曽野綾子 - 講談社作品一覧
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4.0新鮮清澄、才気迸る源流の光景。初期の代表作7篇収録――進駐軍の接収ホテルで働く19歳の波子の眼をとおし、敗戦直後の日本人従業員と米国軍人らとの平穏な日常が淡々と描かれた、吉行淳之介の「驟雨」と芥川賞を競い、清澄で新鮮な作風と高く評価された出世作「遠来の客たち」をはじめ、「鸚哥とクリスマス」「海の御墓」「身欠きにしん」「蒼ざめた日曜日」「冬の油虫」、表題作「雪あかり」を収録。才気溢れ、知的で軽妙な文体の、初期の作品7篇を精選。 ◎「ここに集められた作品はすべて、壁の手前の若書きの作品である。この頃以来半世紀間、私は書き続けて来た。平均して一年間に二千枚、それより多い年も少ない年もあるけれど、多分トータルで十万枚は書いたように思う。十万枚、絵でも書でも書けば、どんな凡人でも一つの世界は作るだろう。源流の光景を見て頂くのは、申しわけないが、光栄である。」<「著者から読者へ」より>
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4.3・「ここ数年の私の本の中でも会心作!」「この本を知っている限りすべての政治家や財界人に送って読ませたい」と曽野綾子さんが語るほど、納得の一冊に仕上がりました。 ・砂漠の民であるアラブ人は、自分たちのテリトリーを守るために、危機管理能力、他人との交渉術に長け、人を見抜く力=人間の目利きが、どこよりも傑出した人々です。 ・この人間は信用するに足るかを見抜く目/自分の考えを押し通して、相手を動かせてしまう交渉力/危機を察知し、遠ざけるリスクマネジメント能力/クライアントと揺るぎのない関係をつくる人間力、そして部下、ファミリーを守る包容力/老人の知恵を尊重する高齢化社会対応の生き方/「インシャー・アッラー(神のみぞ知る)」の究極のポジティブ・シンキング……これまであまり知ることのなかったアラブの民の賢くたくましく生きる知恵を一般実用書としても役立てるように構成しました。 ・自身、サウジアラビアをはじめ、数多くのアラブ諸国を旅して、関連著書も多い曽野氏と、エジプト考古学の第一人者の吉村作治氏が縦横無尽に「アラブに学ぶ人生の目利き」となる方法を語り合い、1970年の大ベストセラー「日本人とユダヤ人」にも匹敵する生き方指南書「日本人とアラブ人」の完成となりました。
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3.9夫・三浦朱門はある日、崩れるように倒れた。私は日々刻々と夫の精神活動が衰えるのを感じた。その時から、覚悟を決めたのである――。作家・曽野綾子が80代なかばにして直面した、90歳になる夫の在宅介護。「介護とは」「看取りとは」そして「老いとは何か」を自問自答する日々が始まった。すべての日本人に知ってほしい、夫婦の愛のかたち。
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4.0
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-あまり人のいかないハイキング・コースの途中で病気になった楠田は、一軒の草深い古別荘に犬と住む由緒ありげな女に、一夜介抱された。その妖しい魅力にひかれ再び訪ねた楠田と、女は「お茶でものむように」交わる。一方、楠田の恋人・順子は、片貝助教授を知り、その家柄や名声に酔わされる。片貝を取り巻く女性は多い。彼は、財界に名の通った湯浅社長の娘・治子を選び、結婚式を挙げるが、新婚初夜を待たずに、治子は伊豆の別荘から恋人・昭夫と脱走する。そのとき、片貝がそこで幽霊のように見たのは、教え子の楠田に付添われて立つ古別荘の女であった。俗物への諷刺をこめて、愛と真実を追求する長編小説。
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-暁子は、手術直後の苦痛に歪む秋山の唇に、しずかに自分の唇を重ねた。秋山の胃ガンが絶望的な状態になっていることを知った彼女は、そうすることだけが、友だちとしての祈りであり、励ましであると信じたからだ。彼女自身も、郷里の家の束縛を逃れた東京での彷徨によって、心に深い傷を負っていたのだが……。暁子の冒険にみちた経験をカメラ・アイとして青麦のように、あざやかな色とむんむんする匂いを持つ、折れやすい若者たちの愛と真実を捉えたこの作品は、人生の地層を流れる清冽なものを、多彩な手法で探った、青春文学の名篇である。
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-映画スター・千坂京子は、無名だった頃、お金のためにヌードを撮らせたことがあった。教育のない彼女は、人一倍知的なものに憧れたのに、世間はその1枚のヌード写真のために、彼女に肉体女優の烙印を押した。京子は、あるときは烙印の痛みから逃がれるために、あるときは自分が高められると信じて、つぎつぎに、男の胸の中に顔をうずめた。男たちは、それぞれに、彼女の中に光を放っている純粋さを知っていた。しかし、京子の魂は、どの男によっても、安らぐことができなかった。……幸福を空しく追い求める美貌の女の短い生涯を、乾いた叙情で歌いあげた名作!
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-大学の医学部教授・仁王慶一郎は、主治医として、国光家に行くことが多かった。彼は、国光夫人・安芸子の、憂いに耐えた姿に、惹かれることがあった。ある日、仁王は、その秘密に、かかわりを持つ。主治医としての立場に、とどまることができなかった彼が、その秘密の糸をたどって行くうちに、戦争の前後に起こった、幾つかの悲しいできごとが甦ってきた。しかも、それらは、彼自身の家庭とも、関係があった。八丈島、熱海、九州・飫肥という3つの火山地帯を結ぶ、愛と憎しみの歴史を描きながら、現代に失われた心の問題を、執拗にさぐった、清冽な美しいロマン!
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-神保羊子は、雑誌の編集の仕事をしている。取材で知り合った作曲家・郷雪生の、芸術家ぶらないナイーヴであたたかな人柄に魅かれ、病気で寝込んだ郷を放っておけずに、徹夜で看病する。その夜以来、郷の胸のなかにも、羊子の姿が強く灼きついて、お互いに愛しあうようになる。そして、結婚の約束をしたふたりの前に、郷が貧乏な留学生であった昔の恋人の密石麗華が、今は実業家の国分夫人となって出現する……。虚偽を許さない若い娘の心に写った「傷ついた世代」の苦悩を通じて、つねに裏切り合いながら救いを求めている、人間の魂の深部とさまざまな愛の想いを、鮮やかに、綿密画のように描きあげた長編小説。
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-静岡・清水港が見える斜面に腰を下ろし景色を眺めている、3人の女子高生。といっても卒業式は昨日終わっていて、一人はお見合い結婚が決まっていた……。彼女たちの恋愛と成長を描いた表題作と、「永遠の横顔」を収録。
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-芳土女子大学の学生である佐藤ノミエの綽名は、キャンパス110番という。キャンパスは、校庭の意味。事ある所には、彼女がいつもパトロール・カーのように現れて、あざやかに事件を解決していくからだ。粋で、おしゃれで、冒険好き、行きずりの男の子とのキッスなんかへいちゃらで、適当に正義派で人情家で、気はやさしくて合気道の達人というノミエが、東北出の重タンクを思わせる松子と組んで、手当たり次第に演じるボーイ・ハントのアバンチュール、笑いと涙のタッグ・マッチとは……。青春の息吹にむせる、生きのいい現代娘のスカっと胸のすくような無責任行状記。