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ネタバレ 購入済み
天才に出会った凡人たちの話
主人公とは得てして特別なものであり、特別なものであるということはつまり他とはありとあらゆる扱いで一線を画すということである。
それは、言ってしまえば主人公が「唯一作品の外にいる」としてもいいということである。
この漫画は鮎喰響の物語ではなく、鮎喰響の周りの人物の物語だ。
読者は響ではなくその周りに共感を覚え、胸を痛みつけられるだろう。それがはっきりとわかってくるのがこの巻からだと思う。
だから、響の小説の凄さが全くわからなくても響の暴力性に嫌気が差しても、極端に言えばそんなものは関係ないのである。
鮎喰響は主人公であり普通の主人公ではないということを念頭に置いて読めば、それな