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3.5ヴィルバック王国の王女アルレットには出来のよい兄と姉がいて、常に比較されていたため自分に自信がなく、控えめだった。そんなアルレットに持ち上がったのは隣国シュタール王国の新王テオバルトの縁談。テオバルトには苛烈な王座争いもあって粗雑で恐ろしいという噂がある。うまくやっていけるのか? 不安をいだくアルレット。それでも自分は王女、国のために頑張らねば! と心を奮い立たせて出立する。ところが道中の護衛についてくれた国境警備隊のヴァルト隊長と触れ合ううちに淡い想いを抱いてしまう。私はテオバルト王の花嫁になる者――ヴァルトを求めつつも、すんでのところで彼からのキスを拒み、貞操を守る。そして想いを封印して臨んだテオバルトとの結婚式。祭壇の前に立ったのはヴァルト? これはどういうこと!?
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3.6赤子の時に養女として迎えられたアンジェリカは、養父母から愛情をふんだんに注がれ、何不自由なく暮らしてきた。その後、子どもを諦めていた養父母にも授かったのがルカで、アンジェリカの自慢の弟。嬉しくて、可愛くて、率先して面倒を見たものだ。しかし、いつからか二人は歪んだ関係に。静まり返った夜半の屋敷の中でルカの働く無体に、アンジェリカは声を押し殺す。義弟と深い仲になっているなんて、絶対に知られてはいけない。ルカから離れようとするアンジェリカ。そのアンジェリカを執拗なまでに求めるルカ。お願い、ルカ、もう止めて、こんなこと。そう懇願しながらもアンジェリカの身体からは力が抜けていくのだった……。【著者紹介】園内 かな(ソノウチ カナ)2013年、オリジナルWEB小説を書き始める。2015年に書籍デビュー。愛猫にキーボードに乗られたりモニターの前で毛繕いされたりしながら原稿に勤しんでいる。代表作:『公爵さまのご寵愛は甘く淫らで意地悪で』『厳格なおじさまに求婚されて身も心も溺愛されるようになりました』
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-大企業の子会社で働く瀬里は、ある夜繁華街で酔っ払いを介抱した。整った顔立ちと高級スーツの組み合わせから、瀬里は彼をホストだと判断する。一晩の介抱後、名乗らずに立ち去った瀬里。ところが後日、彼は瀬里が落とした社員証を持って現れた。創と名乗った彼は、お礼がしたいと瀬里を食事に誘う。そして食後に、行く場所がないから瀬里の家に置いてほしいと言い出した。創に押しきられるかたちで、瀬里は彼と同居することになる。創は見かけによらず、料理が上手い。彼と暮らしていくうちに、瀬里は朝きちんと起きられるようになり、朝食を取る習慣も身に付いた。創の仕事はホストではなく営業だということも判明する。合鍵を作ったり、揃いの食器を買ったり、創との暮らしは居心地の良いものに変わっていった。そしてとうとう、二人は旅先で一線を越えてしまう。創は瀬里への好意を口にし交際を望むが、瀬里は一時の気の迷いと、それを受けいれられず……。