漫画の正道を見た気がする…!
(作品そのものの感想は書けませんでした、、、)
最近では、沢山のBL誌があり、「萌え」も細分化されていルような気がします。作家さんも次々と新人さんが挑んでくるわけで、ジャンル的には爛熟していると言えるのかなー、と、BLのことを思っていました。しかし正直、裾野が広がった分、技術化というか、パターン化というか、してしまった感があり、今ひとつ、気持ちを持っていかれるような、はまれる作品、作家さんがおらず(年取ったのかなー(笑))と感じていました。
(とはいえ、『囀る~』とか『落語心中』とか、とても好きな作品もありますし、『大奥』などは、BLというジャンルがあったからこそ出てきた歴史的結実...続きを読むともいえる素晴らしい作品だと思っています)
そんな中、タイトルだけは何度も耳にしたことがあったけれども、絵があまり好みではなくて読まずに来た本作を、電子書籍の気軽さで購入してみたところ…、「やおい」と呼ばれていた頃に出会った作品群を思い出させる、濃厚なドラマに、作品世界に引き込まれてしばらく出てこられませんでした。
本作は、ジャンルの狭い区分内での前提を抜きにした、「漫画」のひとつの王道を堂々と歩む、まぶしいほど立派な作品だと思います。なので、いわゆる「BL」を読まない人にでも、漫画がとても好きな人にであれば勧められる、そんな、なんだか不思議な作品です。
逆に言えば、自分が(特に最近の)「BL」を読むときに感じていた違和感、または無意識的に共有させられているルール。これらを可視化するような働きがあるように思います。
作品そのものへの感想とは別に、この作品を発表年からは幾分年数を経た今読むことで見えてくる(ような気がする)色々も、とても興味深いと感じています。