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トム・ジョウンズ
ある日、大地主オールワージの屋敷で捨て子の赤ん坊が見つかる。赤ん坊はトム・ジョウンズと名づけられ、トムは大地主の養子として、大地主の妹ブリジェットの息子ブライフィルとともに育てられる。トムは隣家の地主の娘ソファイアと相思相愛になるが、ソファイアは両家の親によってブライフィルと婚約させられていた。陰謀家のブライフィルはトムを中傷して家を追い出してしまう。トムはロンドンへ向かい、ソファイアも家を飛び出し後から追いかける。だがトムは行く先々で女性たちに言いよられ、決闘騒ぎに巻き込まれたり、波乱に満ちた暮らしをおくる。最後にトムが本当はブリジェットの息子であったことがわかり、トムはソファイアと結ばれる。小説のおもしろさを満喫させてくれる作品といってよく、モームは『世界の十大小説』の一つに挙げている。 -
トリストラム・シャンディ
「破天荒な小説」という言葉がぴったりの18世紀のイギリス文学の古典。「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」というのが正式なタイトルで、当然ながら語り手はトリストラム氏なのだが、そもそも話は母親の受胎から始まり、やっと誕生してもすったもんだのすえに名前が決まるまででも、たいへんな時間がかかる。途中で話題は突然わき道に脱線して、それがまた別のわき道へと続き、なかなか元に戻らない。かと思うと、真っ黒なページや真っ白なページ、マーブルペーパーのページ、抜けている章などが出現する。だが、父親のエピソード、伯父トウビーとその昔からの従卒トリムの物語など、脱線しても個々のエピソードは十分におもしろく、語りは絶妙で、終始笑える。夏目漱石はこの作品について「シャンデー程人を馬鹿にしたる小説なく、シャンデー程道化たるはなく、シャンデー程人を泣かしめ人を笑はしめんとするはなし」と書いたが、漱石の「猫」にはその影響があるとも言われる。 -
翻訳の常識 ――読解力から翻訳力へ
「翻訳の神様」が説くその極意 豊富な文例で英文解釈から翻訳までの道筋を示す 真にすぐれた翻訳とはいかなるものか。達意の訳文で知られる英文学者が、豊富な実例と解説を通じて読解から翻訳までの道筋を説く。解説 山本史郎 === 翻訳は、「与えられた英文の意味するところを正しく把握理解する作業」と「その理解しえたところをなるべく適確な日本語で言いあらわす仕事」という二つのプロセスから成る。では、真にすぐれた翻訳とはいかなるものか。本書では、達意の訳文で知られる英文学者が、読解から翻訳までの実際の道筋を説く。前半では、第二言語として英語を学習することや英文読解の秘訣について自身の体験も交えつつ大胆に語り、後半では、文学作品を中心とする例文に解説を施す形式で、英文を適切に理解し、それを翻訳する手順を懇切丁寧に論じる。すべての英語学習者が読むべき不朽の翻訳指南書。 【目次】 はしがき 第一部 読解力養成のために I. 昔ばなし II. 会話の問題 しゃべる英語 III. 読解力の養成(1) 外形的方面 IV. 読解力の養成(2) 論理的に考えるということ V. 読解力の養成(3)‘A boy is a notebook.’――柔軟な頭を VI. 一応のしめくくりと演習と 第二部 英文の解釈から翻訳へ I. 英文解釈ということ II. 文学作品の翻訳 解説(山本史郎)