【感想・ネタバレ】今と未来の利益を増やす社長のための経営戦略の本のレビュー

あらすじ

経営戦略理論をあなたの会社経営に活用する。
我流経営から戦略的経営へ実践の書。
クライアント企業の事例を交えながら、中小企業が、
世界最高の頭脳から生まれた経営理論と黒字メソッドを活用して、
利益と存続成長を獲得する方法を公開。

社長は「売上を伸ばせば、利益は増えてお金も増える」と考えて、
日夜売上を増やすことに頭を悩ませ努力している。
しかし、利益とお金は一体であるにもかかわらず、利益をふえてもお金が残らないという会社は多い。
存続し成長していくための、正しい考え方の基本を紹介する。


■目次

実践企業の実例
事例1:運送業(40代社長・関西)
事例2:アパレル小売業(60代社長・関西)
事例3:ギフト商品卸売業(60代社長・関西)
事例4:介護施設向け給食業(50代社長・関西)
事例5:旅館ホテル業(60代社長・東北)
事例6:広告業(40代社長・東京)
事例7:アルミ部品製造加工業(60代社長・関西)

第1章 利益とお金の話
利益とお金の正しい関係
利益はどこから生まれるのか
誰にでもできる!利益を増やす売上の見つけ方
利益を増やす売上と利益を減らす売上

第2章 “今”のあなたの会社の利益を増やす
カギとなる3つのメソッド
貢献利益を重視せよ
貢献利益を把握せよ
最小の労力で短期間に利益を増やす

第3章 “未来”のあなたの会社の利益を保証する
あなたの会社の存続を保証してくれるもの
利益目標の達成と会社の存続
「正しい経営戦略」とは
「正しい経営戦略」を見つける

第4章 経営戦略の実践と落とし穴
今の利益を増やす経営戦略
未来の利益と存続を保証する経営戦略
経営戦略の落とし穴
目標を手に入れる技術
新「戦略的中期経営計画」を策定せよ

■著者 椢原浩一(クニハラコウイチ)
経営コンサルタント。KRB コンサルタンツ株式会社代表取締役社長。
認定事業再生士(CTP)。黒字メソッド® 実践会主宰。
指導社数1019 件、相談件数3575 件、再生件数352 件、
一年黒字改善率91.3%の実績を持つ。(2021 年1 月現在)
なかでも、「黒字化」「リスケからの再建」「第二会社による事業再生・事業承継」に
関しては、日本屈指のスペシャリスト。
「黒字化」は、一年で黒字にする「黒字メソッド®」を確立し、9割を超える。
「リスケからの再建」については、黒字メソッド® によるBS、PLの改善、
金融機関との信頼構築を指導し、数多くのリスケ脱却を実現。
「第二会社による事業再生・事業承継」は、100%の成功率を誇り、
債務ゼロ化の再生社数は、日本トップクラス。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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Posted by ブクログ

著者・椢原浩一氏は、経営者が「今」だけでなく「未来」の持続的な成長と利益を見据えるために必要な考え方と行動様式を、明快かつ実践的に提示しています。

特に印象に残るのは、「我が社は何業か?」という問いです。たとえば、「より良い映画を提供する会社」ではなく、「より楽しめる娯楽を提供できる会社」――この視点の転換は、業種の定義を狭義から広義へと広げ、真に顧客のニーズに応える企業であるための戦略的思考を示しています。この問いは単なる哲学的な問いかけではなく、戦略の出発点であり、変化し続ける市場に適応するための核心です。

また、「なぜ顧客は、我が社から買ってくれるのか?」という問いは、企業にとっての存在価値、競争優位の源泉を見直す契機となります。著者はこれを「KFS(Key Factor for Success=成功要因)」という形で言語化し、企業が自己認識を持って市場に臨むべきであると説きます。

さらに、数字(売上)を追いかけるのではなく、「売上目標につながる行動」と「その件数」に着目するマネジメント手法は、実務的な示唆に富んでいます。これは、現場での具体的な行動管理に基づくPDCAを促す視点であり、売上という“結果”ではなく“プロセス”を重視することで、より健全かつ持続的な成長を実現するための考え方です。

このような変化は、「いつから起こったのか?」という問いについては、本書では明確な時期は示されていませんが、現代の急速な市場変化と消費者価値観の多様化を背景に、企業の在り方自体が再定義されつつある今こそ、求められる視点であることは間違いありません。

本書は、経営者やビジネスリーダーにとって、自社の存在意義を再確認し、今後の戦略を再設計するための指南書です。読み進めるごとに、視点が変わり、行動が変わり、結果として会社そのものが変化する――そんな可能性を秘めた一冊です。

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2025年11月17日

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