楠田悦子作品一覧
-
3.3※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。 また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 あらゆる「移動」の概念を再構築し、これからの社会のあり方までを変える「MaaS」について、 基礎知識から国内外の豊富な事例を交えて、わかりやすく解説します! 本書のテーマであるMaaSの中身については、このあと解説していますので、ここでは「言葉」にスポットを当てたいと思います。 MaaSがモビリティ・アズ・ア・サービスの略であることは知っている方もいるでしょう。直訳すればサービスとしてのモビリティとなります。やや漠然とした表現で、それが誤解につながるのかもしれません。 ただこのような言葉の使い方は、ほかにも数多くあります。例えばディープラーニングは、直訳すれば深く学習することになりますが、現在はもっぱらAI分野の専門用語になっています。 最近は講演などで、MaaSはオーケストラのようなものと紹介することがあります。オーケストラはバイオリンやクラリネットなど、個性的な音を出す多彩な楽器が演奏者とともに集まります。もちろん単体でも音楽を奏でられます。しかし作曲家によって異なる音がひとつの旋律に編み込まれ、指揮者のタクトに従ってひとつの楽曲を演奏することで、まったく違う音が生み出され、私たちを感動させてくれます。 しかもオーケストラは、素晴らしい音楽を聴衆に届けるという点では一種のサービスであり、多彩な楽器を統合することで新たな感動を生み出しているという点で、MaaSに通じると思っています。 これまでのモビリティシーンでは、鉄道とバスの優劣を議論するような場面が多かったと記憶しています。それはバイオリンとクラリネットの優劣を決めるようなものです。オーケストラはそれぞれの楽器が得意分野を活かして共演していくことで実現します。MaaSはそれに近い考えをモビリティに取り入れたものでもあるのです。 本書では図版を多用し、細分化は避け、実例を多く出すなどして、わかりやすい表現を心がけたつもりです。ひとりでも多くの方がMaaSに興味を持ち、展開のために役立てていただければ幸いです。 (はじめにより)
-
3.5話題のIT技術のしくみを解説する「60分でわかる!」シリーズの一冊です。MaaSとは,すべてのモビリティ(移動)を 1つのサービスとしてとらえ,モーダルな交通手段を提供する新たな「移動」の概念です。公共交通を軸に,環境にやさしく,文化的で持続可能な暮らしと地域づくりの実現というビジョンとともに,交通関係各社だけではなく,自治体,エネルギー,保険サービス,医療,金融,不動産,観光,エンターテインメントなど多くのビジネスを包含していく可能性を秘めたビジネスプラットフォームとして注目されています。本書では,MaaSの基本的知識からしくみや技術,現在の自治体や企業の取り組みまで,今後MaaS市場に関わっていくための知識が手軽に身につきます。