南日本新聞社のレビュー一覧

  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

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    もしアインシュタインが現在も生きていたとして、講義で彼が数式を黒板の端から端まで細かい字でびっしりと一心不乱に書き切ったときの、その数式の内容もさることながら、黒板を占める数式の構成美に思わず“Vollkommenheit!”と言ってしまうような感じ-
    -この本の口絵としてカラー印刷された田中一村(たなか・いっそん)の数枚の絵のもつ、まるでピカソのゲルニカのモチーフを奄美の自然に移し替えたかのような多感さと多弁さを私はこう例えたい。

    そして、このような絵を描き、残した人物はどのような人生を送ったのか-
    -画壇でも名を知られず、その完璧主義によって絵画も少ししか残していない一村の生涯が、この本

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    2022年05月08日
  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

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    誇りを持って、認められることが無くとも、腐らずに自分の絵を追求した人。彼が自分の才に甘えずに、道を探求していたことは原画を見れば一目瞭然。本当は認められたかっただろうし、賞賛されたかっただろうと思う。それでも腐らずに絵と向き合い続けた生き方に感銘を覚える。

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    2015年05月27日
  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

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    久々に、生き様にも遺した足跡にもシビレました。
    この本だけじゃなく、絵(できれば現物)もみることを強くゝゝ、激しくお勧めします。

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    2011年07月12日
  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

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    孤高の日本画家、田中一村の評伝です。正しい評価を受けられず、奄美大島に渡り、そこで生涯を終えています。画集『田中一村作品集』も取り上げていますが、身震いするほど迫力のある絵です。是非、実際の絵を見て欲しい。死後、評価は高まるばかり。奄美大島に美術館ができています。

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    2009年10月04日
  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

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    奄美大島を旅行した際、軽い気持ちで入った田中一村記念美術館でその絵を見て衝撃を受けて、人となりを知りたくなり手にした本です。日本画でこんな絵がありうるんだ、というくらい、強烈なインパクトを受けました。
    評伝としては、一村の人生、人となりを手際よく伝えた、読みやすい1冊となっています。他の評伝と読み比べてみて、描かれている人物像を比較してもよいかもしれない。

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    2011年01月14日
  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

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    日本画家・田中一村の唯一の伝記。孤高の画家といわれることが多いけどまさにそのとおり。本当に発見されてよかったなぁと思いました。実際の絵もみましたがとてもイイです。画壇に左右されず自らの絵を追い求めた結果でしょうか。絵に興味があるひとにはぜひおすすめです。

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    2009年10月04日
  • 日本のゴーギャン 田中一村伝(小学館文庫)

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    こういう画家がいたのだな、と知るには良い伝記だった。
    が、認められないこと=孤高の人、真の芸術家、とは思わないし、藝大の同級生で「認められた」画家への屈折した思いなど鑑みると「本当は羨ましかったのでは?」「売るために描くのではないと声高に主張することで、自信のなさを補っていたのでは?」と感じられてしまった。
    芸術家であれば、破天荒で周囲に迷惑をかけまくる生き方が認められるわけではないと思うし、本人の思いとこの本の表現がどこまで一致しているか不明だが、「すごい人がいたんだ!」というほどの感動はなかった。
    菜食主義で、自己に厳しく、自らの肉体を動かして生活を保とうと努力した点は偉い人だなあと思うが

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    2015年03月05日