花村萬月 - 集英社文庫作品一覧

  • アガルタ 上巻
    3.5
    伊賀には表と裏がある。八劔なる裏伊賀の忍者たちは、血を掛け合わせて人材を生み出す謎の集団。元和5年、八劔に美しく能力を備えた赤子・錏娥哢〓(あがるた)が誕生する。忍びの技を修練し、見目も麗しく成長。いくつかの旅で男たちと交わり、ますます妖しく輝きを放つ。寛永14年、錏娥哢〓(あがるた)は天草四郎時貞を追って島原に潜入する。島原の乱異聞ともいうべき、破天荒、前代未聞の忍者小説、ここに見参!
  • 風に舞う
    4.8
    俺の求めているのは本物のブルースだ――。本当にやりたい音楽のために、売れ筋の人気バンドを解散し、ビル清掃のバイトで食いつなぐミュージシャン・武史。彼はある日、作家志望の生意気で美しい女子大生・操と出会う。決して妥協せず、理想を追いつづける苦悩の日々。そして烈しく求め合う愛の行方は……。芥川賞作家・花村萬月が凛々しく描く青春音楽小説の傑作。
  • GA・SHIN! 我・神
    -
    東京の片隅でホームレスの謝花に拾われた少年、臥薪正太郎は500円玉を無限に生み出せる特殊能力を持っていた。少年に成長した彼の力と触媒役の謝花を宗教ビジネスに利用しようとする「高階組」幹部、榊原の謀略により、二人は沖縄へ導かれる。やがて対立する臥薪と謝花。それは人間の想像を超えた神と悪魔の壮大な地球規模の闘いにまで発展する。宗教とは? 善悪とは? 芥川賞作家が描く、五感に訴えるディテール描写と想像を超えるスケール感で揉みくちゃにされる幻の傑作SF叙事詩。文字表現の到達点の極致!
  • ゴッド・ブレイス物語
    3.8
    【第2回小説すばる新人賞受賞】朝子は、活気あふれる19歳のロックシンガーだ。ライブで人気を集めるバンドを率いている。騙されて行った京都で、そんな彼らが遭遇する愛と冒険の日々…。切ない恋心に胸を焦がしたことのある人なら、自分の不誠実な生き方に後ろめたい想いを抱いて生きている人なら、読んで涙せずにはいられない、花村萬月、鮮烈のデビュー作!
  • 渋谷ルシファー
    4.1
    桜町は、いま渋谷・道玄坂でルシファーというバーをひらいている。そんな一夜…映子18歳が突如、訪れたことから、桜町みずから封印していた苦い出来事が強烈によみがえる。迷路にはまりこんだ青春、凄絶で不器用な愛と別れ――。さまざまな恋のありさまを、ブルースの旋律にのせて描く。
  • 虹列車・雛列車
    5.0
    青年よ、旅に出よ――。大学生の「僕」は、学園祭で講演に来た「花村」という作家にそそのかされて、北への独り旅に出かけた。旅先の下北半島で「僕」は様々な光景に出会い、成長していく。一方、作家である「私」は沖縄をさまよっている。ユタと出会い、色街を歩き、娼婦たちと関わり…。北へ、南へ、旅を続ける男たち。神宿る風景を素描し、「私小説」を擬態した傑作短編集。
  • 花折
    -
    鮎子は画壇の重鎮である父に英才教育を受けて育ち、東京藝大へ。利根川に臨む取手キャンパスで、裏山に住むイボテンという男と出会い、性に塗れた日々を過ごす。夏休みには実家に寄寓する小説家・我謝と沖縄へ。男を知り、取り込みながら画家として覚醒しようとする鮎子の変化を父は見抜いていた――。流麗な文体、混沌の描写、深奥の含意。ひとりの画家の人生を通し創作の本質に迫った長編小説。
  • 日蝕えつきる
    3.5
    天明六年、来るべき皆既日蝕を背景に起きた、男と女の残酷物語。暗黒の極限、無惨な生死を描いた、渾身の時代小説集。女は軽井沢宿で飯盛女をしていたが、江戸に逃れて夜鷹となり、唐瘡に罹ってしまう(「千代」)。歌舞伎の戯者になることを希う男児は、京から下り、希望とは裏腹に江戸の陰間茶屋で育てられることに(「吉弥」)。濡れ衣の人殺しで入牢した男は覚悟の準備をしていたが、そこで地獄の光景を目にし、自らも責問を受ける(「次二」)他、鬼気迫る五つの暗黒物語。
  • 風転 上
    -
    1~3巻715円 (税込)
    大学受験に失敗した諸口ヒカルは、有名作家である父親に抑圧され、鬱屈した日々を送っていた。恋人の萌子とオートバイだけが救いだった。しかし、萌子が妊娠してしまい、追い打ちをかけるように、父の盗作事件が発覚する。そして、ついにヒカルの鬱屈は臨界点を超えてしまうのだった……。風に吹かれて、転がって、痛いほどに純粋な青春が鉄馬に乗って、走り出す。行く先は、再生か破滅か?

最近チェックした本