上原た壱の作品一覧
「上原た壱」の「ずっと、ずっと好きだった―再会愛―」「灰色のマリエ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
青春から大人になるまでの10年単位の切なくも美しい純愛が描かれていて、読後に「二人にはどうかずっと幸せでいてほしい」と心から願いたくなる作品でした。
中学で出会い、高校でも再会しながら家族の事情で引き裂かれるヒロインとヒーロー。
互いに想い合っているのに、大人たちの都合でどうにもならない壁に阻まれていく姿は胸が締めつけられました。
それでも彼らは成長して大人になり、再び巡り会う。
そこから描かれる交流はとても丁寧で、二人の距離が縮まっていく過程が自然で、読んでいて何度も顔が緩んでしまうほど。
社会人になってからはヒロインに恋人がいるという複雑さも加わりますが、ヒーローの真っ直ぐさが物語を引っ張っていきます。モラハラ気質な恋人との対比で、彼の真摯な愛がより際立っていました。
子どもの頃は狭く息苦しい環境に縛られていた二人が、やっと心のままに生きられるようになるまでの道のりは長く険しいけれど、その分だけ尊さが強く響きます。
挿絵も物語を引き立て、まるで最初から最後までコミカライズを読んでいるかのように情景が鮮やかに浮かびました。
上野動物園や神保町といった舞台の描写もリアルで、場所のチョイスひとつひとつが臨場感を増してくれたのも印象的です。
陽キャでスポーツマンなヒーローと、地味ながらも芯を持つヒロインという組み合わせも魅力的。
お互いしか理解できない孤独を抱えていたからこそ築かれた唯一無二の関係に、純愛の尊さを感じました。
別れと再会を繰り返す中でも「やっぱり二人しかいない」と思わせてくれる展開が胸に響きました。
匿名
まさに執着愛
今回のヒーローがどタイプでした!
ひたすら仕事仕事で堅物、笑わないキレ者の氷の宰相しかも美丈夫。早くに父を失ってから爵位を継ぎ、家の為にガムシャラに頑張っている最中にも母親が愛人を作り、幼い弟を連れて愛人と旅行に出掛けその先で事故に遭い母も弟と失うという、かなりヘビーな過去を持つヒーロー。
貧乏男爵家のヒロインも十代前半で父親を失ってから、没落を免れる為にデビュタントを迎える事なく、衣食住に困らない為騎士になった苦労人。
彼女のじゃじゃ馬な性格に合っていたようで、騎士として成績優秀で、女王殿下の近衛騎士になった格好いいヒロイン。
敬愛する女王殿下を助けたくて、ヒーローの持ち掛けた偽装結婚をするのだけど、早い段階からヒーローはヒロインを本気で手に入れる為だと分かります。
騎士の頃、ヒーローとは犬猿の仲で甘い雰囲気になったことが一度もなかった為、最後までヒロインがヒーローに本気で愛されているとは気が付いてなかったけど。
後半ヒーローsideで語られるヒロインとの出会いを読んで、こんな時からヒロインを一途に想っていたんだと想いの深さを知りました!
当て馬である公爵家の兄妹がしっかり悪役で、要所要所でハラハラさせてくれて物語を更に面白くしてくれます。
最後までずっと先が知りたくて知りたくて、通勤中や仕事の昼休み、帰宅してから夕食の支度をするまでの間、暇を見つけては一日で読み切りました!
また読み返したい作品です。
すっごい良かった
はー…純愛だ
紆余曲折あって、艱難辛苦を乗り越えて、森羅万象なぎ倒して、お互いのベクトルは、中学生のあの時のまま
何度連絡先を消されても、会おうと思えば会える
その人のために、努力を惜しまず、自分と相手を大切にする素敵なふたりの物語でした
ふたりを繋ぐものが、なかなか、いろんな妄想を膨らませてくれるのも良かった
ロダンの『考える人』、高村光太郎の『手』、上野動物園のパンダ
高村光太郎は、『千恵子抄』で有名な作家さんだと思ってたけど、芸術面でも有名なんですね。敢えて『手』を出してくる妙というか…
ロダンの『考える人』、地獄の扉の上から何かを考えていたんですね
西洋の思想に輪廻は存在しないから、地獄に堕ちたら堕ちっぱなしなんだけども、そこに、高村光太郎の『手』が加わることで仏教的な思想をスパイスにして、緩和させたんじゃないかと思った。考えすぎかもしれないけど。
でも、そうすると、どういうことになるかっていうと、ままならない地獄を抜け出せることになるんですよね。
仏教では、魂は廻るから。だから、親が絡んだ、子どもにとっては乗り越えようにも乗り越えられない壁、抗いきれない虚しさ、打破できる手立ても手札もない未熟さ、どれだけ理不尽だと思ってもどうにもできない無力感、心のままに在れないもどかしさ、それらに対する諦念のごった煮という地獄の中で、それでもお互いが好きだという気持ちは揺るがなくて…
俯瞰で自分たちがどう足掻けるかをしっかりと考えている。
だから、駆け落ちとか家出とか、安易な逃げに走らず、ちゃんと周りを納得させたうえで幸せをつかんだ。
彼らは無敵だ。