作品一覧

  • 戦争と罪責
    4.7
    1巻1,518円 (税込)
    戦争の時代,そして戦後を通じて,日本人は「悲しむ力」を失い続けてきた.戦地で残虐な行為を行った将校,軍医,憲兵…….彼らは個人としてどのように罪を意識し自らの行為と向き合ってきたのか.精神病理学者による丹念な聞き取りをもとに解明する.罪の意識を抑圧する文化のなかで豊かな感情を取り戻す道を探る.

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  • 社会と精神のゆらぎから
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    「若い世代に、先に逝った故人に、今、世界がどうなっているのか、伝えてみよう」 高知から札幌、そして世界へ。 精神科医にして、ノンフィクション作家の野田正彰が振り返る戦後史。 「私と同じように老いて生き残っている方には、近況を伝える語りである。若い世代には、戦後の焼野原に育ち、四国山脈の山行で思索することを憶えた少年が、札幌での学生生活をへて専門家となり、やがて専門家を否定して唯の人になっていくとはどういうことか、ひとつの生の物語を伝えることになろう」(あとがきより)
  • 教師は二度、教師になる : 君が代処分で喪ったもの
    4.0
    子どもとの関わりのなかで、人はいかにして「教師になる」のか。 この強制と処分は、個々の教師たちが築きあげた職業倫理の否定にほかならない。13人への詳細な聴き取りを通じて、かれらの教育観と生き方を伝え、その葛藤のありようを精神医学の視点から読み解く。

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  • うつに非ず うつ病の真実と精神医療の罪
    2.5
    1巻1,155円 (税込)
    副作用の危険が隠された薬によって「うつ病」患者が作られている。安易に向精神薬を投与する医師たち。彼らを陰で操り、巨額の利益をあげる製薬会社。「戦後最大の薬害」は、今、まさに我々が暮らすこの場で進行中なのだ。精神科医でノンフィクション作家の著者が、精神医療の闇を解き明かし、苦しみ、悩み、不安とどう向き合うか、あるべき姿を訴える。

ユーザーレビュー

  • 戦争と罪責

    Posted by ブクログ

    XのようなSNSを利用していると反中のポストが大量にタイムラインに流れてくるが、本書はそれと二律背反的の内容でSNSに毒されている方は毒気を抜くという意味でおすすめできる。

    本書では中国に敗戦後も残留することになった日本人捕虜のエピソードが大部分を占め、その捕虜がその身分にも関わらず、中国人に丁重に扱われていた話題が豊富にある。共産党政権の日本人捕虜の扱いが巧みであったのであり、将来の親中勢力の育成という術中に嵌ったのだという冷笑的な批判的な声も生まれるのではないだろうか。特に反中の歪んだ愛国者からしたら余計に。

    帰国後、その捕虜の一部が反戦運動に傾倒したのは一種の洗脳であるという心無い声

    0
    2025年04月14日
  • 戦争と罪責

    Posted by ブクログ

    医師の戦争協力について色々調べているうちにたどり着いた本書。極めて示唆的であり、見落としてきた戦争の一面、そしてなにより私たち含む戦後社会の一面が浮かび上がる。人間はかくも容易く硬直した情動麻痺に陥り、自分を免罪することができるのかと思うと恐ろしいが、自分にもそれに近い傾向は間違いなくあるということもこの本は突きつける。
    させられた戦争からした戦争へ、行為の主体を取り戻す試みは、私たちがずっと避けてきた、それゆえに多大な矛盾を生み出していることなのではないだろうか。
    「自分がその場にいたら、、」という問い立てには著者はかなり否定的だが(その理路もよくわかる)、被害者への共感とそれは両立するので

    0
    2022年09月04日
  • 戦争と罪責

    Posted by ブクログ

     年末から極めて重い本を読んできた。感受性を鈍化しないと読み続けられない部分もあった。今までも断片的にアジアでの日本軍の加害を読んできたが、ここまで残虐非道な行為を、組織的に長期にわたり行ってきたということは、ほとんどの日本人に共有されていないだろう。いかに実態が隠蔽されてきたかを物語る強力な証拠だ。
     戦争忌避感情が引き起こす拒食症、緩慢な自殺という症状も初めて耳にした。立身出世のため悪辣な殺害、拷問をしても良心の呵責を感じない兵士と、戦争に全身で拒否症状を示し、死んでゆく兵士を分かつのは何なのか。暴力が支配する戦場で人間性を失わずにいられる鍵となるものは何なのか。侵略地で地獄を生み出した鬼

    0
    2025年01月07日
  • 教師は二度、教師になる : 君が代処分で喪ったもの

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    子どもとの関わりのなかで、人はいかにして「教師になる」のか。副題に「君が代処分で喪ったもの」とあるように、国旗.国家の強制と処分によって精神の危機に曝された教師たち13人への詳細な聞取りを通して、彼らの教育観と生き方を伝え、その葛藤のありようを精神医学の視点から読み解く。    -20091228

    0
    2022年10月20日
  • 社会と精神のゆらぎから

    Posted by ブクログ

    比較文化精神医学を始めとして、気骨のある文章を紡ぎ出している著者の、これまでの生き様を振り返る書。著者が主に文化人類学的手法にて様々な調査を行ってきたこと、ヤスパースの現象学的精神病理学を基本とした社会精神医学的手法で臨床を行ってきたこと、その実践が若き日の長浜日赤での臨床経験に裏打ちされていることが述べられている。当時は革新的であった精神科医療の開放化は、学生時代の学生新聞編集、学生運動、青医連運動から培われていることが赤裸々に述べられている。若い精神科医が読んでも一昔までピンとこないことも多いだろうが、かつての荒くれた時代の当事者の方々がこのような形で文章を残してくれるのは後進のものとして

    0
    2021年10月31日

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