連載がなかったら、父親とこんなに話すことはなかっただろう。そして、父親のことを、家族のことを知ることはなかっただろう・・・。ヤスケンはそう振り返る。そして、この家族のことを私たちも知る。
ここには昭和の安田家が息づいていて、貧しくても大笑いや苦笑いを繰り返しながら、たくましく生きていた。挿絵はおそら
...続きを読むく娘さんの描いたものだろう。これはヤスケンの家族につながる本でもある。
父は労音に勤めたこともあり、音楽や演劇に親しんでいた。酒好きで、ちょっと奔放なところがあるけど、どんな時もユーモアを忘れない。
母和江は、一番幸せだったことは「お兄ちゃんとアンタを産んだこと」という。
どんな時でも笑いを忘れずに乗り切る父、辛抱強く、幸せを築きあげる母。
苦労人のヤスケンだけど、今があるのはもちろんこのご家族のおかげだと思った。
北海道の室蘭、いまはもうないこの番地で繰り広げられた家族の物語。