工藤律子作品一覧

  • 能力2040 AI時代に人間する
    5.0
    教育基本法「改正」から10年を経て、日本の教育は一層「人材」養成に重きを置き、一定の子どもたちが「問題のある子ども」、「困難を抱えている子ども」へと分類されていく。かれらは「支援」の対象となり、排除された上で現状の価値尺度への適応を求められる。これは国際的な動向でもある。 「できる―できない」の軸で人びとを判断しようとする価値観は、それに基づく格差を正当化するだけでなく、むしろ平等を実現していると見られている。 戦後最大の殺人事件と言われた相模原障害者施設殺傷事件と、始業式の日に子どもの自死が最多となる「9月1日問題」。2つの深刻な事態に共通する問題こそ「能力主義」なのである。 本書では、人びとが能力主義を疑わずに受け入れるメカニズムを解明し、その呪縛から解かれたあとの社会を想起する。
  • 働くことの小さな革命 ルポ 日本の「社会的連帯経済」
    3.2
    資本主義に代わる次世代の経済として、EUを中心に今、世界で推進される「社会的連帯経済」。みんなが経営者となって働く労働者協同組合、NPOや社会的企業、地域通貨など利益追求を目的としない組織が連携し、新しい経済圏を形作る経済を指す。そこにあるのは「競争ではなく自分らしく」「会社ではなくコミュニティのために」という働き方だ。世界の格差・貧困問題を取材し続けてきたジャーナリストが日本各地での取り組み・事例を紹介。資本主義によって失われた人のつながりや小さなコモンを育む人々を描く、希望のルポルタージュ。
  • マラス 暴力に支配される少年たち
    3.3
    中米にはびこる凶悪なギャング団「マラス」。主力メンバーは、全身にタトゥーを入れ、殺人や恐喝、麻薬取引などの犯罪に手を染めている。しかし、そこに関わる者の多くが、実はごく普通の青年だ。悪行の数々は、極貧のもと、親に守られず居場所を失い、追い詰められるなかでみつけた“生きる術”にすぎない。残虐性ばかりが強調されてきた彼らの真の姿に迫る第14回開高健ノンフィクション賞受賞作。

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