あらすじ
「〝女の子らしく〟の呪いを解くことができるのは、〝自分らしく〟しかないのだから」(「ライク・ア・ガール」より)。だけど世の中、自分らしくあろうとするだけで、なにかと闘うことになる。年齢、結婚、ファッション、女ともだち――いつの間にか自分を縛っている女性たちの日々の葛藤を、短編とスケッチ、そしてエッセイで思索する34編。
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Posted by ブクログ
最後の短編「超遅咲きDJの華麗なるセットリスト全史」がとても良かった。主人公のようにどの時代も新しいものを吸収して前へ前へ進む人になりたい。
Posted by ブクログ
◾️record memo
「女の子らしく」は女の子を縛る。それを広める勢力へのレジスタンスとして、深い反省と次の世代への希望を込めて、「自分らしく」の肩をどんどん持っていきたい。「女の子らしく」の呪いを解くことができるのは、「自分らしく」しかないのだから。
わたしはわたしのものだから。誰のものでもないんだから。
思春期以来ずっと悩みだった一重まぶたを隠さず、すっきりしたショートに髪を切った。気分はすごくよかった。やっと自分を取り戻せた。ううん、生まれてはじめて自分自身になれた感じ。
自分らしくあろうとするだけで、なにかと闘うことになる。男とも、女とも。
だけど親友とは、どこかのタイミングで行き別れて、それぞれの人生をはじめなくてはいけなくなる。
みんなには悪いけど、あたしはすごく、贅沢なのだ。自分のために時間を使い、お金をつかう。それこそが本当の贅沢。
気分よく自由でいるために服を着る。
"ボロを着てれば心もボロだろ"はたしか鈴木いづみの名言だが、女性の自信はその日着ているもので決まる。
完璧ではない自分を許し、受け入れること。
自分らしいスタイルとは結局、いつも着てしまう服なのだということ。好きな色、ブランド、全身のバランスなどにも、人によってそれぞれ「これが落ち着く」というラインがある。
着ていて落ち着くいつもの服こそが、自分らしいスタイルなのだと。
自分らしさをちょうどよく表現できていれば、それだけで勇気りんりん。
誰かのためにではなく、自分のために。
だけど彼女は、誰にも邪魔されず、こうやって自分とだけ向き合う、穏やかな孤独が好きだ。
真のファッション狂である彼女は、買い物が大好きだ。だけど、買っても買っても満たされないってことを知ってる。
なにかを主張することも、人目を気にすることもなく、年老いた自分をひたすら楽しむの。
「自分で買うからいいんじゃない」素敵なご褒美を用意してモチベーションをキープするのは、ママ流の知恵なのだ。
目標と一緒にご褒美を用意すればいいのよ。そしたらなんだって苦じゃないわ
ママに倣って毎月のお給料から、"ご褒美貯金"をはじめたのは、そんな頃だ。
ママの言ってた"ご褒美"の効力は、永遠につづくと、あたしは信じてる。
それでも、「歌を歌いながらパンを得よ」とわたしは言います。つまり、楽しく働いて生きていこうってことです。
こういう女性に対する搾取的な性差別構造の罠にハマらないようにするために、男に頼らなくても生きていけるよう経済的にも精神的にも自立すべきだし、なにより性暴力は完全にアウトな重要犯罪。そういうことね?
自分の親がこの世から退場し、時間が経てば経つほど、わたしは彼らと話をしたくてたまらなくなりました。
でも人が、誰かの世話にならずに生きられる時間は、実はすごく短い。
自分のダメなところも受け入れて、「まあ、こんなもんでしょう」と思える五十歳になった。自分が若かったとき、言ってほしかったことを言えた。わたしにしては上出来ではないですか。
あたしは大器晩成型だから、その分先は短いもんで、過去に浸ってる時間なんてないのさ。