【感想・ネタバレ】探偵は教室にいないのレビュー

あらすじ

わたし、海砂真史(うみすなまふみ)には、ちょっと変わった幼馴染みがいる。幼稚園の頃から妙に大人びていて頭の切れる子供だった彼とは、別々の小学校に入って以来、長いこと会っていなかった。変わった子だと思っていたけど、中学生になってからは、どういう理由からか学校にもあまり行っていないらしい。しかし、ある日わたしの許に届いた差出人不明のラブレターをめぐって、わたしと彼――鳥飼歩(とりかいあゆむ)は、九年ぶりに再会を果たす。日々のなかで出会うささやかな謎を通して、少年少女たちが新たな扉を開く瞬間を切り取った、4つの物語。第28回鮎川哲也賞受賞作。

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ネタバレ

北海道を舞台にした学園ミステリー。
謎が解き明かすが、犯人は追及しない優しいミステリでもあった。

中学生らしい青春模様や思春期特有の反抗期なども物語に密接に関わっており、懐かしさやもどかしさを感じた。

米澤穂信さんの『氷菓』と雰囲気は似通っており、中学生版みたいな感じであった。

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2025年03月18日

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北海道が舞台の青春、学園ミステリー。
とにかく優しい謎解きと、少年少女の青春模様にドキドキしたり、切ない気持ちになったりと読んでいて楽しい作品でした。


頭の切れる幼馴染に会うのはいつも謎解きに困った時と甘い物を食べるとき。
不登校の少年と謎を解く、という設定もすごく魅力的で引き込まれます。
デビュー作とは思えない物語の緻密さと穏やかな文章が凄く好みな作品でした。

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2025年02月21日

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あまり本を読んでこなかった自分でもすごく読みやすい小説でした。情景や場面がスっと頭に入ってきて想像出来て、まるで自分の中学生時代に戻ったような感覚になりました。

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2022年08月18日

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暗めの話ばかり読んでたから、明るめの話がいいなと思って。人が殺されたりするのは嫌だけど、ミステリは好きという人におすすめしたい一冊。

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2024年12月11日

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一二話は謎が残る(読者が考察でだいたいの答えが導ける)終わり方をしていて、個人的にはよかったと思う。それ以降は良くも悪くも普通だと思いました。そんなに起伏もないので軽い気持ちで読めると思います。

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2024年03月15日

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ネタバレ

学校に行かない幼なじみに、学校で起こる謎を相談し、解決する話。

米澤穂信さんの古典部シリーズに少し似た雰囲気。
4つの短編で、よみやすい。
続編も読みたい。

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2023年09月16日

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ミステリー+青春もの。
主役は中2のウミと幼馴染の歩、仲のいいクラスメイトたち。
高校生ほど大人びてはなく子どもっぽくもなく、中学生だからこその心の揺れ方。
爽やかでいいです。
探偵役の歩もウミもキャラが立っていて読みやすかったです。
それにしても歩は甘いものに目がなさすぎる。

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2023年06月30日

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中学生の学生生活を主題とするのって案外難しいと思っていて、高校生のように皆が一応は青年期に入っている年齢の方が、成長するにも恋するにも謎を解くにも話をある程度フクザツにしやすい気がする。

それで本書なのだが、うまいな、と感じる。
例えば、同じバスケ部でもある友人と、クラスメートの前なのに部活の時のノリで会話してしまったことに悩む、など、中学生の心の”機微”のくみとり方が巧みだ。探偵役の歩にしても、高校生でこの喋り方だとキャラ付けが過剰だと思うんだろうけれど、中学生なら納得できる。

お気に入りの一編は、みんなで余市に行く話。
「謎」自体は割合単純で「まあそんなもんだよね」的な解決をしていくんだけれど、その割に「あからさまな回収はしていないけれど、あれ、伏線だったんだよね」って記述がそこかしこにあって、ミステリを読んだ満足感が得られてよかった。

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2023年04月14日

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中学生の日常の謎で安楽椅子探偵もの

バスケ部に入っていて、自分の身長が高い事を気にしている海砂真史
とある日、机に差出人不明のラブレターが入っていた
ラブレターの相手は誰なのか?
近しい人にも相談しにくいため、母親同士が旧知の中で幼馴染だが小学校入学前から9年間会っていない鳥飼歩を訪ねる
鳥飼歩は昔から頭が切れ、小学生のときにちょっとした事件を解決した事もあったという
果たしてラブレターの差出人の正体とその意図とは?

全4話で、海砂真史とそのバスケ部の友人、栗山英奈、岩瀬京介、田口総士のそれぞれにまつわる日常の謎

1話 Love letter from…
2話 ピアニストは蚊帳の外
3話 バースデイ
4話 家出少女

海砂真史が受け取ったラブレターの差出人
岩瀬京介が校内合唱コンクールの伴奏を降りた理由
田口総士が彼女と会うことを避けた理由
海砂真史の家出先

日常の謎ではあるんだけど、その謎は友人だからこそというものが多い
普段はマメな人が返信が遅かったとかというのは、普通ならそんな事もあるで済ますけど、親しい人だからこそ気になる違和感
些細な言い回しから、知識と思考を読んで特定の相手だからこその答え

この年代の友人同士の微妙な関係や親しい距離感など、青春物語としても眩しく感じる

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2023年03月08日

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著者が北海道出身なため
書いてることが道民感覚で
ストーリーと併せてとても面白い

オイルヒーターはかんかんかんかんうるさいんだよな

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2022年10月16日

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ミステリーだが、殺人などは起こらない。いや、法律に触れるようなことさえない。中学生の些細な疑問に焦点をあて、謎解きが行われる。解決したところで特に何も変わらない。

どちらかというと青春小説の意味合いのほうが強く、中学生の生きる世界がくわしく描かれている。
体の成長に心が追いつかず不安定。小さいコミュニティの中で自分と他人と比べて苦しむ。
自分の中で正解を見つけられない恋愛感情。自らが何者かわからず自分に自信をもてない。

頭がキレて名探偵である歩も例外ではない。むしろ不登校でほぼ引きこもりである歩が一番苦しんでいるのかもしれない。

些細な問題を解決する名推理。それにより皆が少しでも幸せになれば嬉しい。何よりも歩自身が自分を肯定するきっかけになればよい。おせっかいにそんなことを思う。

自然と登場する中学生達を応援してしまう。そんな小説だ。
良い読書時間だった。


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2022年06月29日

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ネタバレ

久しぶりの鮎川哲也賞受賞作。
中高生が抱える日常のささいな謎を扱ったミステリで、青春ものでもある。登場人物が少なくて、なおかつキャラが立ってるのが読みやすくて良い。
短編集だが、どの話も最後まで書ききらないところが、この作者の好きなスタイルなのかな、と思った。結局ラブレターはエナからだったのかとか、ホントに岩瀬はボイスレコーダー使ってたのかとか、ウミが田口に謝った時の様子も知りたかったなぁ、とか。99%そうなんだと思うけど、そうだと言い切ってしまわずに、読者の想像に委ねてるところがある。嫌いじゃないけど、ミステリを読んだ後はスッキリした読後感に浸りたい私にとってはいくらかもどかしくもある。ただ、今回のそれは、嫌じゃないもどかしさではあったかな。

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2021年11月02日

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ミステリーは定番としては探偵が関係者を集めて謎解きしてビシッと犯人をあげるパターンだと思うけれど、このお話は少し違います。
この独特の余韻に気がつくと病みつきになってると思います。探偵役の歩くんのキャラがいいです。変わり者だけど憎めないキャラ。

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2021年10月26日

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 文章が上手いな、と思った。中学生の瑞々しい心情をうまく掬いとっている。第一話が簡単なので、「推理部分は楽勝でした」と書けるかと思ったけど、二話以降侮れなかった。なかなかミステリー部分も悪くないです。

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2021年10月25日

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主人公も探偵役も中学生なので、そう派手な事件が起こるべくもなく。主人公の周りで立ち上がる些細な違和感を、探偵役がイヤそうに解く。そんな連作短編集です。
舞台は北海道ですが、最終4話目などは北海道ならではですね。

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2021年09月29日

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日常のなんてことのない、でも本人にとっては需要な謎を解いてもらうちょっとしたミステリー。友情ものの青春が大好きなわたしはかなり好きだった。あと会話文がくすってきておもしろい。石のくだりは笑った。
最初の話がすごい好き。わりとオチはすぐに読めるんだけど、煌めく眩しさと切なさにグッと来た。
それからも普通に登場するからどうなったんだろうと思ったけど、そんな野暮なことは聞きません。

爆発的には売れなさそうだけど(笑)わたしは買い続けるぜ。続編も楽しみ。

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2021年09月29日

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ネタバレ

 誰も死なない、中学が舞台のほのぼの系ミステリー。主人公の活発なバスケ女子“ウミ”と、変人だけど頭のキレる“歩”。性格が正反対の幼馴染コンビが、身の回りの事件を推理していく様が面白かった。

 全4話構成で、各話ごとに扱う事件が違う。
 1話はラブレターの差出人さがし。2話は合唱コン練習での指揮者と伴走者の衝突。3話はモテ男の浮気調査。4話は父と喧嘩し家出したウミの場所を、歩むたたちが突き止める。どの話もオチはホッコリできて後味がいい。
 とくに印象的だったのは下記3つの話だ。

*第一話 Love letter from...
 ウミの机にだれがラブレターを入れたのか?
 先入観により男だと思ってたけど、ウナの親友で同じバスケ部の“エナ”が犯人だったのは驚く。ウミに好意を寄せる男子がいる、というミスリードにやられた。
 恋愛感情ではなく、同じ部員としての憧れが動悸。ウミの綺麗なシュートフォームに憧れてたのね。たしかに面と向かって言うのは照れそう。

*第二話 ピアニストは蚊帳の外
 合唱コンクールでのいざこざ。入賞に向けて、練習に熱が入るクラスが舞台。
 1人の音痴生徒をキツく責めて追い出した指揮者と、それにブチ切れた伴走者が対立。声でかい音痴がうざいのは分かる。とはいえ、みんなの前で罵倒を浴びせるのはやり過ぎで不快で、伴走者が「降りる」というほどブチ切れるのも無理ない。
 入賞に関して“指揮や伴奏のうまさ”や“音痴具合”は、評価に関係ないというのは意外だった。合唱コンってあくまで、技術うんぬんじゃなくて、クラス全体の一体感みたいなのを評価してるのかな。

*第四話 家出少女
 父と喧嘩して家出したウミ。彼女の居場所を突き止めるべく、歩と友人たちが奮闘する。
 夜のパーキングエリアで1人でいるウミからは、冬の冷たさと孤独さが伝わってきた。そんな中、彼女を見つけてくれた歩たちと再会するシーンは暖かい。
 「歩を侮辱したから」ウミが激昂し父を許せなかった理由がやさしい。この一言から歩への深い友情を感じれる。

総評
 いつも人が死ぬミステリーばかり読んでるから、死人が出ない推理小説は新鮮だった。たまにはこのような日常系ミステリーもいいかもしれない。

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2025年10月28日

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読みやすい文体なので小説が苦手な方にはオススメ。
読書好きな方には、どこかで読んだようなキャラ設定で、ストーリー展開に多少無理やりな点があり、もの足りなさを感じると思います。
ミステリーとしては、個人的には可もなく不可もなくといったところでしょうか。

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2023年02月13日

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端から見れば些細な日常の謎。
だけど中学生の真史達にとっては、ちょっとした事件のように思えてしまう。
この10代ならではの感性と青臭さが微笑ましくも瑞々しい連作短編集。
やはり気になるのは探偵役の鳥飼歩。
頭は切れるが変人で甘いもの好きな少年。
そんな彼にも何やら謎が隠されていそう。

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2022年12月31日

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中学生の大人になりきれない発展途上の心情をうまく表現していて、大人だったら流してしまう日常を事件にすることが青春なんだよなって、思い出させてくれる物語。
妙に大人びている鳥飼歩は、自分のことを1番よくわかっているし、まわりのことを冷静にみている。
歩のように生きられたら、きっと生きやすいだろうなと思った。

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2022年02月10日

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普段あまり推理小説は読まないのですが、タイトルに惹かれて読んでみました。

この作品は一般的な推理小説にあるような、事件が起き、その犯人を突き止めるという内容ではなく、日常で起こった些細なことや、ちょっと不可思議な出来事を紐解いていくという内容でした。

物語自体は、主な登場人物4人(5人?)にスポットが当てられており、それぞれの物語が1冊にまとまっているような感じだったので、非常に読みやすかったと思います。

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2021年11月09日

Posted by ブクログ

おじさんには眩しいくらいで。
バスケ。告白。家出。
こんな若葉の季節を過ごせていればもうちょいマシな大人になっていたかも。
爽やかな読後感でしたー。

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2021年10月11日

Posted by ブクログ

日常の謎系ミステリー。そんなこと謎解きしてどうするんだ、本人に聞こうよ!って感じの謎とき依頼をしてくる真史とわずかな手がかりから憎たらしくもそれを解いてしまう鳥飼歩。若いときはこういうことで悩んだこともあったなーと、青春を感じた。

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2021年09月13日

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