久しぶりに、背中に寒いものが走り、鳥肌が起こる青年漫画だった
高い画力や練り込まれたストーリー、緻密なキャラ設定が理由でなく、ただただ、理屈抜きで、この漫画の世界に引きずり込まれた
音も匂いも、あらゆる物がシャットダウンされるほど集中されて読んだからか、結構な疲労感に襲われた
面白い、云々の前に、怖
...続きを読むい、とすら感じてしまった
ハンムラビ王の、王である、少なくとも、チンケな常識で器を計り切れない大人物、と初見で見抜けるほどの、物理的な物すら帯びる圧迫感がページ越しにも伝わって来たからかも知れない・・・・・・
「目には目を歯には歯を」、やられたらやり返していい、そんな子供じみた理屈の法でないのは頭で理解できるが、いざ、やられた側になったら、理性なんて吹っ飛んじゃうんだろうな
法律とも呼べぬ、原初の『取り決め』を定めた王が、現代の日本に顕現したのは、神の悪戯か、悪魔による奇跡か。何にしろ、白と黒に分けられなくなった、灰色の社会を王としての直感に従って、善悪を見極め、裁きを下すんだろう
中村先生が、ここまで力強く推薦してくれる理由が、一読すれば理解できる
これは、シンプルに凄い漫画だ