【感想・ネタバレ】ヤマケイ文庫 ヒグマとの戦いのレビュー

あらすじ

大正から昭和にかけて猟銃を携え北海道の原野を駆けめぐった、ある狩人の若き日の冒険譚!
狩猟の隠れた名著を未公開写真も収録して文庫で復刊。


100年前の祖父は山野を縦横無尽に駆け巡り、狩猟に釣り、温泉開発、
鉱山発掘などフロンティアマンとしてその時代を生きていた。

100年前の根室原野を駆け巡った祖父の冒険談の楽しさが伝わると幸いです。
(「祖父・西村武重について/西村穣」より)


私の叔父(北海道石狩郡当別村)が狩猟家であったので、私の家(札幌郡篠路村)へ訪れると、
大きなガンやカモ、ウサギなどをおみやげに時々持って来た。私は大人になったら狩人になろうと思った。

私は、明治四十四年より今日に至るまでほとんど一生を、未開の森林渓谷を探して、狩猟と釣りに費やしたようなもので、
最早人生の終着駅にあり気息奄々たる老爺となってしまった。この本にあるものは大正から昭和にかけての若き時代の思い出の昔話である。
(「まえがき」より)


【内容】
◆祖父・西村武重について 西村穣
◆まえがき

◆ヒグマとの戦い その1
風連原野のヒグマ/牧場のギャング/茶内林野のヒグマ/養老牛のヒグマ/ケネカ川の大ヒグマ

◆カクレ原野とガンピ原
キネズミを追って/キツネに化かされたか?/カクレ原野の一夜/アマッポーとヒグマ/ヒグマとの死闘/篠路村の浪さん/ウサギの止め足/
キツネ狩り/再びキツネ狩り/ピヨッペの砂金山

◆アイヌの狩猟
酋長榛幸太郎/さんけ爺々/老アイヌの昔話

◆ヒグマとの戦い その2
千島エトロフ島のヒグマ/エトロフ島へ/指臼の硫黄山/ヒグマの襲来/硫黄鉱調査/東海岸を探る/再びヒグマが……/
ヒグマを倒す/紗那神社/美しい未亡人/島との別れ

◆尾岱沼と野付岬
野付半島のガン/カワウソと狂女

◆養老牛温泉を中心として
原野移住/養老の滝/ヤマベ釣り/カムイヌプリの猛吹雪

◆あとがき
◆解説 服部文祥

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Posted by ブクログ

熊のいない島に住んでいるのに、どういう訳か熊が怖くてニュースなどで熊の情報が出ると気になってしまう。
やっぱり怖い!頭が良いうえに動きが俊敏怖すぎる…熊は滅多な事で人を襲わないと思っていたので…一気読みでした…。
自然、生物豊かな北海道、優しく猟に詳しいアイヌの人達、狂人の女性に恐怖を抱く著者は面白かった、熊の時より動揺してる(笑)

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2024年11月08日

Posted by ブクログ

西村武重『ヒグマとの戦い』ヤマケイ文庫 。

1971年に刊行された名著が文庫で復刊。100年前の大正から昭和に掛けて北海道の原野を駆け回り、狩猟に釣り、温泉開発、鉱山発掘などフロンティアマンとして時代を生きた西村武重の自伝的な貴重な記録。

当時、開拓途上の北海道で生きるということは生活の糧である牛や馬、そして自らの生命や生活を守るためのヒグマとの戦いであったようだ。最近でも札幌市街に現れたヒグマにより4人が重軽傷を負い、その後ヒグマが射殺されるという恐ろしい事故が起きているが、当時の北海道はヒグマがもっと身近で危険な存在であったことは間違いない。

作中には著者が仕留めたヒグマの写真が2枚が掲載されているが、想像を絶する巨大な体躯を見ると生きているヒグマと対峙した時の恐怖が伝わって来る。また、作中に描かれるヒグマによる数々の事故や被害、巨大なヒグマとの対決の描写は迫力があった。

さらにはアイヌとの交流や択捉島でのヒグマ猟り、イワナやヤマベ、イトウなどの魚釣り、厳しい北海道の自然や伝承、怪異なども描かれ、非常に面白い内容となっている。

定価990円
★★★★★

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2021年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

書かれている土地に興味があり、読んでみた。

開拓の様子を読むと、「えらいところを開拓したものだなぁ」と尊敬してしまう。

ヒグマに殺されたり、吹雪で亡くなったり(これは近年もあったけど)。
つらくて土地を離れていった人もいたんだろうか。
でも、離れたところで…と思う。

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2021年11月04日

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