【感想・ネタバレ】知徳国家のリーダーシップのレビュー

あらすじ

新型コロナ、国際情勢の混迷、経済停滞の長期化――
危機に直面したいま、この国のかじ取りは大丈夫なのか?
2人の知の巨人が、リーダーのあり方を巡り緊急対談。

中国の台頭と不安定化する国際情勢、変化への対応に遅れる企業・政治・行政、急速な人口減と高齢化を伴う社会不安、そして新型コロナのパンデミック――多くの課題を抱えたまま危機に直面する日本。今の政治や経済のリーダーたちに、未来へのかじ取りを任せて大丈夫なのか? この危機を乗り越えることができるのだろうか?
本書は、日本が国家的危機に直面した幕末・明治初期と、第2次大戦後という2つの時代に着目。明治維新後の近代日本を創った大久保利通、伊藤博文、渋沢栄一、益田孝、戦後日本の躍進の基礎を創り支えた吉田茂、中曽根康弘、本田宗一郎、稲盛和夫の8人のリーダーたちの生き様を振り返りながら、野中、北岡という現代を代表する2人の「知の巨人」が、リーダーシップ、教育、組織、知的機動力などの論点を軸に緊急対談。いま日本が直面する急激な環境変化を複合的な危機ととらえ、明治維新後150年の日本の経験に「温故知創」の観点から未来へのヒントを探り、あるべきリーダーシップとは何かを提示するもの。
野中の理論的枠組みを用い、社会が暗黙知(文化、慣習等)から形式知(新たな製品技術等)を創出するメカニズムを分析し、明治や戦後の日本の何が優れていたかを明らかにする一方で、北岡の歴史観という時間軸(横軸)と野中の知識創造という縦軸を交差させることで、現在の日本の宿痾や今後のあるべき姿を、よりシャープで普遍性のあるものとして読者に問いかけていく。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

知の巨人の対談本。
明治維新から現代までの8人の政治家や経済リーダーを取り上げ、共通する行動様式を明らかにしつつ、今の日本に取って不足しているものや、尽くすべき義務について語り合っている。
タイトルにある「知徳」とは、福沢諭吉の言葉で、サイエンスとアートとも言い換えられる。本書では、バランスをとりながらの実践知がリーダーシップにおいて重要だという姿勢で使われている。

やや難しく読み応えのある内容ではあるが、知的欲求が満たされると共に、大局的に物事を見たり、リーダーシップを発揮すべき場面での振る舞い方なども学べる一冊。

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2023年07月02日

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