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戦争の時代,そして戦後を通じて,日本人は「悲しむ力」を失い続けてきた.戦地で残虐な行為を行った将校,軍医,憲兵…….彼らは個人としてどのように罪を意識し自らの行為と向き合ってきたのか.精神病理学者による丹念な聞き取りをもとに解明する.罪の意識を抑圧する文化のなかで豊かな感情を取り戻す道を探る.
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Posted by ブクログ
医師の戦争協力について色々調べているうちにたどり着いた本書。極めて示唆的であり、見落としてきた戦争の一面、そしてなにより私たち含む戦後社会の一面が浮かび上がる。人間はかくも容易く硬直した情動麻痺に陥り、自分を免罪することができるのかと思うと恐ろしいが、自分にもそれに近い傾向は間違いなくあるということ...続きを読むもこの本は突きつける。 させられた戦争からした戦争へ、行為の主体を取り戻す試みは、私たちがずっと避けてきた、それゆえに多大な矛盾を生み出していることなのではないだろうか。 「自分がその場にいたら、、」という問い立てには著者はかなり否定的だが(その理路もよくわかる)、被害者への共感とそれは両立するのでは?とは思う。なにより被害者への共感こそ、という主張はもっともだし、こういった戦争犯罪について語るときにやはり行為者たる日本軍への眼差しばかり注目されている事実はあるので、行為を解体していく必要があるとは思うが。
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戦争と罪責
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野田正彰
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