信じられないほどつまらない
このライトノベルすごい!2023の1位に選ばれていたので試し読みしました。
信じられないほど面白くなかったです。
まず、主人公の心の声がうっとうしい。
屁理屈をこねて、それをさも正論であるかのように得意げに語るさまは中二病そのものです。
冒頭が「社会は平等か?読者諸君は真剣に考えてほしい」の時点でお察しです。
次に、ヒロインの魅力が皆無。
「暴力系ヒロイン」を陰湿にした感じです。最悪です。
どんな事情があったにせよ、隣の席の主人公の手をコンパスの針で刺すなんて、ただの胸糞悪いイジメです。
この人も屁理屈をこねてはしょっちゅう主人公と論争してます。
そして、文章が読みにくい。
正直レーベルから文庫本が出ているとは思えないクオリティです。
小説投稿サイトのアマチュア作品の方が遥かにすっきりしていて、読みやすいです。
致命的なのは、作品全体に滲み出ている、作者の自意識です。
『どうだ?こんなに自分は頭がいいんだぞ。』というアピールが激しい。
主人公を筆頭としたメインキャラが、「社会とは〜」「論理的に〜」「合理的に〜」のような、頭の良さそうな単語を使って、聞き手が首を傾げたくなるような屁理屈をこねる。
1人だけなら「痛い子キャラなんだな」で済むのが、主人公もヒロインも後述の男子学生もこんな感じなので。
読んでいて恥ずかしくなります。
社会的なテーマを取り扱い、議論していく話なのでしょうが。
やりとりがしょうもないです。
たとえば、優先座席に座る男子学生がおばあさんを前にして「譲る義務はなく自由意志だから譲らない」とかなんとか言って、意地でも席を譲らないシーンがあるのですが。
道徳以前にダサすぎます。
冒頭で主人公が「社会は平等か」と読者に問いかけたシーン、実はヒロインと話すのが嫌で、たぬき寝入りをしていたそうです。
目の前のヒロインと向き合うのが怖くて、頭の中で現実逃避。
なんとも情けないです。
こんな論争が何度もあります。
長いわりにくだらないです。
最後に、主人公の入学式直後の言動はコミュ障全開でした。
友人が欲しいと思いつつも、行動を起こさず、ろくに話しかけすらしない。結果、一人ぼっち。
今自分がやるべきことに集中できない人間に、社会や他人様について物申されましても。
なんにも心に響きません。