浅瀬さんのレビュー一覧

悪い意味で気になるシーンが多い

代表的なのが、ネコ科っぽい獣人の指の股から爪が生えてるコマ。結構大きなコマで明らかに手（前足？）の指と指の間から爪が生えてる。ちなみに同じ巻の中で指先に爪が移動してる。
獣人繋がりで、白目の大きさのせいか時々すごく違和感のある表情をしてる。
他にもコスプレイヤーだと思ってる相手の人となりを信じてるか信じてないのか分からない返答をしたり、ヘアセットに関するあれこれがなく手間と時間のかかりそうな縦ロールを即座に復元できたり、その他諸々、説明不足や粗を特に気にせず確認もせず出したような作品。
なお、一巻範囲ではスローライフはありません。

いっぱい食べる君が

ある日突然ネット上に現れた、脂でテカテカに光ってる綺羅星みたいな作品。
平均カロリー3000オーバーな不健康飯をたいした味の感想も美味そうな顔もなくただ掻っ込むグルメ漫画と呼んでいいのか分からない作風だけど、主人公の望月さんが見せるコミカルな狂気と行き過ぎてるけど共感できる「これは仕方ないよね」という欲望への妥協、本人からすれば笑い事じゃない状況だけど笑ってしまうアクセルベタ踏みな限界感、食に色々なものを狂わされてそれでも最後は食に救われるという意味では望月さんを通して彼女なりの形で食と向き合った漫画なのには違いない。
脳裏をチラつく死の影を理解しながら、それでもいっぱい食べる君が好き。でも健...続きを読む康には気を付けて。

読みづらい

コミックス版を追っていたので読んでみたけど、横開きだから表現出来てたテンポの良さがすべて無くなってると感じる。スマホで読んでるけど、スマホ画面に収まりきれないシーンがあるのも気になる。
タテヨミ自体に苦手感は無いけど、個人的に縦読みで追うよりはコミックスで追った方が楽しめそう。
原作からの追加ページもあるみたいだけど、それを踏まえてもコミックス版だけでいい。

30年目の巨大ヒーロー！

かっこいいコスチュームも、洗練された武器も、華やかな必殺技もない
作業着と軍手と拳骨で30年間襲い来る怪獣と戦い続けた生身の巨大ヒーロー、後醍醐ダイゴ
一見泥臭くて時代遅れなスタイルだけど、だからこそ確かに感じる巨大ヒーローとしての生身の「大きさ」「強さ」「頼もしさ」が魅力
30年分の知識と経験で後進に対して「巨大ヒーロー」を見せるのもおじさんならではの立ち回り

強くて、デカくて、頼もしい、現役30年目の巨大ヒーローの物語

巨大ヒーローと家族の物語

記憶喪失の怪獣ジュウゴと彼の保護者である豊川さん。
怪獣との戦いで妻と娘を失った仁印大臣。
二組の家族の話が収録された2巻。

特に仁印大臣編が全部入ってるのは嬉しかった。
怪獣との戦いで負った傷は仁印大臣が巨大ヒーローだったからのものだけど、その傷が癒えるために必要なものは仁印大臣が巨大でも人間だからのものという、この世界の巨大ヒーローの地続きな「人間味」が出てて好き。

表紙は擬人化ものみたいだけど

実際は競走馬（♂）に転生したジョッキー（男）が主人公の物語で、表紙を見て受けた印象とは全く違うストーリーです。当然ですがこの表紙は馬耳コスプレなので競走馬擬人化コンテンツとはなんの関係もありません。
タイトル通り性欲旺盛だったジョッキーの転生後ということで性欲を前面に出す描写が見られるのですが、性欲や露骨な性描写がストーリーの動くきっかけになっている反面、たびたび挟まれる性欲描写のせいで競走馬側としての成り上がりに関しては常にペースが崩されてのめり込めないと感じる作品です。
今みるとカテゴリーがラブコメだったので、転生して知識を持つ競走馬の物語ではなく競走馬に転生した元ジョッキーの性欲を期待し...続きを読むて読むのが正しかったのかもしれません。

別の本を

文章が悪い意味で独特で、読んでいて自分の日本語を疑いたくなる作品
内容自体は殊更目立った面白さはなく、タイトルとあらすじで抱いた印象を上回ることはない(前半100ページ弱と長々続く老人狩以前の話で下回ることはあろうか)
前述した日本語の違和感もあって、オススメは出来ない本である
この本を読むよりも、その時間とお金で別の本を読む方が素敵な読書体験になるだろう

呪いの呪い

前作｢ドクムシ｣があるため先にそちらを読むことを推奨します。
前作の地続きではあるけど単純な続編ではなく（言うなれば同一世界の別の話）、前作ラストを踏まえて｢レイジやミチカがどうなったのか｣を期待して読めば肩透かしを喰らいますし、単品で読んでも前作からの引き継ぎが多く楽しみにくいと思います。
本作も前作と同じくエログロです。正直この方のエロやグロは読んでてもそんなに臨場感というか、鬼気迫る感じがない、のぺっとしたものです。この作者の方が書く文章だと、｢ドクムシ｣同様中盤以降に出てくる肉体的精神的に追い詰められてろくなことを考えられてない人間の散らかった思考描写がそれっぽさがあって好きです。...続きを読む

タイトルの｢レイジ｣の意味は作中で説明されていませんが、本作で撒かれた狂気の根本が前作とは異なり、ドクムシ（蠱毒）によるものではなくレイジによるものということかもしれません。前作の結末が違えばこの本で書かれた全ては何も起こらなかったという意味では本作は、どうしようもなく前作の続きで、コドクが産んだレイジの呪いの産物と言えます。
そんなレイジの呪いに呪われて集まった参加者は、レイジの呪いに導かれて殺し合いを始めます。デスゲームものなので登場人物は減っていくし、生き残った面々にも次々視点が任されるので、ある程度読めば自然と黒幕を絞り込めます（たぶん作者の方も意図的にそうしている）。
謎解き種明かしシーンの後の生き残った二人のやり取りが好きで、かつ前作｢ドクムシ｣よりも黒幕・動機共に腑に落ちるネタばらしだったので、その分前作よりも楽しめました。オチも作中の内容を踏まえて読むとやりきった感というか、清々しささえ感じるものでした。
続き物として肩透かしでも、単品では楽しみにくくとも、前作｢ドクムシ｣を踏まえた上でそれをしっかり超えた作品だと思います。

算数？

タイトルは算数で読み解く、主人公は大学院の数学科に進んだ秀才。ですが算数要素は爪の先ほどしか出てきません。
本巻では十七進数にした理由はあまり感じられず、魔法に使うのは17までの足し算のみ。もっと算数さんの力で色々出来ると思ったけど、そうでもありませんでした。

基本は転生チートスキル物ですが、物語の半分以上が周囲を見下し他人を罵り自分の状況に鬱々としている主人公の独白で、途中で改心しはじめますが長さ質共に改心前の印象を払拭するほどではなく、読んでいる最中はあまり気持ちのいいものではありませんでした。
勘違いして欲しくないのは、この主人公はいわゆる性格最悪を売りにしているようなドクズや...続きを読む利己主義ではなく、本当になんでもなくただ性根がねじ曲がっているだけです。（前世の記憶に引きずられてるというのは分かるけど、それにしても、あまりにも）

また、主人公が成長するために誰かが不幸になる展開（誰かを救うために主人公が成長するといえば聞こえはいいですが）が何度かあり、被害に遭うのは主人公が当たり散らした善人ばかりで、主人公が善人ぶるために人生をぐしゃぐしゃにされる善人たちのことを思うと一層主人公の性格が悔やまれます。

未完結作品

上下巻構想で書かれているにも関わらず下巻が出ておらず（2020年1月現在）完結していません。物語が中途半端な状態で切られているため、下巻が発売されないうちに買うなら注意が必要です。