ブロンズ
レビュアー
  • ロックマンさん(3)
    ネタバレ 購入済み

    読めば読むほど

    3巻完結ですが、個人的には内容が濃く、随所に笑いが散りばめられていてコンパクトながらもしっかり読み応えのある作品でした。
    テーマとして「大人になったロックマン」という部分もきっちり描写されており、話のまとめ方も含めて完遂出来ていたと言えるでしょう。
    個人的に最終局面とラスボス、その思想までよくできていたと感じていて、大まかな流れはロックマンX4のシナリオを彷彿とさせつつも、より慎重で理性的かつ平和を重んじたもので、ロックマンが尊重することに無理がないものでした。
    その後の世論の動きなど、リアルな大衆心理をしっかり描写することで人間の罪深さ、愚かさを感じさせつつも優しい人達もいるのだという、世の中まだまだ捨てたもんじゃないさ!という爽やかな締めは非常にスッキリとした読了感を与えてくれました。
    また、各キャラの掘り下げがしっかりしていて、どのキャラも印象が強く残り愛着が更に増しました。ガッツマンの豪快さ、クイックマンの生真面目さ、エンカーの不器用ながらも自分なりに生き方を考えて頑張る姿等々……。
    原作を知らなくてもシナリオ部分だけでも良く出来ているので総合的に完成度の高い作品だったと、僕は思います。
    とても面白い作品でした、完結お疲れ様でした!

    #深い #シュール #共感する

    0
    2025年12月31日
  • 86―エイティシックス―Ep.12 ─ホーリィ・ブルー・ブレット─
    ネタバレ 購入済み

    自由と平等の酷薄さ

    今回の話はこれまでに比べてもかなり面白いテーマであったと思う
    自分は作中で表現されるところの羊としての素質と王としての素質を半々くらい持っていたらしく
    どちらの言い分も分かってしまい、脱走兵達の不平不満に共感すると同時に、連邦軍人達のように呆れと嫌悪感も抱きながら読んでいた
    悪者になりたくないから、無能は何もするな、という残酷な本音を言いたくないだけの卑怯者という言葉は読んでいて思わずハッとさせられてしまい、思わずその前後の文章を何度も繰り返して読んだほどだった
    その後のミアロナ中佐の本音もまた、彼らの行動を嫌悪しつつも押し付けられた自由と平等の残酷さに振り回される羊への哀れさを悼むもので、それがどこか自分にとっても救いを得られたような気分で今までとはまた違う意味で強烈に印象に残った

    一方で同じような元農奴出身でも諦めずに中隊長の
    言葉を信じて必死に避難民を守り抜いた兵士の心情の吐露は短くまとまっていながらとても心を揺さぶるものだった
    不安に挫けそうになるだろうことを見越して彼らがそれでもなおヒーローとして歯を食いしばれるようにと残した言葉とその後の泣き崩れた兵士のくだり
    人間の善性の美しさ、弱くてもそれでも出来ることを果たそうという尊さ
    それらがコンパクトに、とても美しく描写されていたと思う。個人的にはこの巻でのベストバウトはここだと言ってもいい

    もしも、信じた者が優秀であれば、脱走兵達もまた違う未来があったのだろうかとも考えた
    トーチカに籠った兵達は中隊長によって使命を与えられ、信じるものを与えられ、誇り高き軍人としての誇りを自覚させてもらえた
    この差は非常に大きいものであったと思う
    死してなお支えとなり兵達を守り抜いた中隊長と、死ぬその瞬間まで結局は保身に走ってしまったノエレの対比は極めて残酷に感じる
    誰もが強くあれるわけではない。ノエレの行動は愚かで嫌悪すべきものだったが、私は彼女を痛ましく思う
    無能であることは罪だと思う。しかしそれを当人が自覚したところでどうにかなるものでもなく、自己責任の一言で片付けられてしまう自由と平等の美辞麗句の酷薄さもまた真理であると思う
    一方で己の無能を他者のせいにする無様さもまた嫌悪されて然るべきであると思う
    自由と平等、強く生まれた者、弱く生まれた者
    改めて考えさせられる1冊だった

    #切ない #感動する #深い

    1
    2023年02月14日
  • がっこうぐらし! 12巻
    ネタバレ 購入済み

    キチンとまとめた

    ゾンビ物の作品というと大抵最初のインパクトが強くて、あとはしりすぼみ、終わり方は最低ということが珍しくもないが、今作はやや駆け足気味ながらもキチンと読者の求めていたものに応えたという感じがする
    なんだかんだ諦めずに未来を見据える若者というのは良いものだ

    しかしながら、元凶が日本の一地域からだというのに、恐ろしい速度で世界中に広まっている点については結局なんら説明はなかったのは少し残念。まぁ、主人公らの本筋的には大して関係ないし、他の支部でもこちらと同様に安全意識が欠落していて同じことが起きたのだと解釈することは出来る。特段素早くも賢くもない、女子高生ですら倒せるゾンビ相手に軍人がやられてるのはどうなんだとか細かいツッコミどころは多々あるが

    とはいえ、終始作画が乱れることもなく、主人公を中心とした心理描写や恐怖演出に関しては非常によくできており、上述の不満点は忘れてもいいかなと思えるくらいの迫力は非常に良かった
    終わり方も綺麗に締めたので総合的に☆5を贈りたい

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    2020年01月17日