あらすじ
日本では信仰を持たない人が大半を占めるが、他方で仏教や神道、キリスト教の行事とは縁が深い。日本人と宗教の不可思議な関わりはどこへ向かうのか。新宗教の退潮とスピリチュアル文化の台頭、変わる葬式や神社の位置づけ、ケルトや縄文など古代宗教のブーム……。宗教を信仰の面だけでなく、実践や所属の観点も踏まえ、その理解を刷新。人々の規範から消費される対象へと変化しつつある宗教の現在地を示す。
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Posted by ブクログ
宗教的なものの流行に興味があり、読み始めた。大きな活力にもなるし、極端にいえば人を殺す動機にもなるもの。「これさえ信じておけば私は生きていける」という思考の危うさを、説明できるようになるかもしれないと思った。
この本のオリジナルな点は、宗教を信仰・実践・所属の三要素に分解し、個人を中心とする現象として注目するところ。
印象的なフレーズ
「消費者優位のスピリチュアル・マーケットで主題になるのは、魂の救済ではなく、心身の癒しや気分転換だ。」
「問題のある世界を作り変えるのではなく、そうした世界を少しでも快適に生きるための道具として宗教が利用されるのだ。」
人は変えられないから自分が変わるしかないと自己啓発本では言うけど、人を変えなければいけない立場もある。特に出世すればするほどそうなるはず。捨てればいい、任せればいいと簡単に言うけど、実際捨てたら困るもの、任せられない状況もある。
そんな時に、自己啓発本やスピリチュアル・マーケットの商品を消費することで、自分を高めたり、一時的に逃げ道で癒されて、気分転換にはなるかもしれない。が、根本的な解決にはならない。チームで解決するのが1番だと思うけど、今は個人主義の時代だし、難しいのかな。
Posted by ブクログ
面白かった。信仰が中心の宗教という見方では捉えきれない部分を、信仰、所属、実践という3つの要素に分解して仏教、神道、スピリチュアルを分析している。