菊村到の作品一覧
「菊村到」の「悪霊たちの秘戯」「油壺殺人マリーナ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
「硫黄島」
戦争の大義を固く信じていたのに、彼は負け戦を生き延びてしまった
そのことに耐えられなかった
戦地での体験はそれほど強烈なフラッシュバックとして甦るのだろうか
…といったアプレゲールものである
虚言を強引にセンチメンタリズムへ落とし込んだ印象も強いのだが
昭和32年の芥川賞を受賞している
「しかばね衛兵」
戦友なんて言ってみても結局
誰だって一番かわいいのは我が身に決まっている
それを思いつつ戦友の死体を前にしたとき、心が傷つく兵たちの話
「奴隷たち」
戦争が終わって、ソ連の捕虜になった日本兵たちの話
その連帯意識は、鉄壁の収容体制が仕掛ける罠に打ち砕かれ
やがて真っ赤に塗り替えられるのだろう
「きれいな手」
フィリピンに赴任した伝令兵
だれも殺していない上にカトリックの洗礼を受けている自分は
生き延びる運命にある、そう信じていた
「ある戦いの手記」
軍隊の上下関係に乗じて己のサディスティックな性向を満たす上官と
それに対して抗えなさを感じつつも逃亡を試みる下士官
戦闘よりも、軍隊の外に出ることのほうが
彼らにはずっと恐ろしい
「不法所持」
刑事サスペンスもの
戦中も国内の治安に携わってきたであろう刑事部長には
友人らしい友人がなく
戦友どうしでかばいあう心理も理解できない