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何を信じるか、というお話
異端の中でもまた神への信仰や解釈のあり方が細かく分かれていくのが面白い。日本では一神教の感覚が理解しづらいから、古い話でありながらとても新鮮に見える。
現代の日本に生きる僕たちからしたら、得体の知れないものに命をかけ、人生を賭しているのは滑稽にすら感じてしまうかもしれない。でも、神がいる科学的証明ができないように、神がいない科学的証明ができない以上(そもそも科学で神を認識できない前提があれば無意味だが)、どちらが正しいも無い。やはり、無神論者や多神論者は、「たった一人の神などはいない」と信じているに過ぎない。
何を信じているかで、これほど人生が変わっていく時代も珍しいのかもしれない。だから作者