、スウェーデンでは何事を進めるにあたっても理念が徹底的に議論される点や、政治家が国民のために働く仕組みができあがっている背景といったことが、表層ではなく歴史や社会の全体像から分かりやすく解説されている点がとても参考になった。

    また、H&MやIKEAの企業戦略や、国としては環境、CSRにおいて世界トップレベルであることも、戦後の高

    0
    2011年07月09日
  • スウェーデンはなぜ強いのか 国家と企業の戦略を探る

    Posted by ブクログ

    高福祉、高税率のスウェーデン。
    スウェーデンが福祉国家となり成功するまでの背景や国の成り立ち。

    スウェーデンのことを知らなくても、その歴史とか国家戦略とか面白い!!
    結局、ぱっと見て分かるのは、表面の結果とか知識だけで、その元となるものをしっかりと知ることって大事だなって思いました。

    0
    2010年10月24日
  • スウェーデンはなぜ強いのか 国家と企業の戦略を探る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    他に類を見ない、独自の社会・政治システムで現代を生き抜いていくスウェーデンについて総合的に書かれています。

    内容は、スウェーデンが現在の状況に至るまでの歴史的流れや、頻繁に取り上げられる社会保障システム、スウェーデン企業のスタンスや、政治指針など、総合的内容が素人にもわかりやすく説かれています。スウェーデンは移民問題に直面していますが、世界規模で先進国が高齢化社会に突入し、経済が低迷下する中で、古くからいかにプラグマティックに問題に取り組み、それを支えるための情報の透明性の維持を重視し、なにより政治への国民の信頼を大事にしてきたことで、極めて柔軟に時代に適応してきたかが本書を通して論理的によ

    0
    2018年09月21日

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