【感想・ネタバレ】武器としての組織心理学―――人を動かすビジネスパーソン必須の心理学のレビュー

あらすじ

心理学から脳科学、集団力学まで、科学的エビデンスに基づく「リーダーシップの新しい教科書」。人間の本性を暴くユニークな分析で、マネジメントの通念をひっくり返す。「厄介だけど放置できない人間関係」を乗り越える最高の知恵が凝縮された1冊。マネジャー・経営者・監督・コーチなど、全てのリーダー必読!

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Posted by ブクログ

【before】この本を読む前の私は、これらを知りませんでした。
・先延ばしの思考(短期的願望)や現象→行動経済学では「双極割引」
・「悪性の妬みを抱いている?」と感じ取ると、相手への援助行動が促される。
・始めにたった10分間、日常会話をした上司の方が優位に高く評価された。
・出会って間もなくそれぞれ固有の関係性が形成され、8週間でほぼ安定する。
・リーダーと良好な関係にある部下は身内(内集団)として存在し、それ以外の部下は同チームのメンバーでありながらよそ者(外集団)と、棲み分けがなされる。
・良好な関係にあると仕事上の役割(何を任されているか)を明確に認識できる。
・小規模な(4〜5人)職場ほど、人間関係の凸凹を作ってはいけない。
・パフォーマンス( P )行動「明確な計画や指示の提示、臨機応変な処置、新しい技術や知識の教示、ルール遵守の厳格さ」など。
・メンテナンス( M )行動「集団の雰囲気を維持すること、部下に対する配慮、能力や仕事ぶりを認めてそれを伝える言動、公平な対応」など。
・ラージ P・ラージ M 型のスタイルだと、部下のモラル(士気)や精神衛生、職場の状態(雰囲気、ミーティングの円滑さや業績規範など)が高い水準にある。
・権威者の指示によって他人に高電圧の電気ショックを与えてしまう(アイヒマン実験)→人間は良心の呵責に苛まれる状況であっても、権威者に服従してしまう。
・何枚も重ねることでチーズの穴は埋まる。「スイスチーズモデル」→幾人もの目が光り、防御策が複数あるならば各種のトラブルの発生を未然に防ぐことが可能。
・上司にとって最も有力なフィードバック情報は「部下の反応とその後の行動」
・不満を抱いたとしても、議論し納得して部下が従う上司は「課題思考的行動(目標や計画・指示の明確さ)と関係思考的行動(配慮や承認)」の水準が高い。
・「期待されていない」と感じた人の成果や業績は上がらない。(ゴーレム効果)
・役割が明確であると、人は仕事に時間やエネルギーを注ぎ没頭する傾向が強まる。
・ポジティブフィードバック→役割外の仕事や創造的活動に取り組むようになる。
・「褒め言葉のポジティブ効果」は、そもそもの人間関係が良好な時に限った話。
・何のフィードバックも与えない→部下は「暗黙の叱責を受けている」と感じた。
・人が権力を持つと、元々のパーソナリティーに沿って用いようとする。権力への欲求が強い人は利己的に、慈悲深い性格の人は自分の権力を利他的な対応に使う。
・パワー保持高群は、自分の視点で E の字を書く。(相手から見ると逆=相手の立場でモノを考えることが難しい)
・影響戦略は9種類(合理性・情熱性・相談・迎合(機嫌伺い、同調)・交換(売恩)・個人的関係性・より上の権威性・主張(べき論、脅しや圧力)・結託性。
・影響戦略の並び順は、初めはソフトで後ろへ行くほどハード(関係が危険な状態)
・要求を通そうとする思いが高まるほど、ハードな戦略を選択する。
・メンバーが選択する影響戦略の観察を通し、リーダーは内省する機会が持てる。
・発散的思考をする(たくさんのアイディアを出す)ことで、相手や職場を俯瞰し協力的な行動をとる能力が育つ。(才能ではなく能力なので、育てることが可能)

【気づき】この本を読んで、これらについて気づきを得ました。
・非合理的な行動や習慣は感情によってもたらされる。
・一度保有すると「価値が高いもの」に見えてしまう。
・売り手は、買い手の2倍以上の値段をつけた。
・しがみつきの行動は心理学で「保有効果」と呼ばれる。
・情報比較(他人と自分の比較)をすると、劣等感に苦しめられてしまう。
・薄情な裏切りを経験した人たちは、自分をネガティブに捉えていた。
・「妬みは、自分と同じような者が恵まれた状態にあるのを見て心に生ずる一種の痛み」アリストテレス
・人間関係の質が仕事人生を決めるものになってしまう。
・外集団にいる部下の組織へのコミットメントや満足感は低い水準になるため、人間関係の凸凹が温度差を生んでしまう。
・心の健康は生産性を左右するので投資すべき課題。コストではなく必要なこと。
・リーダーの朝の声掛けがある工場では損失を未然に防ぐことに成功している。
・ベクトルを合わせたチームは生み出す力が大きい。「力の合成と分解」と同原理。
・「上司からの資源提供は部下の業績や組織への貢献度を反映し、それが規範」であれば、上司の対応の偏りは生産性向上に必要であり「仕方ない」と納得できる。
・上司と物理的に離れて仕事をするバスの運転手であっても、職務遂行状態は上司のリーダーシップスタイルの影響を受けていた。
・大多数は、不満を我慢(2割程度は納得いくように話し合い・相談すると回答)
・不満が出ること自体は問題ではなく、むしろ風通しが良い証拠。
・不満を抱くのは、組織に対し関心が有るから。募るほど、主体性が目覚めている。
・的外れや、関係を構築できていない相手への褒め言葉はむしろ逆効果。
・パワー動機の強い上司は、あなたを「自分を操縦したがるパワー動機の強い部下」と錯誤する。どんなに正論(あるいは、であるがゆえ)に上司から煙たがられる。
・彼らは、部下のアイデアに耳を傾けてそれを真剣に受け止めることはない。

【TODO】今後、これらを実行していこうと思います。
・アドバイスをもらって積極的に学ぶ行動を通し、自分の妬み感情を改善させる。
・役割(存在価値が見出せる居場所・環境)を作り、プラスの行動変容を導く。
・初対面での関係形成に手間をかける。(初期投資)→相手の行動や思考の予測が可能になり、その後は少ない負担で適切に対応できるようになる。
・周囲と温かな人間関係やつながりを構築し、メンバーの幸福と健康を高める。
・「積極的傾聴スキル」を高め、相互理解と支援的な関係性の構築を目指す。
・コミュニケーションをコストと思わなくていい環境・関係性・心の状態を維持できるよう、ビジョンから離れないコミュニケーションを取り続ける。
・「誰かに大切に思われている」とメンバーが実感できる瞬間を作る。
・エネルギーが不満に注がれたのであれば、速やかにそれに対処し、生かす。
・「各種リスクを引き受けてでも、モノを言おう」とさせる条件を整えていく。
・手がけた仕事で成果を上げた時は、しっかりと基準に基づき適切に評価する。
・優先する仕事の指向性(課題遂行か、関係構築か)を合わせる。(後者に関する指向性のずれが大きいと、部下の不満は生起しやすい)
・仕事上のサポーティブな明るい声掛けや、目配り・心配りを提供する。
・必要な時は、素早く思い遣りに満ちた謝罪を心がける。
・「関わり続けること」と「仲直りをすること」の必要性と重要性を認識する。
・裏切られたとしても、裏切った者を許す。
・関係修復が必要なら、相手の反応に関わりなく1日1回の会話や挨拶を自ら行う。
・自分の知識やスキル不足を認めて謝罪し「今後どうするか」を伝える。
・仕事にコミットし、建設的な意見を引き出すために相談する。

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2023年11月01日

Posted by ブクログ

これは教員にはとてもわかりやすくそして、必要な本だと思う。
学級経営の本としても使えるはず。

とてもいい指針になりました。

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2023年03月31日

Posted by ブクログ

組織の中でおきるネガティブな部分の構造を理解することができ読みやすい本。組織や集団の中でリーダーシップを発揮することに悩んでる人にオススメ!

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2022年10月26日

Posted by ブクログ

返却期限が迫ってるからさっとながしやめて程度しかできてないけどまたもう一回呼んだほうがいい本。


挨拶の効果、チームの温度差を埋めるためのアクションをどうすべきか、上司への不満をどのように吸い上げるか、不満をパフォーマンスに変えるための作戦、雑談の効果、上司との関係性構築、信用関係を取り戻す方法。

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2022年04月30日

Posted by ブクログ

1.久しぶりに心理学を学びたくなったので、手を出したことがない分野に挑戦してみました。

2.組織心理学とは、組織のトラブルの原因を突き止め、上手くいっている集団に共通するリーダーシップや人間関係を明らかにする学問です。本書では、有名な心理学の理論を例に挙げながら、実際に検証した両方の組織を比較しております。
上手くいっている組織は自分が与える影響やビジョンについての重要性をしっかり考えています。そのため、自分が成し遂げたい目標や組織での目標をどのように解決していけばいいかをしっかり考えています。逆に、上手くいかない組織は自分のことばかり考えている傾向がありました。
このように、本書では、うまくいかないそしきのげんいんを突き止めています。

3.「ビジョンなき人に未来はない」
これは、私の師匠が教えてくださった言葉です。組織でも社長が一方的に教育する一方で社員に届いていないケースはよくあると思います。現に、私の会社ではそのような問題が起こっており、勉強会に出ることが苦痛と思っている社員もいます。私も社長から言われる言葉が嘘ではないものの、一方的だなと感じてしまう部分が多々あります。だからといって躍起になって一方的に教え込もうとすれば相手は離れていき、逆効果になり妬みという最も厄介な感情を生み出してしまいます。
私が本書を通して学んだことは、「どうやって人にやる気を起こすきっかけを与えるか」ということです。相手を変えることができないことを前提とし、自分の立場や発言でどうやって相手の喜怒哀楽を弾けさせるかによって、チームが機能するかどうかが変わってくるのだと思いました。


心に残った箇所
・人が集まってくることが始まりであり、人が一緒にいることで進歩があり、人が一緒に活動することが晴雨校をもたらす(ヘンリーフォード)
・ビジョンの効用
1.コミュニケーションの開始
2.友好の証
3.個人の立場を尊敬しあう

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2021年12月26日

Posted by ブクログ

組織の目標を達成するには、人間関係が良好でなければいけない。これは今までの経験でも実感している。業績がよかったから人間関係がよかったのか、人間関係がよかったから業績がよかったのかわからなかったが、この本を読んで後者であることがわかった。上司と部下はお互いフラットな関係で、ポジションと責任の度合いが違うだけ。お互いを尊重し感謝しあう関係が大切だ。
組織に蔓延するネガティブな要素「妬み」「温度差」「不満」「権力」「信用(不信感)」が、見えない空気となって問題を起こしている。これらをポジティブで有益に変えていくことが重要であることがわかった。
とても参考になった一冊。

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

組織には色々な人が関わっているから、このような心理学のエビデンスを基にするとより良いリーダーシップが発揮できるのだと思う。面倒な部下や上司への対応や心の持ちようの参考になった。そういう対応も実践編だと思うと興味深く対応できるような気がする。

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2024年10月17日

Posted by ブクログ

もっとやっておけばよかった、のもっとはなにか?なぜやらなかったのか?なぜいつもそうなるのか?

温度差の話
スローガン、情報共有を見直す、人間関係の凸凹を見直す
不満がある方が健全
不満を言い出せない環境こそ悪
モノを言い出せる条件と仕組みづくり
仕事の評価にする または 明確な役割を与える
ほめどころでほめる!

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2023年06月03日

Posted by ブクログ

自分とも照らし合わせて、職場のいろんな問題が妬みや権力を使った優位性の保持、自己利益を発端としていることに心当たりが多く、納得した。今後のきっかけ、アプローチの参考にしたい内容であった。

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2022年06月18日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれて買いました。
組織を心理学の観点から運営していくという内容ですが、結構興味深いくだりがたくさんありました。自分は上司としての立場が多いのでその目線で読んでいましたが、この本は上司と部下の両方の視点から解説されているところが味噌だと思います。自分にも上司はいますので、時には部下の視点から読む内容もありました。『確かに!』と頷ける内容が結構あり、試してみようかなと思える話しもあり、大変参考になりました。会社の誰かに読んでもらいたい本です。

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2022年03月18日

Posted by ブクログ

良好な組織を形成するためのヒントが得られる。
挨拶をするとか、当たり前とも思われる内容もあるが、研究的な裏付けなども解説しており日常的に活用できそうである。
ベースになるのは良好な人間関係であり、上司として誠実な対応が何よりも重要だと思う。

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2021年12月19日

Posted by ブクログ

部下の影響戦略(上司をマネジメントする方法)は目からウロコでした。あとは、組織心理学の基礎がおさえられています。人によっては物足りないかもしれません。

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2021年10月07日

Posted by ブクログ

ほとんどが読めば納得できることだった。理論立てて整理する事ができた。細かい実験が行われて学問として確立している分野であることにやや意外性を感じたが、現代の組織や人間関係を科学するためには求められているんだな、と感じた。

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2022年07月31日

Posted by ブクログ

当たり前だけど 出来ないこと。
書いてある内容はどこかで読んだことのある覚えがある。
でも、時々このような本を読んで忘れないようにしたい。

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2022年05月19日

Posted by ブクログ

組織心理学の観点からビジネスパーソンとして、心得ておくべきポイントを、整理した一冊。目新しいことではないが、実際のリアルの現場をイメージした時に、どういったアクション(あるいは考え)をとるべきかぎ学問的な根拠とともに記されていた。

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2022年05月03日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれて読んでみた。
組織内で物事がうまく進まない理由とは、、、
まず手始めに読んでみるのは有りな一冊。

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2022年03月20日

Posted by ブクログ

読み始めた時は期待も高かったが、内容に新たな気づきが乏しかった。過去のエビデンスに基づきしっかりまとめた分、目新しさが失われてしまうのは仕方がないことではあるが。

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2022年02月05日

Posted by ブクログ

組織心理学という今まで聞いたことがあるような、ないようなタイトルを読んでみました。
著者いわく、組織心理学とは、組織のトラブルの原因を突き止め、うまくいっている集団に共通する「リーダーシップ」や「人間関係」を明らかにする学問だとしています。冒頭で指摘しているとおり、職場の悩みの9割以上は人間関係によるものだと言われており、いかに人間関係を構築するかは誰にでも関心のある内容であると思います。
組織心理学者である著者が研究をしてきた内容、これまで幅広く行われてきた実験結果を基にしながら、複数のテーマについて取り上げています。
ここでは、組織に蔓延するネガティブな関係をどのようにポジティブで有益なものに変えていくか、「妬み」「温度差」「不満」「権力」「信用(不信感)」の5つのテーマについて、それぞれ解説しています。これらのネガティブな要素が、見えない空気となって、組織を支配している、としており、これらの対処法を身に付けることで、職場の人間関係に関する悩みの大部分に対応できる気がしてきます。
本書で指摘しているとおり、上司ー部下の関係性の質は、パフォーマンス、協力行動、職務や上司に対する満足感、組織への帰属意識、離職などと関連しているというのは、実験結果からも、個人的にも感じるところです。
組織の中でいい仕事をしていこうと思う人であれば、上司の立場、部下の立場に関係なく、参考になる1冊と言えるでしょう。

▼人間は放っておけば、どうしようもなく非合理的な行動をとってしまう
▼非合理的な行動や習慣は、感情によってもたらされる


<目次>
はじめに リーダーのための最強の教養「組織心理学」
第1章 妬みを中和し、モチベーションを引き出せ
第2章 「チームの温度差」を埋めよ
第3章 「隠れた不満」を見つけ、有益化せよ
第4章 権力と賢く付き合え
第5章 「失った信用」を取り戻せ
おわりに 関係性を重視するリーダーシップ

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2021年12月04日

Posted by ブクログ

参考になる記述もありましたが、読む前の期待感と比べるとやや物足りない感じでした。
特に昨今の在宅勤務環境下における部下への接し方については、もう少し踏み込んだ記述が欲しかったですが、筆者がデータに基づく記述を重視されているため、まだ必要なデータが十分で無いのかもしれません。
「組織心理学」に従来より興味が湧いた点は良かったと感じます。

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2021年10月31日

Posted by ブクログ

今はこの本の内容を活かせる環境にないというのもありますが、あんまり内容が頭に残らなかった…

いろんな研究のデータを引用して、客観的に書かれていて良かったですが、図など視覚的に見せてくれるものはほぼなく(内容的に仕方ないのかな?)、ひたすら文章で書かれていて、頭に入りづらい気がする。あまり頭が良くないので、文章を2回通りぐらい読まないと、理解するのに時間がかかりました。

段落とか内容のまとまりとかでなく、無条件に全て一文で改行されてるのも、逆に見にくいかも。

またいつか活かせる環境になった時には、改めて読んで実践してみたいと思います。

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2021年10月19日

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