作品一覧

  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

    日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

    小説・文芸

    4.4
    1巻660円 (税込)
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 伝説の日本画家、田中一村のただ一冊の伝記である。画壇に背を向け、生涯妻を娶らず、自らの才能だけを信じ、貧窮をものともせず、ひたすら絵をかいた69年の軌跡。東京・千葉・奄美大島と移り住んだ一生を追う。本書は『アダンの画帖』として発行されたものを電子化したものである。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。

ユーザーレビュー

  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

    Posted by ブクログ

    もしアインシュタインが現在も生きていたとして、講義で彼が数式を黒板の端から端まで細かい字でびっしりと一心不乱に書き切ったときの、その数式の内容もさることながら、黒板を占める数式の構成美に思わず“Vollkommenheit!”と言ってしまうような感じ-
    -この本の口絵としてカラー印刷された田中一村(たなか・いっそん)の数枚の絵のもつ、まるでピカソのゲルニカのモチーフを奄美の自然に移し替えたかのような多感さと多弁さから成る完璧な構成美を私はこう例えたい。

    そして、このような絵を描き、残した人物はどのような人生を送ったのか-
    -画壇でも名を知られず、その完璧主義によって絵画も少ししか残していない一村の生涯が、この本では南日本新聞社の中野惇夫氏によって詳細に紡ぎ出されている。もとは新聞の連載記事だったので丹念な取材が裏付けになっていることが理由の一つ。それと、一村が数少ない知人にあてた手紙の文章のなかで、自分自身の身辺や絵に対する率直な思いなどを縷々と綴らずにはいられない性格であり、手紙を受け取った知人たちが、彼の人生観を切り取ったかのような熱量の大きい手紙の多くを保管していたことも大きい。

    一村の生涯を一言で表すのは難しいし、不器用とか隠れた天才とか市井のありふれた言葉で言い表すのもはばかられるほど、絵に対する苛烈さはまるで火花が飛んでくるかのよう。
    この生き方を何に例えたらいいのかと悩んでいたら、ある日偶然に美輪明宏さんのラジオ番組でまさにぴったりな歌が耳に入った。シャンソンの原曲に美輪さんが「人生の大根役者」というタイトルと歌詞をつけて、こう歌われる(要約しています。実物の歌詞はもっと素晴らしいです)。-

    ある一人の役者のモノローグとして歌は進行する――
    おせじは言わない、頭も下げない、うそもつけない。
    正直に生きたいから世渡り下手で器用になれない。だから暮らしは貧しい。
    だけど、もし自分にスポットライトを当ててくれれば、天才の仕事を舞台でお見せできる。自分の才能を光り輝かせてお見せできる。

    でも本物の天才は恵まれていないのが世の常。
    小手先の策を弄して上手くやっている偽物だけが世の中でもてはやされている。
    だが自分は違う。自分をいつわって世に出るのはまっぴら。
    そう、自分は人生の大根役者。たとえ飢えて死んでも心は売らない。
    泥にまみれても輝き放つ天才の意気地をいつでも見せられる、そう、自分は人生の大根役者さ。-

    美輪さんのこの歌にシンパシーを感じたのならば、一村の生涯についての描写から飛び散る火花にも火傷することなく、逆に自分の意に沿わない妥協的で安易な生き方を百万光年の彼方へ蹴り飛ばすモチベーションとできるに違いない。
    また、孤独を自分で選んだにもかかわらず、それに負けそうになっている人にとっても、一村という人生の先輩が一身を賭して貫いた生涯から、まだまだ多くの事を学べるはずだ。

    0
    2022年05月08日
  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

    Posted by ブクログ

    誇りを持って、認められることが無くとも、腐らずに自分の絵を追求した人。彼が自分の才に甘えずに、道を探求していたことは原画を見れば一目瞭然。本当は認められたかっただろうし、賞賛されたかっただろうと思う。それでも腐らずに絵と向き合い続けた生き方に感銘を覚える。

    0
    2015年05月27日
  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

    Posted by ブクログ

    久々に、生き様にも遺した足跡にもシビレました。
    この本だけじゃなく、絵(できれば現物)もみることを強くゝゝ、激しくお勧めします。

    0
    2011年07月12日
  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

    Posted by ブクログ

    孤高の日本画家、田中一村の評伝です。正しい評価を受けられず、奄美大島に渡り、そこで生涯を終えています。画集『田中一村作品集』も取り上げていますが、身震いするほど迫力のある絵です。是非、実際の絵を見て欲しい。死後、評価は高まるばかり。奄美大島に美術館ができています。

    0
    2009年10月04日
  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

    Posted by ブクログ

    奄美大島を旅行した際、軽い気持ちで入った田中一村記念美術館でその絵を見て衝撃を受けて、人となりを知りたくなり手にした本です。日本画でこんな絵がありうるんだ、というくらい、強烈なインパクトを受けました。
    評伝としては、一村の人生、人となりを手際よく伝えた、読みやすい1冊となっています。他の評伝と読み比べてみて、描かれている人物像を比較してもよいかもしれない。

    0
    2011年01月14日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET