名称未設定さんのレビュー一覧
-
ネタバレ 購入済み
主人公の決意に落涙不可避!
前話の急転直下の続き。起承転結の転の回。
今作はギャルゲーをモチーフに描かれているが作者森下真央氏が仕掛けた視点の取り方に読者である我々はただただ驚かされる。ギャルゲーをメタ視点で分解して、キャラクターに感情移入を促している。
最初はギャルゲーのプレイヤーであるタダヒロの視点。ギャルゲーの世界に入り込んでヒロインたちからモテる主人公になるはずがヒロインの一人、こころになってしまった。読者はタダヒロを応援し、フラグを回避しろ、と念を送っていた。すなわちギャルゲーの世界観からやや外れたところから見ていた。
タダヒロはあくまでヒロインこころの体に一時的に入っていただけ、常にヒロインこころの意識はそこにあった。それが前回と今回で明らかになる。
メタ視点でのネタバレをしつつも、こころの「出てって!」はメタ視点で見ている読者に向けられたものではないだろうか。ずけずけと彼女の世界に入り込んでいたのは我々ではないだろうか。
こころとタダヒロが対峙し、そしてクリアするため、こころとタダヒロはこころルートを取る。
この時、読者はタダヒロを応援しているのだろうか、否、こころとタダヒロ二人を応援している、否、果たしてそうだろうか。もはや読者もタダヒロと同じくヒロインこころの体に入っているのではないだろうか。出ていってるのではなく、一緒に走りだしてるのではないだろうか。
漫画を読んでいるのか、それともその一部となるのか。
エンディングはすぐそこにある。森下真央氏の労作を最後まで楽しみたい。