【感想・ネタバレ】少女たちは夜歩くのレビュー

あらすじ

この魔界に迷い込んだら逃げられない!
少女失踪、めくるめく悪夢…
まさかの真相にあなたは絶句する――
全読者震撼のホラーミステリー!
その魔界の罠にはまったのは少女だけではなかった――
ここは青い夜露に濡れた甘い匂いの土の国――狂気の恋に落ちた女子高生、奇妙な絵の修復を依頼された女、不治の病に侵された男、謎のケモノと少年、死んだ人間が見える女……都市の真ん中の城山の周辺で不可解な悲劇に見舞われる人々。
森の魔界にからめとられ悪夢を見た彼らに救いの時は訪れるのか――驚愕の真相に戦慄する傑作ホラーミステリー!
〈目次〉
はじまりのおわり
宵闇・毘沙門坂
猫を抱く女
繭の中
ぼくの友だち
七一一号室
酔芙蓉
白い花が散る
夜のトロイ
おわりのはじまり
解説・東 雅夫

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この作品は、322ページなんですが、私は読むのに足掛け三日かかってしまったのですが、これから読まれる方にはなるべく短期間で読まれることをお勧めします。

8作の連作短編集で、すべての物語が最後に繋がっていたとわかるのですが、時系列が難しく、誰と誰とがどういう関係だったとかも私は途中でかなりわからなくなってしまいました。

物語の場所は四国の松山の城山を中心にしたところで、ジャンルとしてはホラーミステリーです。
そこで、8つの不思議な物語が語られます。


以下完全ネタバレです。お気をつけください。



一番印象的だったのはいなくなった、アメリカン・ショートヘアが城山に住みつき、妖獣となり人を噛んで感染症をばらまき人を死に追いやっていく話。

妖獣は複数の話に登場するのですが、特に「ぼくの友だち」という一編で恵まれない環境にあり、妖獣の世話を大切な友だちとしてしていた少年に、保険金を掛けて死に追いやった義理の両親を仇討ちした話が印象的でした。

他の話も人の未来が見える脳腫瘍患者など幻想的な人物がでてきますが、勧善懲悪的なストーリーで死ぬのは悪役なので不思議と怖いとは思いませんでした。
幻想美を感じました。

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2022年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホラーミステリーの連作短編だとこんなふうになるのかと感心しきり。

読みはじめたときはたいして怖くないと思っていたのに、主人公が変わるたびにこれが誰だったのかを確かめようと、前の話に戻ってはゾッとする。最後の一文を読むまで、前話までに登場した誰なのかがわからない場合もあって、気づかされたときには戦慄。城山の周辺に住む人々に降りかかる悲劇は途切れることなくすべて繋がっているのでした。

不気味だけど鮮やかで、お見事と言いたくなります。同著者の『入らずの森』といい、この人に「森」を書かせると面白い。私は絶対入りたくないけど。

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2025年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

それぞれの話の主人公の心情が細かく描かれているからか、悪が裁かれる形が多く理不尽さが少なかったからか、ホラーと言っても読み進めていくと怖さより面白さが勝った。ページが進むにつれ色んな人の繋がりが見えてきて関係性が整理されていき、すっきりとした読後感だった。

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2024年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

城山を中心に、その周りで生活を営む人々の暗い心の襞が露わになっていく短編集。
脇役だった人が次の短編で主役になっていたり、関係ある人々が入れ替わり立ち代わり出てきて、各話独立しているように見えて何かしら関連があるという飽きない構成にすっかり取り込まれた。
宇佐美さんの描く人間の情念は得体の知れない不気味さとせつなさがあって読者を虜にする。
明るい兆しの『白い花が散る』が印象的。
城山の濃緑の森に魅入られた登場人物たちはそこを離れられない。私も人の心の迷宮そのもののような宇佐美作品の深さに魅せられ、離れられない。

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2021年11月21日

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