あらすじ
物はどのように落ちるのか.四人の中学生と先生が「アリストテレスはうそっぱちだ」と言ったガリレオの思考をなぞりながら,それぞれの意見を出し合い,個性的な話し合いをすすめていく楽しさを再現.科学教育を変えたと言われる著者の仮説実験授業の原点となった討論の記録.シリーズ「岩波かがくの本」で大好評だった本の文庫化.
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人間が人間になるためには、その個体発生において系統発生(歴史)を再生することが求められており、教育はその歴史の加速された再現を助けるものだと考える。仮説実験の手法で「浮力の法則」「落下の法則」を丹念にたどる本書は、単に科学史としてのアルキメデス・ガリレオの紹介に留まらず、認識・科学の方法がどこから来てどこへ行こうとしているのかという風・ベクトルを感じさせてくれる。物理を教えることが公式とその演習の詰め込みに出している昨今、学校での科学教育にはこのような授業が中心であってほしい。中学生の必読図書としたい。