あらすじ
電気式五芒星と古文献を駆使し、オカルトと科学を混合させた技術で怪奇現象に立ち向かう、名うての“幽霊狩人”──トマス・カーナッキ。彼が事件をみごと解決して自宅に帰還するたび、わたしたち友人は食事に招かれ、その冒険譚に耳を傾けるのだ。無人の空間で起こった死傷事件、不気味な口笛の鳴り響く部屋の怪談、馬の魔物が出現する奇譚等々、ドイルの創造した名探偵ホームズと同時代に発表され、その怪奇版として名高いシリーズ全作を新訳で贈る。本邦初訳の資料的作品1編を含む、全10編を収録した。/【目次】礼拝堂の怪/妖魔の通路/月桂樹の館/口笛の部屋/角屋敷の謎/霊馬の呪い/魔海の恐怖/稀書の真贋/異次元の豚/探偵の回想/訳者あとがき
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Posted by ブクログ
「クトゥルー神話」の流れを汲みしもの(コズミック・ホラー)、という枠で捕えていたので、「ホームズのライバル」というタグにちょいとびっくりしてみたり。そうか、怪奇探偵小説、か……ホームズにも「バスカヴィル家の犬」とかあったもんなあ。
「電気式五芒星と古文献を駆使し、オカルトと科学を混合させて怪奇現象に挑む、名うての“幽霊狩人”」という紹介文が、このシリーズの魅力をすでに余すところなく語っています。
起こる事件も心霊・超常現象ばかりではなく、人目を欺くために幽霊の振りをした、というオチのものも入っていて、そういう意味でも楽しめます。つくづく作者の早世が惜しまれる……。
Posted by ブクログ
『礼拝堂の怪』
アルフレッド・ジャーノック卿の屋敷で行われた礼拝の終わった礼拝堂で片付けていたベレット執事が何者かに刺された。司教もジャーノック卿も目撃する中の事件。呪われた礼拝堂の秘密。
『妖魔の通路』
アンダースン邸の回廊の突き当たりの部屋で起きる怪現象。夜中に開くドアのの音。執事のピーターズとの捜査。部屋の中から出られないという霊の秘密。
『月桂樹の館』
月桂樹の館で殺害された2人の浮浪者。その館で一晩を過ごす者は命を落とす。夜中にカーナッキが写した写真に写っていたもの。
『口笛の部屋』
アイルランドの館を買い取ったアメリカ人のタソック氏。地元の美女ミス・ドナヒューと婚約したタソック氏。その後聞こえてくる口笛の音の謎
かつて館で殺害された道化師の秘密。
『角屋敷の謎』
角屋敷の周囲を歩きまわる女の正体。井戸に隠された秘密。
『霊馬の呪い』
最初に生まれた女性が呪われるというヒギンズ家。メアリと婚約者ボーモントに聞こえてくる馬の泣き声。地下室に隠された秘密。
『魔海の恐怖』
トムスン船長が所有する船。その船で航海すると船員たちがおかしくなっていくという。船を襲う怪異。
『稀書の真贋』
1冊しか現存していた詩集。その本のもう1冊が発見された。鑑定の結果は本物ということに・・・。
『異次元の豚』