綿貫芳子作品一覧
-
4.1怪異に好まれる男・片桐甚八と、“オバケ先生”と呼ばれる好事家・原田織座。“あちら側”に縁ある男ふたりの、不思議と恐怖と好奇心の見聞録、はじまり、はじまり。
-
5.0「かげさん、どした?」 「山口さん家入って人が死んだ」 「かげさん、今日は?」 「宮前さん家入ってまた死んだ」 「かげさんって誰なの?」 「ののさま」 子どもに憑いて死を運ぶ〈影〉と、死亡事故が多発する道路との因果 戦慄奇怪な実話取材録! 怪談収集家・煙鳥が体験者から聞き取りした怪異を自身で綴るほか、気鋭の怪談作家二人が煙鳥に再取材する形で記す異色の実話怪談集。 ・北海道で起きたヒグマの怪死事件。猟師が目撃した畏怖なる力とは…「チ・コッ・テレケ」 ・アパートの部屋で男の声で聞こえる謎の単語。意味も不明だがある日、聞こえ方に変化が…「へふぁいもす」 ・母方の血縁者が何人も同じ夢を見る怪現象。襖からのびてきた手が足を掴み引きずられる、その意味は…「襖」 ・柱の中、壁、床下に鏡が埋め込まれていた類似の目撃情報。何かを封じているのかそれとも…「鏡柱」 ・瞼の裏に浮かぶ男の泣き顔。祖母から譲り受けた形見の箪笥との因果…「瞼の男」 ・幼い頃、田舎の家で出会った男の子と裏山で遊んだ記憶。大人になって疑問が…「裏返る夏」 ・東北の集落で年に一度行われる男子禁制の秘密儀式。禁を破って潜入した男が見たものは…「女祭り」 ・子どもの影に憑いて移動する〈かげさん〉。かげさんに入られた家からは必ず死人が出るのだが…「ののさまのたたり」 他、膨大な取材録の中から厳選した不気味で奇怪な恐怖譚24話収録!
-
4.0「彼女として完璧なのに、その歯だけ反抗的なんだよな」空気を読んで言いたいことを飲み込んでしまう椎葉は、彼氏からコンプレックスの歯並びを茶化されても曖昧に笑うばかり。“言えないきもち”は積み重なり、校舎裏で本音を叫ぶ椎葉。しかしタイミング悪く美術部の伸に聞かれてしまい、デッサンのために歯を触りたいと言う伸に協力することに。半ば脅されて始まった伸との関係だったものの、ありのままでてらいのない伸と過ごすうちに、彼の前だけでは素の自分を出せるようになっていき…?オリオリスープの綿貫芳子最新作!少年少女のひと夏を描く、未熟な歪さが美しい青春群像劇。
-
-「“にょにょさま”って誰なの?」 怪談×漫画×考察が生む、新たな恐怖。 謎の存在=にょにょさまから我が子に渡され続ける二十円。 二十は二重? 積み重なる円=縁が結ばれる先の恐怖とは――!? 怪異を考察し恐怖を炙り出す新たな恐怖夜話! ★曰くつきの怪談「因果」とは? 日本海沿いの漁師町。 幼い娘が「にょにょさまにもらった」と十円玉を二枚、握りしめて帰ってくる。 「にょにょさまって?」 「にょにょさまは◎△$♪×¥●&%#?!だよ」 娘は笑顔で答えるのだが、なぜか母の耳には肝心の部分が聞き取れない。 娘の声がそこだけ、まるでテープを逆回転しているような音になって聞こえる。 何か変だ。 Aさんは気になりつつも娘の手から十円玉を預かり、ぶたの貯金箱にひとまず入れておいた。 そんなことが一度きりでなく、それから何度も何度も続いた。 それこそ、ぶたの貯金箱がずっしりとしてくるほどに。 ある日、魚市場で娘が歓声をあげた。 「にょにょさまの赤ちゃん!」 小さな指が差す先にあったもの。 それは「ホヤ」であった……。 はたして、にょにょさまの正体とは何なのか? 二十円に込められた意味とは? 稀代の蒐集家・斉砂波人の曰くつき怪談「因果」を『となりの百怪見聞録』の綿貫芳子が漫画化! 3人の怪談作家がそれぞれの視点で怪の真相を考察する冒頭企画のほか、斉砂波人の取材した怪異を、斉砂本人と高田公太と吉田悠軌がそれぞれの解釈で紡いだ深怖い恐怖譚三十篇を収録。 聞き書き怪談の本質に迫る革新的恐怖体験がここにある! ★斉砂波人より読者の皆さんへ 本書は僕が聞き集めた怪談を僕、吉田悠軌氏、高田公太氏、そして漫画として綿貫芳子氏の四人で形作ったものです。 僕が体験者・関係者から聞いた話を彼らに話し、三人はそれぞれの視点でそれを漫画や怪談の形に紡いでくれました。 本書の意義とは、怪談とは伝聞で伝わるものであることに由来しています。 人から聞いた怪しい話をまた次の人へと語る、書く、描く。 その途中で口を動かす者、手を動かす者がそれぞれの琴線に触れた部分を強調し、そうでない部分が削られ、新たな形を成していく。 その瞬間こそが〝怪談が生まれる瞬間〟なのです。 皆様も本書を読んで、是非語りたくなった怪談を探し、そっと誰かに話してみましょう。 きっと、そこには怪談の大いなる愉しみが待っています。