半村良作品一覧

  • 雨やどり
    4.1
    舞台は新宿裏通りのバー街。「ルヰ」のバーテンダー仙田を主人公に、彼の前を通り過ぎて行く、いろいろな男と女の哀歓漂う人間模様を描き出す連作。直木賞受賞の表題作をはじめ、「おさせ伝説」「ふたり」「新宿の名人」など8編を収録。
  • 男あそび
    4.0
    ひどく謎めいた女に成熟した順子には、自分が必要とする時に男を呼び寄せ、意のままに操ることができる奇妙な力があった。順子はそれを〈浮気の超能力〉と呼んで、思うまま人生を愉しんでいたが、ふと、どこか虚しい気持ちに陥るようになって……。表題作「男あそび」他7編を収録。軽妙に描く大人の女と男の物語。
  • 闇の女王
    -
    日本屈指の大富豪・天羽賀脩一郎は、破産に近い大浪費の末、失踪した。真相究明にのりだした堀井は、無差別殺傷を狙うテロ集団と享楽のみを追う“深海クラブ”の抗争に巻き込まれたが、脩一郎とクラブの関係を探り当て、謎のベールをはがす機会を得た……。鬼才・半村良が流麗な筆致で描くSFファンタジー長編。
  • 太陽の世界 1 聖双生児
    5.0
    かつて、南太平洋には巨大な大陸が存在していた。それはムーと呼ばれていた。そこには、想像を絶するほど高度に完成された一大文明が栄えていた。だがある日、広大で肥沃な土地に住み、完成された国家を持ち、平和な日日を送るムーの人々を、突然の災厄がおそった。大地震、大洪水、そして火山の爆発があいつぎ、そこに栄えたあらゆるものを、跡かたもなく海中に没し去ってしまったのだ――。失われた大陸・ムーの誕生から滅亡に至る2000年の歴史を描く大河ロマン。
  • 不可触領域
    -
    一組の婚約者が、祭りでにぎわう町をあとに、自動車で東京へ旅立った。だが、山越えの途中、目をふさがれたような深い霧に出合い、動けなくなってしまった。その時、突然、一匹の豹が襲いかかってきたのだ。しかも助けを求めに二人が飛び込んだ家の中には、無惨な集団自殺者の死体が点々ところがっていた。いったい何が起こっているのか。 この事件を発端にして、一つの町を得体の知れぬ恐怖がおおいはじめた。
  • 平家伝説
    -
    自家用運転手浜田五郎は、ある春の日の午後、銭湯の主人から、自分の右肩の後ろにある大きな痣が、〈嘆き鳥〉と呼ばれることを教えられた。嘆き鳥……それは、源平の昔、壇の浦の合戦に敗れた平時忠を能登の配所に導いたと伝えられる鳥の名だった……。浜田と恋人敏子の運命をあやつる痣の秘密とは何か? 奇想天外なSF的結末。平家物語に想を得た奔放なロマンのうちに、現代の若者の夢と生活を鮮やかにとらえた傑作小説。 カバーイラスト/杉本一文
  • 産霊山秘録 上の巻
    4.0
    本能寺・関ヶ原・幕末そして戦後……日本歴史に記録されているいくつかの動乱期。そこでは必ず謎の〈ヒ〉一族が暗躍したと伝えられる。三種の神器を用い、人智を超えたその特殊能力を駆使して動き回る〈ヒ〉。そして今、時は戦国、一族の長、随風は信長に天下を取らせるべく活動を開始、白銀の矢となって全国の忍びのところへ飛んだ。数百年にわたる〈ヒ〉一族の運命を描き、日本歴史に新角度から壮大な構想で切りこむ著者会心の長編伝奇SF。第一回泉鏡花文学賞受賞作品。 カバーイラスト/杉本一文
  • となりの宇宙人
    4.0
    真夜中、安アパートの裏庭に異常な衝撃を起こし、UFOが不時着した! 中からはい出てきたのは迷子の宇宙人宙(チュー)さん。彼をマスコミ攻勢から守り、一緒に遭難した宇宙人仲間の救出に一致団結して協力する人々との、心暖まる宇宙的交流を描く表題作。“地球最後の日がきても、お前だけは助けてやろう”という悪魔の囁きにすがったために、とてつもなく高い代償を払わなければならなかった人類の悲劇「悪魔の救済」ほか8編を収録した傑作SF短編集。 カバーイラスト/杉本一文
  • わがふるさとは黄泉の国
    4.0
    1巻396円 (税込)
    ある時、商社マン室谷は知り合いのデザイナー久子が“自殺村”と称される奇妙な村の出身である事を知らされた。人づき合いが苦手で、古代史やら民俗学の本を読みふける彼は、その村が、古事記に由来する事に気づく。村人は先祖代々、自ら死に急ぎ、現在死に絶えていた。村は死者の国である黄泉の国と地形的につながり、彼の血筋もまた村人の秘密につながっていた……。奇想天外なストーリーの展開を示す表題作他、多元宇宙テーマの「二都物語」等を収めた半村良の傑作短篇集。 カバーイラスト/杉本一文
  • 闇の中の哄笑
    -
    1巻396円 (税込)
    エリート中のエリートだけが宿泊を許される伊東の名門ホテル。そこに日本の政財界を動かす3人の男達が顔をそろえていた。偶然をよそおった出会いだったが、裏側には権力への激しい執念がどす黒い渦を巻いていた。“汚れきった保守政権は、いまや国民に見放されている。思い切ったスケープゴートをささげ、大衆の信頼を回復しなければ、現体制と我々は破滅だ。”知恵と策謀が火花を散らして斬りむすぶ時、嘘部の末裔“黒虹会”が日本の将来を賭けた大作戦を開始する。 カバーイラスト/杉本一文
  • 闇の中の系図
    -
    1巻396円 (税込)
    天才的な嘘つき浅辺宏一の前に、そんな彼の才能を必要とする秘密組織があらわれた。それは古代より日本の歴史を陰からあやつる謎の一族“嘘部”の集団〈黒虹会〉だった。そして彼もまた闇の中につづく血筋の一人であることを知らされた。――現代によみがえった“嘘部”の活動が開始され、日本の永続的繁栄を目指した雄大な嘘が、いまや国際的なスケールで展開されていった……。日本の歴史と政治の暗部にするどく切りこんだ、著者会心の嘘部シリーズ第1弾! カバーイラスト/杉本一文
  • 魔女街
    -
    1巻396円 (税込)
    人の欲望には限りがない。金がなければないで、より高望みをするものだ。例えそれが空想の世界のものであっても――。 倒産寸前の木工所に勤める紬康平は、ある日銀座通りで一人の男に声をかけられた。男は超能力の研究家と名乗り、康平の特殊な能力を調査したいという。そして男が主宰する研究所に職場を移してから、康平の生活は一変した。贅沢な毎日と、彼を取り巻く美女たち。彼の持つ特殊な能力とは何だったのか。表題作ほか、日常性の裏側にある魅惑の世界を描く5篇を収録。 カバーイラスト/杉本一文
  • 亜空間要塞の逆襲
    -
    ある日、私、半村良の本を読んだという男が訪ねてきて驚くべき事を語った。それは、まったくの空想で私が考え出した世界『亜空間要塞』は実在し、彼自身も小説の登場人物として亜空間要塞に行ってきたという……。以来私は、なぜ『亜空間要塞』を書き上げたのかを知ろうとする宇宙人に追いまわされるはめになった。そして、とうとう私までが自分の作品の世界に足を踏み入れることになってしまったのだ! 奇想天外なSF世界を展開しながら作者自身の内面を語る『亜空間要塞』の続編。 カバーイラスト/杉本一文
  • 亜空間要塞
    2.8
    あなたは、亜空間要塞という存在を信じられるだろうか。それは、侵略宇宙人が地球に据えつけた基地で、あなたのすぐそばに、あるかもしれない。――SF好きな四人組の前に、二十数年間も行方不明だった浄閑時公等が突然出現した。出現の謎の解明に向かった彼らに、突如、UFOの怪光線が襲いかかり、気がつくと“ジョーカンジー”と呼ばれる神がまつられた異次元空間に漂着していた……。鬼才、半村良があらゆるSF的世界の怪現象を雄大に描いた大冒険SF。 カバーイラスト/杉本一文
  • 回転扉
    3.5
    35年前に死んだ父に、まるでそっくりの若い男が息子たちの前に現れた。顔も体つきも言葉遣いさえも、父そのものだった。おまけに名前までも同じなのだ。その男が出現して以来、息子たちの商売はとんとん拍子に繁栄していった。息子たちは、男を父親のように感じ慕いはじめていたが、その裏には、正体不明の組織があった。現代社会を変えるべく、過去からよみがえった“亡霊”を描く異色長篇。 カバーイラスト/杉本一文
  • およね平吉時穴道行
    3.0
    コピーライターの私は、江戸時代の戯作者山東京伝の現代にも通用する広告のセンスに親近感を抱いていた。私は、ひょんな事で、江戸時代の岡ッ引き“平吉”が書いた古日記を入手、日記には、京伝の妹“およね”への恋と、彼女が神隠しにあったらしい異変が記されていた。――そんな時、CMに登用した人気歌手が、知るはずのない日記の内容を熟知している事に気づいた! 彼女によってよみがえった、二百年後の恋のゆくえは……。表題作の他「収穫」等を収めた、半村良の傑作短編集。
  • 新装版 戦国自衛隊
    3.5
    日本海側で大演習を展開していた自衛隊を、突如<時震>が襲った。突風が渦を巻きあげた瞬間、彼らの姿は跡形もなく消えてしまったのだ。伊庭三尉を中心とする一団は、いつの間にか群雄が割拠する戦国時代にタイムスリップし、そこでのちに上杉謙信となる武将とめぐり逢う。 <歴史>は、哨戒艇、装甲車、ヘリコプターなどの最新兵器を携えた彼らに、何をさせるつもりなのか。日本SF界に衝撃を与えた傑作が新装版で登場。
  • 能登怪異譚
    4.1
    市助には8人の子がいた。その子らが夜ごと寝間を抜け出して、朝まで箪笥の上に坐っている。そのうちに市助を除く家族全員が夜な夜な箪笥に上がるようになって――。(「箪笥」)。能登を舞台に玄妙な語り口で綴る9つの不思議な物語。恐怖と戦慄の半村フォークロア。
  • 軍靴の響き
    3.0
    ――それは、時代の曲がり角をはっきりと象徴していた。昨夜、寝室でその女を抱いて寝た男は“軍靴”をはいた男だった。〈戦争〉に虐げられた、あの忌わしい記憶がよみがえってきた……。すさまじい日本経済の海外進出は、インドネシアに政情不安を起こした。政治は腐敗堕落し、むき出しの反日感情が昂まった。日本政府は、西イリアンの石油利権を保護する名目で派兵を強行。既成事実がつくり上げられ、刻々、〈戦争の危機〉が近づいていた! どす黒い現代の恐怖感を描いた、著者会心の長編小説。 カバーイラスト/杉本 一文
  • ラヴェンダーの丘
    -
    1巻374円 (税込)
    大倉治郎、48歳。かつては国際商社マンとして活躍した。今は第一線を退いて欧亜商事札幌支店苫小牧出張所の所長をしていた――が、元CIA要員、クロフォードからの電話でたちまち過去へと引き戻されてしまう。北方領土の近く、真琴内という小さな漁港で不穏な動きがあるという。謀略阻止の依頼だった。昔の仲間“ジャン”も駆け付けた。過去の罪を背負ったまま生きていた大倉は、自分の死に場所を求めるようにして真琴内へと向かう。
  • 都市の仮面
    -
    1巻374円 (税込)
    中小企業のセールスマン駒井は、味けない毎日から抜け出たいと強く願っていた。そんな時、思わぬ幸運が舞い込んだ。一流商社から、ただ優雅に暮らし、遊ぶことだけを条件に、引き抜かれたのだ。都心に豪華マンションを与えられた彼は、とびきりの美人から奇妙な研修をほどこされた後、流行のファッションに身を包み、毎夜、一流のクラブに出入りするようになった。だが、享楽の果てに彼を待っていたものは……。表題作ほか、何げない日常生活にひそむ恐怖を描く力作5篇を収録。 カバーイラスト/杉本一文
  • 晴れた空1巻
    完結
    5.0
    全3巻330~440円 (税込)
    「オレたちはみんな親なしの孤児だ!食うためにはなんだってやらなきゃならねえんだよ!」 昭和20年8月15日終戦を迎えた。人々は生きるために食べ、食べるために生き毎日がそれとの闘いに明け暮れていた。 そんななか、8人の戦争孤児たちと母娘が運命の出会いを果たす。 孤児たちは母娘を守るため、母は孤児たちを守るため…生きるための戦争が始まった。 「戦国自衛隊」の半村良原作の小説を、石川サブロウが描く!
  • セルーナの女神
    3.0
    1巻330円 (税込)
    ある日、私の仕事部屋を二人の黒人が、わざわざアフリカから訪ねてきた。彼らは私に、時間を支配する女神「セルーナ」の像をかえしてくれというのだ。すべてが初耳で、何が何やらわからぬ私に、彼らはその気になるまで、いつまでも待っていると言って帰っていった。ところがその直後、私の旧友がアフリカ旅行のみやげと言って、セルーナの女神像らしい木彫りの人形を持って現われたのだ――。表題作ほか、日常生活の中に起こる奇妙な話を描く傑作短編八篇を収録。 カバーイラスト/杉本一文
  • サイコロ特攻隊
    -
    1977年、第8回星雲賞受賞作。 近未来、戦争に突入した日本。海上封鎖をされ危機に陥った中、コンピュータがはじきだした最良の作戦は、「特攻」だった。 <著者からのコメント> この作品は、最初は短編として書き、早川書房のSFマガジン(1975年12月号)に載せてもらったものです。 しかし書き足りなかったので改稿し、まだ駆け出し作家だった当方の、長編第一作となりました。 ですから読み返すと、時代や国際情勢の変遷を、つくづく感じさせられます。 ところどころで、「あれっ。このあたりは半村良さんのタッチだな」と感じるのは、氏の作品を「長編のお手本」と思っていたからでしょう。その点も含めて、お楽しみいただければ幸いです。 かんべむさし
  • マンガ 続戦国自衛隊1
    無料あり
    4.3
    1~9巻0~300円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本海を航行中の輸送艦おおすみが 時空を超えて敦賀沖へ漂着した! 戦国時代にタイムスリップした自衛隊。 自衛官たちの運命が大きく変わろうとする。 「自衛隊が戦国時代にタイムスリップする」 という卓抜なアイデアでSF戦記の 先駆的名作となった『戦国自衛隊』。 本シリーズは、前作から数十年の時を経て さらにスケールアップ! 全9巻で完結のオリジナルストーリー。

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