【感想・ネタバレ】関係人口の社会学-人口減少時代の地域再生のレビュー

あらすじ

住む人が減ったら、地域は再生できないのか?

『関係人口をつくる』の著者が、関係人口を社会学の見地から定義し、その役割を論じた本邦初の「関係人口の研究書」!各地の事例と新たな理論の枠組みによって関係人口を位置づけ直し、人口減少時代の地域再生の方向性を示す。

「関係人口」とは、「定住人口」(移住)でもなく、「交流人口」(観光)でもない特定の地域に様々なかたちで関わる人々を指す語で、深刻な人口減少が進む地域社会の課題を解決するための新たな地域外の主体として近年脚光を浴びている。本書では、関係人口という新たな主体の存在と、関係人口が地域の再生に果たす役割を明らかにすることで、これからの人口減少時代における地域再生の在り方と、再生に向けた具体的な方法論を示す。新型コロナウイルスの影響を踏まえて今後の地域と関係人口を検討する補論も付しており、地域行政や地域づくりに関わる人必携の書となっている。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

人口減少が進む地域では、住民の「誇りの空洞化」や「あきらめ」に起因する主体性の欠如が見られる。(=心の過疎化)
関係人口とは、「特定の地域に継続的に関心を持ち、関わるよそ者」である。
すなわち、企業や返礼品目当てのふるさと納税など、利己的な欲は含まず、また自発性に意義を置き、関心を軽視するボランティアも含まない。
今まで、地域・よそ者の双方が主体となる相互作用の形成はなかったが、これからはこれが求められ、双方の信頼関係が重視される。関係人口は、この主体を形成する作用としてのキーパーソンである。
地域再生とは、地域再生主体が多層的に形成され、地域課題が解決され続けるという連続的過程であり、地域の存続とイコールではない。
関係人口の創出・拡大はあくまで地域再生を目指す上での「手段」であって、「目的」ではない。

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2022年10月09日

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