サブカルチャー・雑学 - 中央公論新社 - 中公選書作品一覧

  • 日本近代小説史 新装版
    4.7
    文明開化期から村上春樹まで、日本の近代小説史を一冊で案内する。文学史的な事実の集積を越え、文学表現が生まれてくる社会状況や作品間の影響関係にも言及。主要な作品には内容紹介を添え、読書ガイドとしての利用も企図した。肖像に加え、本や雑誌の写真を多数収録。好評旧版の新装にあたり、近代文学に文化史的・メディア論的にアプローチする手がかりとして、「「近代日本文学」の成り立ち」を付した。
  • ジョルジュ・ペレック 制約と実存
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    ポーランド出身のユダヤ系移民の子としてパリに生誕したペレックは、第二次世界大戦によって戦争孤児となり、想像を絶する人生の断絶を体験した。 やがて作家として歩み出すと、実験文学集団ウリポ(潜在文学工房)への加入を契機に、特異な言語遊戯小説の制作者として知られるようになる。 フランス語で最も出現頻度が高いEの排除という「制約」によって成された『煙滅』や、集合住宅での人・物・出来事を徹底して描出した『人生 使用法』など、その作品群はどれも現代的問題性を宿した重要な達成とされ、評価は歿後ますます高まっている。 本書は『煙滅』日本語訳という容易ならざる作業を成したフランス文学者が、この「世にも稀なる風変わりな文学的個性を持つ、およそ誰とも似ていない作家」(カルヴィーノによるペレック評)の、人と作品が秘めたものを存分に語りながら、その魅力へと縦横に迫った労作である。 異なるアプローチから成る作品論を重ねつつ、〈日常〉〈自伝〉〈遊戯〉〈物語〉という四領域を満遍なく扱う総合的読解を志向した本書の方法的特徴も注目されよう。
  • ストックホルムの旭日 文明としてのオリンピックと明治日本
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    「いかに速く走るか」。――近代の到来は「文明」に、国際スポーツの場で国と国とが同一ルールで競い合うという新しい要素を加えた。コーチングの技術などが革新的に発展を遂げるなか、「文明国」の名乗りを上げたばかりの明治日本はスポーツという洋学をどう受容したのか。漱石『三四郎』や嘉納治五郎の欧米視察記、画期的指導書など陸上競技にまつわるテクスト・写真を精読、世界の頂点とされたオリンピックに二人の若きアスリートが挑むまでを描く。
  • 日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題 文化の架橋者たちがみた「あいだ」
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    日本文学は「どうしても翻訳できない言葉」で書かれてきた、と大江健三郎は言う。事実、谷崎も川端も三島も、英訳時に改変され、省略され、時に誤読もされてきた。なぜそのまま翻訳することができないのか。どのような経緯で改変され、その結果、刊行された作品はどう受け止められたのか。米クノップフ社のアーカイヴ資料等をつぶさに検証し、一九五〇~七〇年代の作家、翻訳者、編集者の異文化間の葛藤の根源を初めて明らかにする。
  • 萩原朔太郎
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    錯綜する幻覚的ヴィジョンの構造、分裂した自己像への視座、象徴主義の秩序を超えていく言葉のエネルギー、巧妙な自己笑劇化の装置‥そして「詩を書かなくなった詩人」としての晩年。 本書は評論でも研究書でもなく、「評釈つき詩集」だと著者は書く。 大枠は評伝・解釈を付けた詩集であり、それゆえ、入門書的関心の読者をも引きこむ本だが、一方で、「地面の詩学」「身体の詩/詩の身体」「母性棄却」「姦通系」など、独自の用語を駆使して、朔太郎に深く斬り込んだ高度な内容を併せ持つ。 読者を充分に楽しませつつ、同時に、豊かで不気味な詩世界に導く、まさに「たくらみ」に満ちた一冊。

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