柳父章作品一覧

  • 翻訳語成立事情
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    かつて、この国に「恋愛」はなかった。「色」や「恋」と区別される“高尚なる感情”を指してLoveの翻訳語がつくられたのは、ほんの一世紀前にすぎない。社会、個人、自然、権利、自由、彼・彼女などの基本語が、幕末―明治期の人びとのどのような知的格闘の中から生まれ、日本人のものの見方をどう導いてきたかを明らかにする。

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  • 日本語をどう書くか
    4.0
    日本人は二つの日本語を使い分けている。古来受け継がれてきた日常の「話し言葉」に対し、外国文化を直訳し理解するために作られた人工の「書き言葉」。よい文章を書くには、その決定的な違いを知ることが不可欠だ。句読点や段落の切り方、語感の豊かな言葉選び、文末語の変化が生み出すリズムや余韻――。言文一致という幻想を疑い、ホンネとタテマエの文化的二重構造に切り込む。近代日本語の誕生から解き明かす異色文章読本。

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