あらすじ
2018年1月、テリーザ・メイ首相(当時)は「孤独は現代の公衆衛生上、最も大きな課題の一つ」として世界初の「孤独担当大臣」を設けた。街にパブや教会があり「孤独とは無縁」と思われていたイギリス社会でいま何が起きているのか。孤独担当相の設立経緯から、社会に根付く弱者への思いやり、チャリティー団体の細やかな目配り、そして英王室の役割まで、イギリス社会を長く見続けてきたジャーナリストによる現地からのレポート。
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Posted by ブクログ
イギリスはチャリティの精神があるなぁと感じた。公園のベンチに寄付者の名前があったりするらしい。イギリスの生活と福祉をよく取材しているのだが、情報量が多く事例集として参考になる感じがした。
Posted by ブクログ
面白かったー!
イギリスの孤独対策の取り組みだけでなく、イギリス王室の慈善事業や慈善団体の支援、イギリスや欧米の道徳観について学べました。
メモ
Posted by ブクログ
道草の文化、王室によるパトロン、マギーズハウス、フリーダムパス……。
イギリスの成功事例集でした。
日本にもたくさん良い事例はあるのでしょうが、基本はインディペンデントかつ属人的な活動のイメージがあって。ダルクとか、児童館、ほっとラインなどもちろんありますが、ここにあるような文化的なところは随分衰退してしまったのかなと思います。
歓談の文化、知らない人と挨拶したりおしゃべりしたりすることは本国では随分難しそうだ。
ここに書かれていない、難しいことはたくさんあるでしょうが、まずは試みの数だよね、何事も。
よかったです!
Posted by ブクログ
孤独対策相をつくり国として対策に取り組むというニュースを見た時、へぇとしか思わなかった。けれどその取り組みがいかに先進的で将来を見据えたものだったのかというのが、少子高齢化の進展が急激に進みその影響が痛みとささてはっきり感じられるようになった今の日本で強く感じる。読んでいて思ったのは、やはりこういう運動や取り組みがどこよりも早く出てくるのが先進国たる所以なんだろうなぁ。移民の受け入れでこの本で語られているイギリスと今2025年のイギリスが変わってきているのか、変わらないのかが気になるところ。
Posted by ブクログ
孤独、チャリティー、障がい者やLGBTなど社会的弱者にスポットを当てた内容。何をするにも全て「金」がつきまとうので、寄付社会、ノブレスオブリージュが元になることで弱者を救える資金(パトロン)を得られるんだなーと合点。日本では孤独や助け合いは個人もしくは家族間でどうにかするものという意識がまだまだ強い。だから「日本は劣っている」とは思わないが、もうそろそろ「他人様に迷惑をかけてはいけない」って感覚を捨ててもいい気がする。苦しむのは自分たちだよって。
引用以外も所々、文が翻訳調だったのは読みづらかった。
Posted by ブクログ
非常に興味深く読んだ。孤独への対策に限らず、社会貢献への姿勢など…。オックスフォード大の学生に、何のために勉強するのか、と著者が聞いたときの学生の答には衝撃を受けた。自分自身にもそういう発想は全くなかったことを恥じた…。
Posted by ブクログ
カリフォルニア大学ロサンゼルス校で孤独による健康被害を研究するスティーブコール博士は、2007年慢性的な孤独を経験した人とそうではない人とのあいだには細胞レベルで大きな違いが見られると発表した。
孤独に苦しむ人の場合炎症に反応する遺伝子がオンの状態になっている。
慢性的に炎症の状態が続くと、アテローム性動脈硬化症、循環器疾患神経変性疾患、転移性がんといった慢性病を誘発する原因となってしまう。
孤独は静かなる疫病でありうつ病などリスクが大きい。
タイム誌はすでに2015年の記事で、アメリカのブリガムヤング大学による調査について取り上げ、孤独が肥満や薬物乱用に匹敵する公衆衛生上の問題になり得ると指摘している。