笹倉明作品一覧

  • 女たちの海峡
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    病床の父の最後の願いに涙がとまらない。失踪した父を探しに海峡を渡った女が知る、複雑な人生の軌跡――あなたのお父様、丁大吉さんはご健在でいらっしゃる……謎の手紙に導かれ、幼いころ失踪した父親を捜しに、海峡を渡った唐谷美弥子の韓国への旅。そしてそこで知る、複雑な人生の軌跡。日本・朝鮮の歴史の暗部を抉り、太平洋戦争から現代にかけて、時代の荒波に翻弄される親子二代を描く、重くて深い感動の小説。
  • 賢者の占術―殺しの相性
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    1巻550円 (税込)
    ひとりの中年女性が殺された。現場はマンションの1室。通報してきたのは、女の愛人だった。容疑者は複数。警視庁捜査一課の名物コンビ、岩海と坂野の捜査は難航。物証のない、証言、供述のみの心理戦が始まる…。人気占いサイト〈賢者の占術〉の〈相性占い〉が事件周辺の五角の人間関係をあぶり出し、真犯人逮捕の重大な手がかりを提供する! 直木賞作家・笹倉明による異色の占いミステリー。

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  • 遠い国からの殺人者
    5.0
    1巻478円 (税込)
    「男の人が倒れている」110番通報の女の声には妙ななまりがあった──。マンションで死んでいたのは大学を中退した無職の若い男。姿をくらましたのは同居していた外国人ストリップ・ダンサー。彼女の身に一体何が起こったのか。彼女はなぜ真の素性を偽らなければならなかったのか。「じゃぱゆきさん」と呼ばれた外国人女性たち、経済大国ニッポンの底辺に生きる彼女たちの姿が、法廷での関係者の供述から次第に明らかにされていく。感動の直木賞受賞作品。
  • 悲郷
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    友と学園に別れを告げ、日本を脱出した大学生・タケミ。秋の収穫期を迎えたイングランドの農村のファーム・キャンプで働く中で、さまざまな国籍の季節労働者と親しくなり、インドネシア育ちの中国人女性と愛を育てていく。祖国喪失の放浪者の厳しい身の上、人と国家のせつない現実を直木賞作家が描く、青春国際ロマン。異国でのせつない愛、集う若者たちの友情!
  • 漂流裁判
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    1巻468円 (税込)
    「強姦致傷および強姦罪──被告人を懲役三年六月に処する。」喫茶店ウェイトレスの知子からレイプで訴えられ、一審で有罪判決をうけた紺野喜一。真っ向から対立する二人の主張を、紺野の担当弁護士・深水耕介が丹念に確かめていくと、知子には他に男が、紺野には婦女暴行の前科が。転々とくつがえる知子の証言、事件の背後にチラつく喫茶店のマスター、店の常連客、厳格な知子の母親……男女の密室の“真実”に迫りきれるか!? 手に汗にぎる傑作法廷小説!
  • ブッダのお弟子さん にっぽん哀楽遊行 タイ発――奈良や京都へ〈影〉ふたつ
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    1巻1,980円 (税込)
    「何かと失敗や間違いの多かった人生に、その終盤に生半可、ではない決意が私には必要だった」。60代後半にタイで出家した直木賞作家に何が起こったのか…本書は、著者がタイ国、チェンマイの古寺にて出家して1年が経つ頃と、それからさらに1年半余りが経過した頃、寺の副住職と連れ立って日本を旅した記録であるとともに、生き直しへの決意表明でもある。古希の老僧(著者)と35歳のマザコン副住職のけなげで可笑しい珍道中は、文化や国民性、道徳観の違いが分かる「仏教文化エッセイ」といえよう。満員電車に戸惑い、街では女性を避けて歩き、東京タワーや新幹線にビックリ。東大寺や増上寺でご本尊に五体投地…タイ仏教の経文や戒律が日本仏教とは大きく違うことが読み通すことでよく分かる。全体にちりばめられた筆者の心境は印象に残る。母の生家でのタイ仏教式の追善供養のシーンは感動的。後悔、悲歎、絶望ののちに出家。そしてこれからの人生をどうするのか――新鮮な「団塊の世代」論ともなっている。

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  • 山下財宝が暴く大戦史――旧日本軍は最期に何をしたのか
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    タイで出家した直木賞作家が若き日に描いた衝撃のノンフィクション! 旧日本軍がフィリピンに埋めた大量の財宝は掘り出されていた! 最後の司令官・山下奉文(やました・ともゆき)大将の名を冠する、地下に隠匿された膨大な金塊やゴールデン・ブッダ像の謎……黄金伝説に命がけで挑んだトレジャー・ハンターたちの闘い。そこでは旧日本軍人、フィリピン国民、マルコス大統領とその一族、米国退役軍人……さまざまな人々の欲望と思惑が蠢いていた。 この書を通して、あの戦争はいったい何だったのか、旧日本軍は末期に何をやらかし、いかなる影響を後世にのこしたのか、という未だ解決しきれていない問題を考える縁(よすが)になることを願う。戦争なるものがいかに戦後においても罪深い後遺症を引き起こすものであるかの証は、ここにもあることは確かだ。そのことを理解することが、いかに心底から戦争を憎めるか、反戦の徒となれるかに関わってくるのだろう。……「復刻版のためのあとがき」より

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