妖怪が見える少年・夏目が、祖母の遺品の「友人帳」を架け橋にして妖怪たちと心を通わせていく模様を描いた物語です。
妖怪をテーマにした作品は数多くあれど、「夏目友人帳」ほど優しい物語を、私は見たことがありません……!
祖母・レイコの残した「友人帳」は、レイコが妖怪たちと勝負をして、負けた妖怪たちがサインをしたもの。そのサインには契約の意味があり、契約の解除を願う妖怪たちに名前を返していくことにした夏目は、ボディーガードの「にゃんこ先生」と一緒に彼らと触れ合っていきます。
幼いころから、人には見えないものが見えていることで周囲から気味が悪いと言われていた夏目は、妖怪を避け、関与しないように生きてきました。そんな夏目が、友人帳を通してはじめて妖怪たちに向き合うことで、少しずつ、考え方を変えていく様子には、まるで自分の子どもが少しずつ友達を増やしていくような、そんなやさしい気持ちになって嬉しくなります。
名前を返したときに判明する真実は、ちょっぴり切ないことが多いですが、決して悲しい結末ではなく、じんわり心が温かくなるような、そんな物語ばかりです。
ぜひ暖かいお飲み物をお供に、じっくりお楽しみください。
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大好きな作品
夏目友人帳はアニメから入り、大好きな作品でしたが、原作も素晴らしかったです。こんなに毎話、最後が秀逸な漫画はあるのだろうか…と感じます。
アニメではカットされている夏目と先生のわちゃわちゃなどが読めたのも良かったです(夏目がアニメよりちょっと口が悪かったのも可愛かった。笑)。原作も読破したいので購入したいです。
あたたかいもの
あんなにも強く思っているのに見てもらうことさえ叶わないツバメが本当に切なかったけれど、最後にかなって本当によかった。あと、中級たちのストーカー行為がめちゃ面白いです。
名作
何度もアニメ化され劇場版や朗読劇などメディアミックスがされた名作漫画の第一巻目。
主人公の夏目貴志(なつめたかし)は小さなころから周りの人には見えないものが見えていた。
それを理解できなかった頃は盛んに人に話していたがそれを不気味に思う人から変な子扱いされ、やがてそれら「妖」とも距離を置く内向的な青年に育っていった。
幼少期に両親を亡くし親戚をたらいまわしにされたことも拍車をかけたが、高校生になって引き取られた藤原家で祖母レイコの遺品の帳面を手にした時から、彼の周りをいつにもまして妖がうろつき始めた。
そんな夏目に目を付けたのはその帳面「友人帳」を狙う妖である斑(まだら)だった。
夏目の祖母も同じような体質で親近感があり、また友人帳に名前のある妖に名前を返したいと思っている彼は、普段は猫の姿をしている斑(ニャンコ先生)を用心棒にしてその帳面を狙い妖力の増強を図る妖たちから身を守りながら訪ねてきた妖たちに名前を返すのだった。
アニメで見たものの原作は読んだことがなかったので読めてよかった。
まだ夏目もニャンコ先生も距離感がある感じがなんかちょっとおもしろい。
静かな連作
何度もアニメ化されていて今も連載されていても初読でした。
ニャンコ先生は招き猫のモデルが云々等、あとがきにかなり詳しい作者の解説もあります。子どもの頃に見ていたニャンコ先生(要は大ちゃんの方……)は某アニメでしたので、歳がバレます^_^;;
祖母のレイコさん、生前が偲ばれます。
ダムに沈んでしまう集落等、やはりちょっとさみしい話が多くなりそうな連作ですが、人気の理由の一端、何となくわかる部分もありました。