あらすじ
【あらすじ】
水田で老人の焼死体が発見された。状況から自殺と考える警察に、ある老婆が異を唱える。彼女の名は花井朝美。癖のある老人が集まり「ワケあり荘」と呼ばれるアパート、若鮎荘の住人だ。70 過ぎでありながら背筋をピンと伸ばし、意気軒昂な花井は、鋭い観察眼と長年築いてきた人脈を生かし、事件の真相に迫る。彼女と「ワケあり荘」の住人たちは、その後も様々な事件に首を突っ込んでゆき――。
【著者情報】
1952年、長野県岡谷市生まれ。中京大学法学部卒業。趣味は詰将棋創作で、詰将棋パラダイス半期賞、日めくり詰め将棋カレンダー山下賞を受賞。第17回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、2019 年に『盤上に死を描く』(宝島社文庫)にてデビュー。
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Posted by ブクログ
全体として、盛り上がりにかけたのはなぜだろうなぁ。キャラクターに感情移入ができなかったからだろうか。探偵役の元先生だが、探偵にはよくある「最後まで謎解きは明かさず、調査だけワトソンに依頼する」という王道なのだけれど、それの振り方に愛を感じない。探偵役を楽しむにしても、イヤイヤやるにしても、中途半端に見えてしまうからだろうかねぇ。どこか斜に構えたその感じが最後に向けた伏線とも言えなくはないとも思いつつ、うーん。
多分、好みの問題なんだろうな。
Posted by ブクログ
まさに令和のマープル。
警察も花井おばあさんには頭が上がらない。
ただ彼女も何でもすぱっと解決する万能な探偵とは限らず、悩んだり推理をやめたりと弱い部分もあったのはキャラの深みが増したと思う。
推理も中には二段構えになっていたり、最後に繋がる伏線が随所随所に用意されていたり、基本的に殺人事件だし、割と本格的な推理ものだったと思う。
それを解決するのに乗り出すのは、少年探偵団ならぬ老人探偵団。
ご年配の方だって、一致団結すれば犯人確保も行えちゃう。
ただワケあり荘は本当にワケあり荘で、花井おばあちゃんの推理が冴え渡る中、住人は加害者だったり被害者だったりで減っていく。
特にレギュラー格のキャラの残留率が意外に低くて驚いた。
これ以上、住人が事件で減らないことを祈る。