歴史・時代 - 峰隆一郎 - 光文社文庫作品一覧

  • 会津の牙
    5.0
    水口藩の馬廻り役・柿崎主水は、酒癖の悪い同僚を斬って脱藩。習い覚えた揉み療治を生業としながらの旅で、会津城下に足をとめた。そこで主水は、藩命により、城下を荒らしまわる無頼の浪人一味の討伐に向かう。選り抜きの藩士二十人を引き連れ、三百人の浪人どもを相手に、血みどろの死闘。凄絶な人斬りの技が冴える。
  • 越前の牙
    5.0
    越前・鯖江藩士猿丸周介は、道場剣法を嫌い、独り山中で真剣の腕を磨く。望みどおり藩の剣術大会で優勝するが、周囲の妬みをうけ、やむをえず脱藩。浪人の身となった彼は、人斬りの魔力に憑かれ、殺生を重ねてゆく。やがて名古屋の地で道場主の娘と満ちたりた日々を送る周介の前に、仇と狙う一団が……。真剣必殺の技と男女の性を描く、好評「牙」シリーズ!
  • 奥州の牙
    5.0
    全身全霊を込めて水無流三郎は浪人を雁金に斬り裂く。もう幾人を冥土に送ったことか。この男、仙台藩百二十石の藩士だ。三歳より本身の脇指を受け、「竹刀は遊び、真剣で斬り覚えよ」と父から鍛え抜かれてきた。二十五歳の折、藩の武芸大会で上級者を破り、恨みを買った。水無は遂に同士へ必殺の刃を向ける……。剣豪作家が書き遺した「牙」シリーズの大団円!
  • 加賀の牙
    5.0
    加賀藩士・羅宇甚八は、七十石の禄を食む軽輩だ。藩は代々、八家の合議制で成り立ち、重臣たちが牛耳る。甚八は日々、浪人を斬り女を抱くことで、退屈を紛らわしていた。そこに修羅と名乗る謎の男が出現し、藩士斬殺が相次ぐ。果たして、甚八が修羅なのか? 窮地に陥る彼に意外な人物が救いの手を……。時代小説の第一人者が渾身の筆致で描く。
  • 剣鬼・根岸兎角
    -
    木刀で相手を打ち殺すほどの凄まじい腕前の根岸兎角。彼は、病いに倒れた師・諸岡一羽を見捨てて出奔、武者修行の旅に出た。途中、豪商の娘を救った縁により、小田原に道場を開き大いに繁昌する。だが、一羽の高弟たちは兎角を師の仇と付け狙い、やがて江戸城大手門前の橋上で、因縁の果たし合いが……。剣と女に賭けた鬼才の奔放な生きざまを描く、人斬り絵巻。
  • 秋月の牙
    5.0
    筑前秋月藩士・西水又七郎は、愛妻・沙登と上司の息子・左之介との密会現場に乗り込み、即座に左之助を斬り捨てて出奔。激怒した左之助の一族は、彼を仇と狙ってあとを追う。身分も家も失った又七郎は、わが身を守りぬくため、山賊の仲間に入る。そこで人斬りの技を磨いた彼は、やがて江戸へと向かった……。凄絶な人斬りと、男女の性を活写。
  • 素浪人 宮本武蔵(一)〈白刃の篇〉
    -
    十三歳の平田弁之助(幼名)が木刀で武芸者を撲殺した。美作国・宮本村生まれ。実父を知らず、山の和尚の許で山走りと棒打ちを習得したのだ。のち関ヶ原の西軍に参加、仕官の道を狙ったが、惨敗して山賊となる。殺(や)らなれけば殺られる。弁之助も殺人鬼と化した。が、虚しい。夢中で女を抱いた。十七歳で武者修行を志し、名も宮本武蔵に――。注目全十巻の第一弾!
  • 素浪人 宮本武蔵(九)〈牙狼の篇〉
    -
    武蔵は川越城の攻防戦で大活躍した。城番は江戸に招かれ、五千石の旗本に昇格。武蔵にも仕官の誘いがかかる。断わった。旅は人を磨く。江戸を去り、水戸、仙台を巡る。含み針の如雲斎も手強かった。同じ武蔵と名乗る武芸者とも戦った。敗北は死だけしかない。石巻街道で美男の剣士と擦れ違った。殺気を感じた。佐々木小次郎である。二人の前哨戦がもう始まった!
  • 素浪人 宮本武蔵(五)〈斬狼の篇〉
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    武蔵は摂津の西宮で強烈な風邪で倒れた。曽根という老婆が介抱を……。老婆は言う。「武蔵か。武芸者に多い名だ。みな強かった。でも体を壊せば弱い」。弁之助の武蔵は、最強の武蔵になると誓った。姫路を通る。藩主・池田輝政はまだ怒り、武蔵斬殺の忍者群を差し向けた。斬るしかない。流れ流れて、加藤清正が知行の熊本へ。だが、ここでも武蔵の命を狙う白刃が待つ。
  • 素浪人 宮本武蔵(三)〈修羅の篇〉
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    武蔵は江戸を離れた。憧れの小野次郎右衛門と対峙した瞬間が脳裡を去らない。450人も斬った人で、徳川家・剣術指南のひとりだ。小野は眼を閉じて武蔵の攻撃を避けた。貫禄が違う。甲州路に入った。またも女難剣難の嵐だ。下諏訪で黒曜石の利権を荒らす博徒一家を潰すための助っ人を引き受けた。斬る。斬りまくって小野を超えたい。だが修羅の旅はどこまで続くのか。
  • 素浪人 宮本武蔵(十)〈無常の篇〉
    -
    「負けないことが、生きること」を説きつづけた峰流武蔵。遂に、この最終巻で真価を発揮する。宮本武蔵、29歳。佐々木小次郎、27歳。互いに人を斬り、斬っては旅に出た。虚しくなれば女も抱いた。その同じ生き方が対抗意識を燃やしたのか、両雄は並び立たないのか。海上一里の孤島に死闘の時刻が迫る。「現代人の感覚に合う」と、好評の嵐を起こし、全十巻が完結!
  • 素浪人宮本武蔵(七)龍祥の篇
    -
    宮本武蔵は、柳生の庄に入った。剣豪の里だ。つい腕だめしをしたくなるが、撓え(竹刀)の打ち合いは遊びに等しい。武蔵は、奈良から伊賀上野へ旅立った。そのころ、佐々木小次郎は、越中・五箇山で山賊斬りをしていた。二人は、剣も強いが、女にも強い。伊賀上野で、武蔵は、鎖鎌の名手・宍戸梅軒と対決する。梅軒は敗北を知らない。危うし、武蔵! いかに戦うか?
  • 素浪人 宮本武蔵(二)〈青狼の篇〉
    -
    姫路城で凄絶な果たし合いが行なわれた。武蔵が次々と斬る。「強い。仕官せよ」と城主の池田輝政が誘った。が、武蔵は江戸へ出て、徳川家の指南役、柳生又右衛門と小野次郎右衛門との対決を考え、東海道を急いだ。輝政が怒って武蔵に上意討ちをかける。追っ手を斬った。斬りまくった。旅は、いつも死と背中合わせ。武蔵は江戸で二人の先人に遂に会った。その結果は?
  • 素浪人 宮本武蔵(八)〈腥血の篇〉
    -
    武蔵は川越城下に潜り込んだ。川に紙を浮かべて斬る。難しい。やがて、きれいに割れた。川越城は江戸城の出城だ。だが、城番と旗本二〇〇人が守るだけ。この城を落とすと浪人が武士に戻れるとか。関ヶ原の落武者が結集した。家康の巧妙な残党狩りだった。武蔵は剣友・夢想権之助と城の守りを懇願された。群がる敵を斬る。水切り術の体得で、武蔵は一層、凄みを増した。
  • 素浪人 宮本武蔵(四)〈剣鬼の篇〉
    3.0
    宮本武蔵は三人いた。各々一流の武芸者だった。その一人は年老いて名前を譲ってくれた人。もう一人が気にかかる。その武蔵が京の吉岡兵法所の総帥に挑戦状を突きつけた。引き分けた。だが、門人たちに叩き殺される。元・弁之助の武蔵は激怒した。京の一乗寺下り松にて遺恨試合となる。一人対二百人。武蔵は考えた。右手に刀、左手に鎧通しを持ち、先に叢で敵を待った。
  • 素浪人 宮本武蔵(六)〈餓虎の篇〉
    -
    宮本武蔵は、300人も斬った。斬り慣れた体が疼く。出雲・松江に足を向けた。暫く穏やかに生きたいが、武芸者の休息は死しかない。その頃、越前の剣豪・鐘巻自斎の高弟に、美男子で筋骨隆々の佐々木小次郎が出現した。三尺二寸の刀を背負い、京へ向かう。滅法強い。一方、武蔵は、またも師の仇討ちに勇む山伏らに狙われていた。二人の剣鬼の共通項は、素質か練磨か。
  • 相馬の牙
    4.5
    相馬藩士・刈谷兵介は、真剣を持つと狼になる。ある日、十二人の浪人を瞬時に斬り伏せた。藩の剣術師範・百目木一風斎は、この噂が気にかかった。二人の決闘が迫る。兵介は一風斎の娘・佳乃に惚れていたが、一風斎を一気に斬り裂いて脱藩した。追手が来る。やがて、流浪の身となった兵介と、佳乃の幼い弟・兵馬の対決の日が訪れた……。
  • 飛騨の牙
    4.5
    ある夜、高山藩士・時雨掃部は、酔って絡む浅井嘉三を斬殺した。雁金に一尺五寸、人間業とは思えぬ斬り方に、検死をした中条小三郎は驚く。一度、人を斬ると癖になる。掃部は浪人や山賊を斬ることで快感を覚えるようになった。やがて、浅井の遠縁にあたる目付・南野主水介は、掃部暗殺に討手を差し向けるが……。斬鬼と化した男の壮絶な死闘。「牙」シリーズ第五弾!

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